世界経済・産業構造変化リスク
米中の政治・経済情勢、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢、気候変動・自然災害など世界経済に影響を与える事象が、60ヵ国以上で事業展開する丸紅グループの営業活動に悪影響を及ぼす可能性がある。また、生成AI等の技術革新や脱炭素化による産業構造の変化への対応が不十分な場合、既存ビジネスモデルの陳腐化リスクがある。世界経済の悪化や産業構造変化への不十分な対応は、業績・財政状態に直接的な悪影響をもたらす。
資源権益の商品価格変動リスク
当連結会計年度末における資源権益への投資は合計約10,500億円(銅約5,900億円、鉄鉱石約1,900億円、原料炭約1,500億円等)に上り、銅価格が1トン当たり100米ドル変動した場合の当期利益への影響は年間約13億円、原油価格が1バレル当たり1米ドル変動した場合は年間約2億円と試算される。これら商品価格は世界の需給不均衡、景気変動、地政学的情勢等、当社が管理できない要因により変動する。価格下落時には減損損失や投下資金の回収不能が発生し、業績・財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
長期性資産の減損リスク
当社グループは資源権益、のれんを含む無形資産、持分法投資等の長期性資産を多額に保有しており、経済・業界環境の変化や事業計画の見直し等により資産価値が著しく下落した場合、減損損失や撤退時の追加損失が発生する。特にチリの銅鉱山(ロスペランブレス、センチネラ、アントコヤ)、豪州の鉄鉱山(ロイヒル)、豪州の炭鉱(ジェリンバイースト、レイクバーモント、ヘイルクリーク)への持分法投資が主要なエクスポージャーとなっている。IFRS基準に基づき減損テストを実施しているが、商品価格・生産量の変動や操業コストの高騰等により事業計画が修正される可能性がある。
為替変動リスク
当社グループは様々な通貨での取引を行っており、海外連結子会社・持分法適用会社の持分損益や受取配当金の多くが外貨建てであるため、為替変動が業績に直接影響する。日本円が米ドルに対して1円変動した場合の当期利益への影響は年間約19億円、豪ドルに対して1円変動した場合は年間約6億円と試算される。為替予約等のデリバティブ契約でリスク軽減を図っているが、完全な回避は不可能である。
カントリーリスク
当社グループはグローバルに事業展開しており、主なカントリーリスクエクスポージャーは米国13,683億円、チリ6,772億円、豪州4,507億円、インドネシア2,622億円等に上る。活動地域における経済環境の変化、戦争・テロ・暴動を含む社会情勢の悪化、法制度・政策の変更等のカントリーリスクにさらされており、事業環境が悪化した場合には業績・財政状態に悪影響を及ぼす。国分類に基づくカントリーリスク管理基準の設定や貿易・投資保険の付保等でリスクヘッジを図っているが、完全な排除は困難である。
法的規制・コンプライアンスリスク
当社グループの事業は、輸出入規制、独占禁止法、マネーロンダリング規制、汚職・贈収賄防止法、個人情報保護法・GDPR、環境保護関連法等、日本及び諸外国の広範な法令・規制に服している。事業展開国によっては法制度が十分に機能していない場合や予期しえない法令・規制の変更が発生する可能性があり、コンプライアンス違反が生じた場合には事業の中断を含む罰則の適用や信用低下が発生する。また、各国税務当局との見解相違による予想外の課税リスクも存在し、追加的な税負担が生じる可能性がある。
重要訴訟リスク(Sugar Group)
インドネシアのSugar Groupとの一連の訴訟において、グヌンスギ訴訟では2回目の司法審査(再審理)が不受理となり、また損害賠償請求訴訟(本訴)に関してSugar Groupによる司法審査(再審理)が認容された決定書を2026年1月19日付で受領し、当社が2022年11月8日に受領した最高裁判決が取り消された。今後の裁判手続次第では、敗訴判決に基づく損害賠償額・金利・訴訟費用の全部又は一部を当社が負担し、業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
気候変動・環境リスク
炭素税の導入・強化等のGHG排出規制や脱炭素技術の急激な発展による移行リスクは、発電事業や資源権益・販売事業等の化石燃料関連事業を中心に業績に悪影響を及ぼす可能性がある。また、自然災害の激甚化・異常気象の深刻化等の物理的リスクが顕在化した場合、農業資材ビジネスや植林事業等の収益が悪化する可能性がある。当社は2050年までにGHG排出ネットゼロを目指し、石炭火力発電のネット発電容量を2025年までに2018年度末対比で半減させる等の取組みを進めているが、これらが奏功しない場合には業績・財政状態に悪影響が生じる。
情報セキュリティリスク
サイバー攻撃の巧妙化により、外部からの不正アクセスやコンピューターウイルス侵入等による機密情報・個人情報の漏洩、情報システム停止等のリスクが高まっている。CDIOを委員長とするIT戦略委員会の設置、セキュリティマネジメントチーム(M-CSIRT)による対応体制の構築、グループ共通ITガバナンスルールの整備等の対策を講じているが、ビジネスIT(ECサイト、IoT、制御システム等)のセキュリティリスクも増大しており、完全な排除は不可能である。
資金調達・金利変動リスク
国内外の主要金融市場で大きな混乱が生じた場合や、収益性の低下・格付会社による信用格付の大幅な格下げが行われた場合には、資金調達が制約されるか調達コストが増加する可能性がある。また、変動金利での調達部分については金利変動リスクにさらされており、Asset-Liability Managementや金利スワップ契約等を活用しているが、金利変動の影響を完全に回避することはできない。これらのリスクが顕在化した場合には、業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

