事業内容
OUGホールディングスは、大阪を拠点とする水産物流通の持株会社。中央卸売市場での荷受事業(㈱うおいち)を中核に、全国30数カ所の販売網を持つ市場外水産物卸売事業(㈱ショクリュー)、九州・四国でのブリ・マグロ養殖事業(㈱兵殖)、米飯・カット野菜・冷凍マグロ加工等の食品加工事業、水産物特化型物流事業を展開する。
主要顧客は量販店、ホテル、外食産業等で、生産者から消費者までの水産物流通トータルシステムの構築を経営理念に掲げる。当社、子会社16社、関連会社3社で構成される。
ビジネスモデル
荷受事業では卸売市場法に基づく委託販売手数料を主収益源とし、市場外卸売事業では輸入水産物の仕入・販売差益を得る。養殖事業はグループ内への安定供給を通じてバリューチェーンの川上を担い、食品加工・物流事業が川下の付加価値を補完する。
グループ内キャッシュマネジメントシステムを活用し資金効率を高めながら、内部資金と銀行借入で運転資金・設備投資を賄う構造。
企業の強み
㈱うおいちによる大阪市中央卸売市場(本場・東部・北部)での荷受機能と、㈱ショクリューが持つ全国30数カ所の営業所等販売拠点を組み合わせることで、市場内外の双方の流通チャネルを保有する。量販店・ホテル・外食産業等の多様な顧客層へのアクセスを確保しており、競合が短期間で模倣困難な販売インフラを形成している。
養殖事業(ブリ・マグロ)→荷受・市場外卸売→食品加工(米飯・カット野菜・冷凍マグロ)→物流(舞洲流通センター)という一貫した垂直統合体制を持つ。2026年3月期に養殖事業がセグメント利益2,085百万円を計上し黒字転換するなど、グループ内バリューチェーンが収益貢献する実績を示した。
OUGグループ中期経営計画2024(2024〜2026年度)の2年目(2026年3月期)において、中計目標(売上高338,000百万円、営業利益4,100百万円)に対し、実績は売上高363,666百万円、営業利益6,335百万円、ROE14.0%、ROIC7.5%と全経営指標で目標を上回った。計画遂行力の高さが数値で裏付けられている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高363,666百万円(前期比+3.9%)、営業利益6,335百万円(同+24.2%)、当期純利益5,379百万円(同+18.8%)と5期連続の増収増益を達成し、営業利益・当期純利益ともに過去最高水準を更新。外部要因として水産物価格の高騰による販売単価上昇と外食・インバウンド需要の回復が追い風となり、特に養殖事業が需給逼迫を背景に大幅黒字転換(損失451百万円→利益2,085百万円)したことが全体利益を押し上げた。
一方、2027年3月期は売上高355,000百万円(△2.4%)、営業利益4,600百万円(△27.4%)と大幅減益を予想しており、商品調達コストの高止まりや人件費・物流費の増加継続が収益を圧迫する見通し。
成長戦略
中計2024最終年度に向け鮮魚強化・関東深耕・海外拡大と経営基盤整備の二軸戦略を推進
養殖事業(ブリ・マグロ)のグループ内供給拡大と販売力強化を通じ、鮮魚バリューチェーンの収益性向上を図る。2026年3月期に養殖事業が黒字転換(利益2,085百万円)し、川上統合戦略の有効性が確認された。
荷受・市場外卸売・養殖・食品加工の各セグメントが連携し、付加価値の高い商品・サービスを提供する体制を構築。前期末に冷凍マグロ加工子会社が連結加入し食品加工事業の売上が前期比117.0%に拡大。
全国流通網を活かした関東エリアでの販売拠点強化と顧客基盤拡大を推進。市場外水産物卸売事業の外食・宿泊・インバウンド関連需要取り込みが好調に推移し、売上高は前期比105.3%を達成。
インバウンド需要の回復を背景に海外向け・訪日客向け水産物需要を取り込む戦略を推進。中計テーマとして継続取り組み中だが、具体的な数値開示は限定的。
基幹業務システム導入、人的資本充実、IR体制整備、品質保証活動の高度化、サステナビリティ推進を非事業系テーマとして並行推進。配当方針をDOE1.6%から2.4%に引き上げ、資本コスト意識経営への転換を明示。
最終更新: 2026年7月19日

