事業内容
株式会社平和堂は1953年に滋賀県彦根市で創業し、現在は子会社20社を含むグループで総合スーパー(アル・プラザ)・スーパーマーケット(フレンドマート)を中心に滋賀・京阪神・北陸・東海地区で展開するリージョナルチェーンです。小売事業が売上高の約95%を占め、食料品・衣料品・日用雑貨品等を幅広く取り扱います。
グループには惣菜・生鮮加工の㈱ベストーネ、ビル管理の㈱ナショナルメンテナンス、外食事業(ケンタッキーフライドチキン等)を展開する子会社も擁し、小売を核とした垂直統合型の事業構造を持ちます。中国湖南省にも小売拠点を有します。
ビジネスモデル
主力の小売事業では、アル・プラザ(総合スーパー)とフレンドマート(スーパーマーケット)の2フォーマットで商圏特性に応じた店舗展開を行い、食料品・衣料品・日用雑貨品の販売から収益を得ます。㈱ベストーネが惣菜・米飯・生鮮加工を内製化することで粗利率改善と差別化を図り、㈱ナショナルメンテナンスが店舗清掃・施設保全を担うことでコスト効率を高めます。
HOPアプリ(会員数127万人)を活用したセグメンテーションマーケティングで顧客囲い込みを強化しています。
企業の強み
1953年の創業以来、滋賀県を中心に京阪神・北陸・東海地区へ段階的に出店を拡大し、2023年2月期時点で100店舗超の店舗網を構築。地域密着型の商圏戦略により、エリア特性に合わせた品揃えと売場展開を実施し、競合との差別化を図っています。
デジタル会員基盤としてHOPアプリ会員数が127万人に到達。セグメンテーションマーケティングを活用し、子育て世代向けKVI価格訴求や大容量パック強化により30〜40代顧客の売上増加を実現。既存店売上高前年同期比102.7%の伸長に貢献しています。
2023年5月稼働の新デリカセンターを含む㈱ベストーネのプロセスセンター・デリカセンターを活用し、生鮮部門の生産性を改善。生鮮売上高既存店前年同期比103.3%を達成しつつ、総労働時間を前年同期比99.4%に抑制するなど、収益性と効率性を両立しています。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2023期(415,675百万円)を底に回復基調が続き、2026期は456,010百万円まで拡大。2027年2月期通期予想は478,000百万円(前期比4.8%増)と増収トレンドを維持。
一方、営業利益は2022期の15,362百万円をピークに低水準で推移し、2026期は13,313百万円。2027年2月期第1四半期は営業利益2,571百万円(前年同期比12.7%減)、親会社株主帰属純利益1,186百万円(同45.3%減)と利益悪化が加速。
外部要因として人件費の大幅上昇・物流コスト高騰・エネルギーコスト上昇が同時進行しており、粗利率低下と販管費増が重なった。前年同期に計上した関係会社株式売却益(239百万円)の剥落も純利益の大幅減少に寄与している。
成長戦略
SMフォーマット中心の出店・統廃合とデジタル・内製化による収益力強化
重点エリアへの複数フォーマット(SM・小型店舗・ネットスーパー)での出店拡大を推進。前年開店5店舗の成長と既存店伸長により2027年2月期第1四半期の平和堂単体営業収益は前年同期比5.2%増と伸長。新規チャネル拡大によるHOP経済圏の面的拡大を継続中。
日常使い商品の価格強化、生鮮品・プライベートブランド商品での差別化、HOPアプリを活用したコミュニケーション強化を推進。客単価は上昇傾向にあるものの、消費者の節約志向による客数への影響が懸念材料として残存。
業務プロセス見直しによる賃金向上と人件費コントロールの両立、物流改革・仕様見直しによるコスト最適化を推進。ただし2027年2月期第1四半期の販管費は前年同期比4.3%増(37,833百万円)と増加が続いており、コスト削減効果の顕在化は道半ば。
㈱ヤナゲン(2025年5月)・㈱エール(2025年8月)の平和堂本体への吸収合併が完了し、平和堂単体の営業収益拡大に寄与。合併による規模拡大効果は売上面では確認されているが、粗利率低下が生じており、統合シナジーの利益面への反映は今後の課題。
最終更新: 2026年7月17日

