事業内容
川辺株式会社は1923年創業のハンカチーフ製造卸売業を起源とし、現在は身の回り品事業(ハンカチーフ・スカーフ・マフラー・タオル・雑貨)とフレグランス事業(香水の直営店舗・卸売)の2セグメントを展開する。主要販路は百貨店(売上構成比51.2%)で、POLO RALPH LAUREN・JILL STUARTなどのライセンスブランドを活用した商品を展開するほか、BVLGARI・CREED・ACQUA DI PARMAなどのラグジュアリー香水ブランドの直営店・卸売も手掛ける。
親会社一広株式会社や子会社レインボーワールド株式会社・株式会社ソルティーとの垂直統合型グループ体制により、製造から販売までを一貫して担う。東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
身の回り品事業では、POLO RALPH LAURENなどのライセンスブランドの商標使用権を取得し、グループ内製造拠点(レインボーワールド・ソルティー)で生産した商品を百貨店・量販店・ECで販売する。フレグランス事業では、ラグジュアリーブランドの直営単一ブランド店と卸売の2チャネルで収益を得る。
グループ連携によるコスト削減と商品価格見直しにより売上総利益率の改善を図りつつ、EC・デジタルマーケティングへの投資で販路を拡大する構造。
企業の強み
1923年創業で2023年に創業100周年を迎えた老舗企業。2026年3月期の百貨店売上構成比は51.2%(前期49.3%から上昇)と主要販路での地位を維持・強化。
都市部主力百貨店での「まわるハンカチ」等の新施策導入や外商顧客特招会への参加など、百貨店チャネルとの深い関係性を活かした売場開拓を継続している。
親会社一広株式会社(タオル製造)、子会社レインボーワールド株式会社(捺染製造)・株式会社ソルティー(ハンカチーフ・スカーフ等製造)との一貫体制により、2026年3月期は身の回り品全アイテムで原価削減策が奏功し、売上総利益率が前年同期比2.5ポイント改善した。グループ連携コスト対策により全社売上総利益率も前年同期比2.1ポイント超の改善を達成。
POLO RALPH LAURENとは2024年4月から2029年3月まで5年間のライセンス契約を締結。同ブランドのファッションバッグが自社EC・ZOZOTOWN・楽天ファッションで好調に推移し、EC売上を牽引。
ハンカチーフアイテム全体の売上は前年比104.0%と伸長し、ライセンスブランドが安定的な売上基盤を形成している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期10,787百万円の底から回復し、2026年3月期は13,036百万円(前期比+2.1%)と微増が続く。一方、営業利益は2025年3月期の308百万円から2026年3月期は193百万円へ37.4%減少した。
売上総利益率は改善したものの、フレグランス事業の新規出店・人員強化に伴う販管費増加(前期比+495百万円)が利益を圧迫した。外部要因として、インバウンド需要(大阪・関西万博効果含む)が都市部百貨店の売上を下支えした一方、中東情勢緊迫化によるエネルギー価格上昇・物流コスト増、為替変動による原材料コスト上昇が収益の逆風となった。
2027年3月期は売上高13,118百万円・営業利益215百万円・経常利益350百万円・純利益230百万円を予想する。
成長戦略
中期経営計画2026「グループシナジー最大化」のもと、身の回り品とフレグランスの両軸で新規販路・EC・デジタルを強化
POLO RALPH LAUREN等ライセンスブランドのEC展開を継続強化しつつ、オリジナル商品の開発・価格見直しを推進。キャラクターIP商品・推し活関連の新規マーケット開拓も明示。2026年3月期はハンカチーフ全体売上が前年比104.0%と伸長し、売上総利益率も2.5ポイント改善した。
BVLGARI・CREED・ACQUA DI PARMA等の単一ブランド直営店の新規出店を継続し、新ブランド契約の拡大とケリングジャパン等新規卸先の開拓を推進。デジタルマーケティング強化によるブランド認知向上も図る。
2026年3月期は先行費用が重なり159百万円の赤字となったが、第4四半期は前年同期比116.0%と回復基調。
2026年春夏より「BOSS」ブランドのパラソルをスタートし、ひびのこづえ・ニコライ バーグマンと共に傘ビジネスを本格始動。身の回り品事業の新規カテゴリーとして収益多様化を図る。
中期経営計画2026の重点施策として「EC強化」「デジタルマーケティング強化」を明示。自社EC・ZOZOTOWN・楽天ファッション等のオンラインチャネルでの売上拡大を推進し、量販店チャネルの構造的縮小を補完する。
「資本効率利益の最大化」を中期経営計画2026の目標に掲げ、経営資源の最適化と事業ポートフォリオ改革を推進。自己資本比率は58.4%(2026年3月期)と着実に改善しており、財務健全性は維持されている。
最終更新: 2026年7月19日

