事業内容
株式会社北日本銀行は1942年創業、岩手県盛岡市に本店を置く地域金融機関。本店ほか支店76か店を通じて預金・貸出・有価証券投資・外国為替等の銀行業務を中核とし、連結子会社きたぎんリース・システム㈱によるリース業、きたぎんユーシー㈱によるクレジットカード・信用保証業、2025年7月設立のきたぎんキャピタルパートナーズ㈱による投資業務を加えた4事業で構成される。
主要顧客は岩手県内の個人・中小企業・地方公共団体であり、八戸から仙台をコア事業基盤として地域外への貸出拡大も進めている。東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
資金運用収益(貸出金利息15,702百万円・有価証券利息配当金6,089百万円)が収益の大宗を占め、預金調達コストとの利鞘で資金利益19,250百万円を確保する。これに役務取引等利益597百万円(投資信託・保険窓販・為替手数料等)、リース業セグメント利益156百万円、クレジットカード・信用保証業セグメント利益181百万円が加わる。
グループ内クロスセルにより銀行顧客基盤をリース・保証・カード各子会社の収益源として活用する構造をとる。
企業の強み
2026年3月期末の単体貸出金総額は1,123,487百万円(前年度末比14,041百万円増)。うち岩手県外貸出金は457,094百万円(前年度末比12,165百万円増、増減率2.73%)に達し、地域外への分散も進む。
事業性貸出金527,011百万円・個人ローン532,065百万円とバランスよく構成されており、特定セクター集中リスクを抑制している。
生保・投信の預かり資産残高は126,691百万円(前年度末比6,867百万円増)。投資信託取扱業務手数料279百万円・保険窓販手数料273百万円を計上し、金利収益に依存しない手数料収益基盤を保有する。
フィナンシャルイノベーション&ソリューション部と投資専門子会社の連携により、資産運用ニーズへの対応力を強化している。
2026年3月末の単体自己資本比率は9.57%(目標9.5%以上を達成)、連結自己資本比率は9.89%。正常債権残高は11,152億円と前年度末比増加。
破産更生債権等73億円・危険債権93億円・要管理債権14億円にとどまり、資産健全性は維持されている。修正OHRは68.17%と中期計画目標75%未満を大幅に達成している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
連結経常収益は2026年3月期30,308百万円(前期比+14.8%)と2期ぶりに大幅増収に転換。外部要因として金利上昇による貸出金利息(15,659百万円、+18.4%)・有価証券利息配当金(5,989百万円、+27.0%)の増加が主因。
連結経常利益6,343百万円(+13.7%)、親会社株主帰属当期純利益4,363百万円(+8.8%)と5期連続増益を達成。一方、資金調達費用が2,935百万円(前期956百万円から約3倍)に急増し、個別貸倒引当金繰入額1,111百万円も新たに発生。
2027年3月期は連結経常利益6,600百万円(+4.0%)、当期純利益4,500百万円(+3.1%)を予想しており、増益ペースは鈍化する見通し。
成長戦略
中期計画「BRANDING THE KITAGIN QUALITY 2027」のもと投資・預かり資産・県外展開で収益多様化
2025年7月に投資業を担う新会社きたぎんキャピタルパートナーズ株式会社を設立し連結子会社化。事業承継・プロジェクトファイナンス等の高付加価値業務を担い、資金利益依存からの収益多様化を図る。2026年3月期は経常収益11百万円・経常損失5百万円と立ち上げ段階。
生保・投信預かり残高は126,691百万円(前期比+5.73%)と着実に拡大。投資信託+16.04%、個人年金保険+23.47%と高成長を維持。手数料収益の安定化と顧客の資産形成支援を両立させる戦略で、役務取引等収益の底上げを目指す。
単体岩手県外貸出金は457,094百万円(前期比+12,165百万円、+2.73%)と県内(+0.28%)を大幅に上回る成長率で拡大。県外平均残高451,793百万円(前期比+16,034百万円、+3.67%)と収益貢献も拡大しており、地域経済の人口減少リスクを分散する重要な戦略軸となっている。
2025年9月に配当性向35%を目安とする株主還元方針を策定。2026年3月期年間配当184円(配当性向34.9%)、2027年3月期予想192円(同35.0%)と方針に沿った増配を実施。自己株式消却(975百万円相当)も実施し、ROE向上(当期純利益ベース4.88%、前期4.65%)に取り組む。
最終更新: 2026年7月19日

