事業内容
リンテック株式会社は、粘着応用技術・表面改質技術・システム化技術・特殊紙剥離材製造技術の四つの固有技術を基盤に、シール・ラベル用粘着製品から半導体関連粘着テープ・装置、光学機能材料、工程紙・剥離フィルムまで多岐にわたる製品を製造・販売する。国内外43の子会社・3の関連会社を擁し、北米・欧州・アジアに生産・販売拠点を持つグローバル展開を行っている。
主要顧客は半導体メーカー・電子部品メーカー・食品・医薬品向けラベルユーザー・自動車メーカー・航空機産業など幅広い産業に及ぶ。
ビジネスモデル
印刷材・産業工材関連(売上高182,644百万円)、電子・光学関連(同100,726百万円)、洋紙・加工材関連(同36,014百万円)の三セグメントで構成される。高付加価値の電子・光学関連が営業利益率21.9%と全社利益の大半を牽引する一方、印刷材・産業工材関連は売上規模で全体の57%を占める安定基盤として機能する。
研究開発費11,293百万円を継続投入し、マーケット対話型の新製品開発で差別化を維持する。
企業の強み
半導体関連粘着テープ、バックグラインドテープ、ダイシングテープに加え、RAD-3400F/12等の専用装置とPCBLプロセスを組み合わせた一体提案を行う。2026年3月期に電子・光学関連セグメントの営業利益は22,120百万円(前期比19.5%増)、営業利益率21.9%を達成しており、競合が短期間で模倣困難な素材・装置・プロセスの垂直統合型提案力が収益基盤を支えている。
北米(LINTEC USA HOLDING)・ASEAN・インド(LINTEC ASIA PACIFIC REGIONAL HEADQUARTERS)の地域統括会社を軸に、米国・欧州・東南アジア・中国・韓国・台湾に製造・販売拠点を展開する。2024年1月にはPT MULTIYASA SWADAYAを買収するなど機動的なM&Aも実施しており、グローバルマーケットイン戦略を支える多拠点体制を自社で構築している。
当期の研究開発費は11,293百万円(電子・光学関連6,688百万円、印刷材・産業工材関連3,519百万円、洋紙・加工材関連1,085百万円)。EUV露光機用CNTペリクル量産体制構築、HBM向け高機能テープ、モノマテリアルラベル素材、無溶剤剥離紙など複数の新製品・新プロセスを同時並行で開発しており、技術の多様性と継続投資が差別化の源泉となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の276,321百万円を底に2期連続増収となり、2026年3月期は319,385百万円(前期比1.1%増)。営業利益は25,156百万円(同2.4%増)と2期連続で改善し、過去5期で最高水準を更新した。
外部要因として、AI関連投資拡大による半導体・MLCC需要の増加が電子・光学関連セグメントを牽引(営業利益22,120百万円、同19.5%増)。一方、原燃料・物流コスト上昇と米国子会社の歩留まり悪化が印刷材・産業工材関連の営業利益を1,979百万円(同63.8%減)に押し下げた。
当期純利益は前期の大規模減損(7,728百万円)の反動縮小(879百万円)により17,374百万円(同20.0%増)と大幅増。営業CFは33,450百万円と安定的に推移し、期末現金残高は55,252百万円に増加した。
成長戦略
LSV 2030-Stage2最終年度に向け半導体・グローバル・環境対応の三本柱を推進
AI・データセンター投資拡大を背景に半導体関連粘着テープ・MLCC関連テープの需要増加に対応するため、新設備導入による供給能力増強を継続。EUV露光機用CNTペリクルの量産体制確立など先端半導体向け新製品開発も推進し、高付加価値領域でのポジション強化を図る。
北米・欧州・アセアン地域での販売拡大を継続しつつ、韓国・台湾子会社閉鎖(オプティカル材事業)のように不採算拠点を機動的に整理することでグローバルポートフォリオを最適化。米国子会社の工程歩留まり改善と固定費削減も重要課題として取り組む。
ホットメルト粘着剤使用製品・モノマテリアルラベル素材・非フッ素耐油紙・剥離紙の無溶剤化・脱ポリ化など環境対応製品を拡充し差別化を図る。洋紙事業は前期の固定資産減損を経て損失縮小が進んでおり(2026年3月期洋紙・加工材関連営業利益977百万円、前期比82.6%増)、加工材事業の増販と合わせて収益改善を継続する。
中期経営計画LSV 2030-Stage2期間中は原則減配せず、配当性向40%以上またはDOE3%を目途に配当を実施する方針。2026年3月期年間配当は110円(配当性向41.6%)、2027年3月期予想は120円(配当性向40.3%)と増配を継続。
自己株式取得も手元資金を勘案しながら機動的に実施する。
最終更新: 2026年7月19日

