世界マクロ経済環境変化リスク
米中対立、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢等の地政学リスクに加え、米国の通商政策・金融政策の動向や中国景気の弱含みにより、世界経済の不確実性が非常に高い状況にある。これらの変化は個人消費・設備投資・商品市況に影響を及ぼし、当社がグローバルかつ多様な産業領域に展開する事業の商品・製品価格、取扱量、コストに変動をもたらす可能性がある。当社は各リスク要因の動向を注視しつつ、営業グループとコーポレート専門部局が連携した管理体制を整備している。
エネルギー資源商品市況リスク
当社は北米・東南アジア・豪州等で天然ガス・石油の開発生産事業およびLNG事業を展開しており、原油・LNG価格の変動が業績に大きな影響を及ぼす。原油(Brent)価格は1バレル当たり60米ドル前半から70米ドル前半のレンジで推移し、1バレル当たり1米ドルの変動で当期純利益が年間24億円増減すると試算される。LNGスポット価格は2026年3月に中東情勢の緊迫化を背景に20米ドル超まで上昇しており、地政学リスクに起因する高いボラティリティが当面継続する見込みである。
金属資源商品市況リスク
当社はMDP社を通じた豪州原料炭事業(BMA、50%権益、有形固定資産帳簿価額11,606億円)およびチリ・ペルーの銅資産権益(アングロスール社20.4%、AAQ社40%)を保有し、石炭・銅価格の変動リスクを負っている。銅については1トン当たり100米ドルの価格変動で当期純利益が年間26億円変動すると試算される。商品市況の長期的低迷は保有する有形固定資産や持分法投資の減損を通じて業績に影響を与える可能性があり、中長期的な価格見通しに基づく評価を実施している。
為替変動リスク
当社は輸出入・外国間貿易取引における外貨建て決済および海外事業への投資を通じて、円に対する外国通貨レートの変動リスクを負っており、米ドル・円レートが1円変動すると当期純利益が年間約50億円増減すると試算される。円高進行は外貨建て受取配当金や海外連結子会社・持分法適用会社の持分損益の円貨換算額を減少させ、当期純利益にマイナスのインパクトを与える。先物為替予約等によるヘッジ策を講じているが、完全な回避は保証されない。
株価・金利市場リスク
当社は当連結会計年度末時点で取引先・関連会社を中心に時価1兆4,406億円(評価益3,486億円含む)の市場性のある株式を保有しており、株価下落により評価益の減少や企業年金資産の目減りが生じるリスクがある。また、有利子負債総額(リース負債除く)は5兆7,469億円で一部を除き変動金利であり、急激な金利上昇局面では利息負担が先行して増加し業績に一時的なマイナス影響が生じる可能性がある。ALM委員会において金利変動リスクの管理を行い、機動的な市場リスク対応体制を整備している。
信用リスク
当社は売掛金・前渡金・融資・保証・出資等の形で取引先に信用供与を行っており、取引先の信用悪化や経営破綻による損失リスクを負っている。また、ヘッジ目的のデリバティブ取引の契約先に対する信用リスクも存在する。取引先ごとの成約・信用限度額設定および社内格付制度を導入し担保・保証の取付けを行っているが、信用リスクの完全回避は保証されない。
カントリーリスク
当社は海外取引・出資において、国の政治・経済・社会情勢に起因した代金回収や事業遂行の遅延・不能等のカントリーリスクを負っており、ロシア・ウクライナ情勢を含む地政学的不安定が継続している。CFOを委員長とするALM委員会で国別ポートフォリオのリスク状況を定期モニタリングし、保険付保等のヘッジ策を講じているが、政治・経済・社会情勢の悪化リスクを完全に回避することは困難である。リスクが顕在化した場合、当社の業績は影響を受ける可能性がある。
事業投資リスク
当社は豪州原料炭(BMA)、チリ・ペルー銅資産、カナダLNG(LNGカナダ、有形固定資産帳簿価額4,287億円)、ローソン社(帳簿価額5,026億円)、Eneco(のれん帳簿価額1,670億円)等の大型投資案件を保有しており、事業環境の変化や撤退に伴う投下資金の回収不能・追加損失・計画利益未達のリスクを負っている。投資実行後は毎年「経営計画書」を策定し管理を行っているが、期待する利益が上がらないリスクを完全に回避することは困難である。特にEnecoについては電力需要や欧州マクロ経済の低迷がのれん減損を通じて業績に影響を与える可能性がある。
コンプライアンスリスク
当社は国内外の多拠点でグローバルに事業を展開しており、会社法・税法・独占禁止法・贈収賄関連諸法・安全保障貿易管理・制裁関連諸法・環境関連諸法等の多岐にわたる法令・規制の遵守が求められる。特にロシア・ウクライナ情勢に起因する各国経済制裁の導入・強化への対応が必要であり、チーフ・コンプライアンス・オフィサーを最高責任者としてコンプライアンス委員会が連結ベースでの法令遵守を指揮・監督している。法令・規制上の義務を実行できない場合には当社の業績は影響を受ける可能性がある。
危機事象・事業中断リスク
地震・洪水等の自然災害、新興感染症、重大事故、テロ・暴動、サイバー事故、地政学的有事等の危機的事象が発生した場合、社員・事業所・設備・システムへの被害が生じ営業・生産活動に支障が生じる可能性がある。当社は緊急危機対策本部の設置、BCP整備、耐震対策、定期訓練、備蓄等の対策を講じるとともに、事業継続マネジメント(BCM)を推進している。しかし全ての被害や影響を回避できるとは限らず、危機事象発生時には業績に影響を受ける可能性がある。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

