事業内容
ネポン株式会社は1948年創業の熱機器・衛生機器専業メーカーで、当社及び連結子会社1社で構成される。主力の熱機器事業では施設園芸用温風暖房機「ハウスカオンキ」をはじめ、ヒートポンプ、温水ボイラ、複合環境制御装置等の農用機器と、ビル・工場向け汎用機器を製造販売し、設計施工・アフターサービスも手掛ける。
衛生機器事業では泡洗式簡易水洗便器「パールトイレ」等を展開。主要顧客は施設園芸農家・農業法人で、佐藤商事株式会社が売上高の18.8%を占める主要販売先となっている。
2025年9月には福岡証券取引所本則市場へ重複上場を果たした。
ビジネスモデル
熱機器事業では見込生産による製品販売と、施設園芸冷暖房工事・給湯暖房工事等の受注生産工事を組み合わせる。衛生機器事業では便器本体販売に加え、専用界面活性剤「ネポノール」等の消耗品・アフターサービスで継続収益を得る。
さらに農業ICTクラウドサービス「アグリネットアドバンス」「ちょこっとリモコン」のサブスクリプション機能を通じたデジタル収益も育成中である。
企業の強み
1964年にハウスカオンキを発売して以来、60年超にわたり施設園芸用暖房機を主力製品として展開。全国農業協同組合連合会との販売契約締結(1965年)を起点に全国販売網を構築し、佐藤商事株式会社を通じた流通チャネルも確立。
熱及び流体制御技術を基盤とした製品群は競合が短期間で模倣困難な技術資産を形成している。
2012年より農業ICTクラウドサービス「アグリネット」を提供し、「ちょこっとリモコン」「Chabu-Dai」の3サービスを軸に施設園芸の省力化・高度化を支援。Chabu-Daiは地方自治体での採用・活用が進み、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構主導のWAGRIとのデータ連携実証試験も継続中。
2026年4月にはサブスクリプション機能を追加リリースし、継続課金モデルへの移行を進めている。
衛生機器事業は2026年3月期売上高467百万円に対しセグメント利益122百万円、利益率26.1%と高収益を維持。専用消耗品「ネポノール」等のアフターサービス収益が利益率を下支えする構造となっており、下水道未整備地域における更新需要が継続的な収益基盤を形成している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は7,418百万円(前期比1.9%増)と2期ぶりの増収。熱機器事業が低コスト型園芸施設の大口工事受注・ロードヒーティング工事増加で6,950百万円(同2.6%増)と牽引した一方、衛生機器事業は防災需要一巡で467百万円(同7.7%減)。
営業利益は70百万円(同99.2%増)、当期純利益は37百万円と前期の283百万円損失から黒字転換。前期の大幅損失は繰延税金資産取崩し(法人税等調整額318百万円)による一過性要因が主因。
2027年3月期は売上高7,450百万円(同0.4%増)・営業利益60百万円(同15.0%減)と小幅増収ながら再び減益を予想しており、外部環境(原油高・円安)の下振れリスクも意識される。
成長戦略
IoT・脱炭素製品開発と製造コスト削減を軸に施設園芸市場での競争力強化を図る
農作業負担軽減・事業採算改善を実現するIoTプラットフォーム「Chabu-Dai」等のデジタルサービスを継続開発・提供。農業法人の大規模化・高度システム化ニーズに対応し、付加価値向上による収益改善を目指す。
化石燃料温風暖房機とヒートポンプを連動制御するシステムの普及促進により、農業界の化石燃料使用量削減を支援。農林水産省「みどりの食料システム戦略」への対応需要を取り込み、次世代エネルギー源活用製品の開発も推進する。
材料等仕入抑制による在庫圧縮(棚卸資産243百万円減少)と各種経費削減を継続実施。2026年3月期に売上総利益26百万円増・販管費8百万円減を実現しており、引き続き原価低減と固定費圧縮を推進する。
気候災害に強い低コスト型園芸施設等の新製品・工事ソリューション開発を継続。2026年3月期に大口工事受注を獲得しており、製品競争力の維持・向上が熱機器事業の売上成長を支える。
最終更新: 2026年7月19日

