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株式会社近鉄百貨店

8244東証スタンダード小売業

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事業内容

株式会社近鉄百貨店は、近鉄グループホールディングスを親会社とする近畿圏基盤の百貨店グループ。1936年の大軌百貨店開業を源流とし、2036年に創業100周年を迎える。

あべのハルカス近鉄本店(大阪市阿倍野区)を旗艦店に、奈良・草津・和歌山・橿原・上本町など近鉄沿線各地に店舗を展開する。百貨店業を中核に、輸入自動車販売・食料品製造(卸・小売業)、内装工事(内装業)、物件賃貸(不動産業)、運送(その他事業)を擁する多角的グループ構成。

主要顧客は近鉄商圏に暮らす地域住民・富裕層・外商顧客・訪日外国人旅行者。2025年2月期の連結売上高は115,107百万円。

ビジネスモデル

売上高の約81%を占める百貨店業では、衣料品・食料品・雑貨等の商品販売に加え、外商(富裕層向け人的サービス)・友の会(前払式積立)・免税販売でリピート収益を確保する。フランチャイズ事業(27業種超)の積極導入により固定費を抑えつつ売場収益を向上させる構造改革を推進。

グループ子会社(近創の内装業、近畿配送サービスの運送業)はグループ内取引でシナジーを創出し、不動産賃貸(営業利益率約70%)が高収益補完機能を担う。

企業の強み

2014年グランドオープンの全館10万㎡の大型都市型百貨店。2025年2月期に免税売上が過去最高を更新し、特選ブランド(ボッテガ・ヴェネタ、サンローラン等)の強化により高額商品が好調。開業10周年を経て中期経営計画期間中に全館の約3割をリモデルする計画を策定済み。

外商売上は継続的に好調推移し、近鉄グループ外商への拡大戦略を推進中。フランチャイズ事業は27業種超に拡大し、地域店の全店黒字化を前中期経営計画期間中に達成。2025年2月期の百貨店業営業利益は3,921百万円と前期比54.2%増を記録し、収益構造改革の成果が数値に表れている。

売上高は2022年2月期98,146百万円から2025年2月期115,107百万円へ4期連続増収。営業利益は2022年2月期の△1,399百万円の赤字から急回復し、2025年2月期5,353百万円へ拡大。

自己資本比率は27.3%(2021年2月期)から33.7%(2025年2月期)へ改善し、財務体質が着実に強化されている。

エンヴァリスの着眼点

2025年2月期の営業利益5,353百万円は前期比37.2%増と急拡大したが、旧中期経営計画の最終目標65億円には未達。インバウンド・外商という外部環境依存の要素が大きく、円高転換や訪日客動向の変化が業績に直結するリスクがある。新中期経営計画の目標65億円達成には年率約5%の利益成長継続が必要。

中期経営計画4年間で総額350億円の設備投資を計画し、うちあべの・天王寺エリアに100億円を集中投資する。2025年2月期の設備投資実績は4,087百万円と計画ペースを下回っており、今後の投資加速が見込まれる。投資効果の発現時期と収益貢献の確認が投資判断の重要ポイントとなる。

2025年2月期のROEは9.2%と旧計画目標10%以上には届かなかったが、新中期計画ではROE9.0%以上を目標に設定。2025年度より連結配当性向目標30%を新設し、業績連動型還元へ方針転換した。

自己資本比率33.7%・借入金対営業CF比率0.7年と財務健全性は高く、還元余力の拡大余地は存在する。

成長戦略

百価店への進化を掲げ、旗艦店リモデル・外商強化・新事業種まきを4年間で推進。

中期経営計画(2025〜2028年度)の4年間で全館10万㎡の約3割をリモデルし、特選ブランド強化・デパ地下改装・プレミアムサロン(仮称)新設等により顧客層拡大と次世代顧客獲得を図る。

旗艦店に加え、自社所有商業施設HoopおよびandのリモデルとHoop、and、あべのウェルビーイングテラスを含む4館体制を整備し、エリア全体の集客力・賃貸収益を向上させる。

近鉄グループID統合を活用した顧客再定義により、外商組織を中心に富裕層・VIP化を推進。外商売上高を2024年度比約2割増とする計画。アテンドサービス・ライフコンシェルジュサービスも拡充。

27業種超に拡大したフランチャイズ事業を量から質へ転換し、生産性向上を図る。農業事業(いちご・マンゴー)の自社ブランド化による高収益化、外部施設への自主事業進出も推進。

4年間で約40億円の人的資本投資(2027年度に人事制度抜本改革)と約20億円のDX投資(顧客とのつながり強化・リアル店舗DX・ワークスタイル変革)を実施し、持続的成長の基盤を整備する。

最終更新: 2026年4月30日