事業内容
日本紙パルプ商事株式会社(OVOLグループ)は、1845年創業の歴史を持つ紙流通業界最大手。当社、子会社110社、関連会社21社の計132社で構成され、国内外の紙・板紙卸売を中核に、製紙加工(段ボール・再生家庭紙)、環境原材料(古紙・パルプ・再生可能エネルギー)、不動産賃貸の5セグメントを展開する。
海外は米国・英国・ドイツ・フランス・オセアニア・アジアなど11カ国以上に自前の在庫・物流機能を有する有力紙商を展開し、グローバルプラットフォームを構築。主要顧客は印刷・出版・包装・医薬品・化粧品・電子部品メーカー等、幅広い産業に及ぶ。
ビジネスモデル
基幹収益は国内外の紙・板紙卸売(売上収益606,779百万円の大半)から得る商社型モデル。これに加え、古紙回収から製紙・加工・流通までをグループ内でカバーする垂直統合体制を構築し、製紙加工セグメントで経常利益率14.1%の高収益を実現。
環境原材料セグメントでは古紙再資源化・再生可能エネルギー発電(FIT活用)による安定収益を確保。不動産賃貸は都心物件からの賃料収入で安定利益を創出する。
企業の強み
米国・英国・ドイツ・フランス・オセアニア・香港・シンガポール・マレーシア・インド等11カ国以上に自前の在庫・物流機能を有する有力紙商を展開。2024年11月にはドイツ・フランスの子会社5社をグループ化し、海外卸売売上収益は338,078百万円(前期比22.7%増)に拡大。
補完的M&Aを継続的に実施し、各市場でのシェアと事業領域を拡大している。
古紙再資源化(福田三商を中心とした全国ネットワーク)から製紙(段ボール原紙・家庭紙)、加工、流通までをグループ内でカバーする事業体制を構築。製紙加工セグメントは売上収益51,409百万円に対し経常利益7,260百万円(経常利益率14.1%)と高収益を維持。
木質バイオマス発電による自家エネルギー活用もコスト競争力に寄与している。
再生家庭紙事業ではコアレックスグループ(現JPコアレックスホールディングス)を傘下に持ち、同分野のリーディングカンパニーとしての地位を確立。難再生古紙の再資源化技術を有し、高度なリサイクル技術による差別化を実現。
段ボール事業では国内・インドネシアに総合パッケージサプライヤー体制を構築し、安定的な生産・供給を継続している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2022年3月期444,757百万円から2026年3月期606,779百万円へ5期で36%拡大し、欧州M&Aの寄与で加速している。一方、営業利益は2023年3月期の20,264百万円をピークに3期連続で減少し、2026年3月期は10,848百万円と半減。
親会社株主帰属当期純利益も4,720百万円と2022年3月期(11,499百万円)比59%減に落ち込んだ。外部要因として燃料費・電力費・労務費の高止まりや先進国での紙需要の構造的縮小が利益を圧迫。
加えてドイツ子会社の業績低迷に伴う減損損失1,776百万円、事業構造改善費用2,464百万円が当期純利益を大幅に押し下げた。販売費及び一般管理費も76,394百万円から94,594百万円へ急増しており、コスト管理が課題となっている。
成長戦略
M&Aによるグローバル拡大と循環型ビジネス深化で「世界最強の紙流通企業グループ」を目指す
ドイツ子会社の不採算取引見直し・事業構造改革効果により2027年3月期に経常利益4,200百万円への黒字転換を目指す。英国Premier傘下でPPB Ltd(サイン&ディスプレイ)を子会社化し、クロスセルシナジーによる高付加価値品販売の拡大を図る。
段ボール事業での販売数量増加・平均販売単価上昇、再生家庭紙事業での継続的な価格修正浸透により2027年3月期に経常利益7,800百万円を目指す。燃料費・電力費・労務費の高止まりに対し、生産性向上・コスト削減の効率化施策を継続推進する。
マレーシアにおける木質バイオマス燃料向け第3ヤードの新規稼働による取扱量増加、総合リサイクル事業の処理数量確保・単価上昇、古紙事業での中部地区を中心とした新規仕入先開拓により2027年3月期に経常利益1,500百万円(前期比167.4%増)を目指す。
「連結配当性向30%以上かつDOE3%以上とする累進配当」方針のもと、2026年3月期年間配当34円(配当性向86.1%)、2027年3月期は36円を予定。2026年3月期に8,920百万円の自己株式取得を実施し、発行済株式数を150,215,510株から120,215,510株へ削減した。
不動産マーケットの活況を背景に保有主要物件の評価額が大きく上昇しており、資本効率向上の観点から売却も視野に入れた検討を進める。政策保有株式も縮減方針のもと2026年3月期末に貸借対照表計上額22,228百万円(前期比3,302百万円減)まで削減した。
最終更新: 2026年7月19日

