事業内容
セイコーグループ株式会社は1881年創業の持株会社で、「エモーショナルバリューソリューション(EVS)事業」「デバイスソリューション(DS)事業」「システムソリューション(SS)事業」の3セグメントを中核に事業を展開する。EVS事業ではグランドセイコー・セイコーブランドのウオッチおよび和光の高級小売を国内外で展開し、DS事業では医療用電池・インクジェットヘッド・水晶振動子等の精密電子デバイスを製造販売する。
SS事業ではITインフラ・IoT・決済関連のICTソリューションをB2B向けにワンストップで提供する。2026年3月期の連結売上高は335,686百万円で、海外売上高比率は47.2%に達する。
ビジネスモデル
EVS事業(売上高構成比約65%)はグランドセイコー等の高級ウオッチと和光の高級小売を通じてブランドプレミアムを収益化する。DS事業(同約18%)は「匠・小・省」技術を活かした精密デバイスの製造販売で安定的な製造収益を確保する。
SS事業(同約16%)はストックビジネス(保守・サービス継続契約)とM&Aによる顧客基盤拡大で安定的なB2B収益を積み上げる構造を持つ。
企業の強み
グランドセイコーは国内外で継続的に売上を拡大し、2026年3月期のEVS事業売上高は218,009百万円(前期比11.1%増)、営業利益285億円(同28.7%増)を達成。盛岡セイコー工業の「グランドセイコースタジオ 雫石」を軸とした国内製造体制と、Grand Seiko Corporation of Americaを通じた米国市場での直販体制が競合他社が短期間で模倣困難な固有資産となっている。
ウオッチ製造で培った精密加工・小型化・省エネ技術を医療用酸化銀電池・インクジェットヘッド・水晶振動子等に展開。DS事業の2026年3月期生産実績は41,665百万円(前期比14.3%増)で、医療向け電池を中心に受注高も前期比26.8%増と拡大。長年の技術蓄積が参入障壁を形成している。
SS事業の中核であるセイコーソリューションズ㈱は40四半期連続で増収増益を達成。ITインフラ・セキュリティ・外食チェーン向けオーダーエントリー・タクシー向け決済等の多角的なストックビジネスと、M&Aによる顧客基盤拡大が継続的な成長を支えており、2026年3月期SS事業売上高は55,063百万円(前期比9.5%増)に達した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期237,382百万円から2026年3月期335,686百万円へ5期連続増収(4年間で41%増)。営業利益は同期間8,770百万円から30,873百万円へ約3.5倍に拡大し、営業利益率は3.7%から9.2%へ急改善した。
2026年3月期は外部要因として円安(1ユーロ174.8円)と国内インバウンド需要・米国市場の好調が追い風となり、EVS事業が全社増益を牽引。経常利益は為替差益計上等により前年度比59.5%増の33,119百万円。
親会社株主帰属当期純利益は21,980百万円(同65.1%増)。2027年3月期は売上高358,000百万円・営業利益33,500百万円(同8.5%増)を予想。
成長戦略
EVS高級化・SS拡大・DS回復の三本柱で2027年3月期営業利益335億円を目指す
グランドセイコーの国内復調と米国市場での好調継続、プロスペックス・プレザージュ・5スポーツのグローバル展開強化。広告宣伝販促費を前年度比10%以上増投資し、ブランド価値向上を図る。2027年3月期EVS事業売上高229,000百万円・営業利益31,000百万円を計画。
セキュリティ・ITインフラ・キャッシュレス等の多角的B2Bソリューションを拡大。第2四半期に実施したM&Aのシナジー効果を発現させ、40四半期連続増収増益の継続を目指す。2027年3月期SS事業売上高61,500百万円・営業利益6,600百万円を計画。
医療向け酸化銀電池・インクジェットヘッドの用途拡大を継続し、水晶振動子・精密部品の需要回復を取り込む。2026年3月期に営業利益率5.9%を達成。2027年3月期DS事業売上高73,500百万円・営業利益4,300百万円を計画。
2026年3月期年間配当金は165円(前期比65円増)、連結配当性向30.7%。2026年4月1日付で1株につき2株の株式分割を実施し投資単位を引き下げ。2027年3月期は年間配当金90円(分割後ベース、分割前換算180円)、配当性向32.0%を計画。
最終更新: 2026年7月19日

