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興研株式会社

7963東証スタンダードその他製品

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事業内容

興研株式会社は「クリーン、ヘルス、セーフティ」を事業領域とし、防じん・防毒マスク等の労働安全衛生保護具(マスク関連事業)と、半導体市場向けオープンクリーンシステム「KOACH」(環境関連事業)を主力とする製造・販売会社。1943年創業、東京証券取引所スタンダード市場上場。

主要顧客は製造業・公共事業・医療機関・防衛省(自衛隊)・半導体メーカー等。タイ王国に連結子会社SIAM KOKEN LTD.を持ち、国内複数拠点(テクノヤード・配送センター)で生産・物流を展開。

2025期連結売上高は11,857百万円で2期連続過去最高を更新した。

ビジネスモデル

マスク関連事業(売上高構成比約80.6%)が安定的な収益基盤を担い、環境関連事業(同約16.4%)が高成長エンジンとして機能する二本柱構造。見込生産方式を採用し、販売代理店(ミドリ安全用品等)・防衛省・医療機関等への直販・代理店販売を組み合わせる。

研究開発費762百万円(売上高比約6.4%)を継続投入し、「世の中にない」製品を先行開発することで市場創造型の競争優位を維持する。

企業の強み

防衛省向け売上高は前期1,180百万円から当期1,584百万円へ34.3%増加し、連結売上高に占める割合も11.0%から13.4%に上昇。防衛費増大を背景に自衛隊向け防護マスク需要が継続拡大しており、3期連続で前年実績を上回る安定した政府需要を確保している。

オープンクリーンシステム「KOACH」を中心とする環境関連事業の売上高は1,939百万円(前期比82.3%増)と過去最高を更新。ISOクラス1清浄空間を実現できる独自技術が半導体市場の高品質化ニーズに合致し、大型機「フロアーコーチ」の販売台数大幅増加と中・小型機の安定増加が同時進行した。

当期研究開発費は762百万円(売上高比約6.4%)、研究開発担当人員68名。マトリクス型開発体制・マイスター制度・月例研究発表会等の独自仕組みを運用し、当期は世界初のISOクラス1とケミカルフリーを両立する「KOACH Duet」や除毒能力145分以上のG-PAPR用吸収缶等を新たに発売した。

エンヴァリスの着眼点

2026年12月期第1四半期の環境関連事業売上高は209百万円(前年同四半期比59.1%減)と大幅に落ち込んだが、これは前期中に大型機種案件の納品をほぼ完了した反動であり、構造的な需要減退ではない。会社側は大型機種の納入が第2四半期以降に集中する見込みと説明しており、通期業績予想(売上高12,200百万円、営業利益1,220百万円)に変更はない。

物件情報・相談案件が昨年を上回るペースで積み上がっている点は、下期回復の蓋然性を高める材料として評価できる。

2026年12月期第1四半期の売上原価は1,561百万円(前年同四半期1,478百万円)と増加し、売上総利益率は44.6%(前年同四半期47.8%)に低下した。会社は中東情勢の緊迫化によるエネルギー価格高騰・物流混乱を要因として挙げており、原材料コスト上昇が利益を圧迫している。

営業利益は249百万円(前年同四半期比31.6%減)、四半期純利益は143百万円(同45.0%減)と大幅減益となった。通期営業利益予想1,220百万円(前期比4.1%減)の達成には、下期の環境関連事業回復と原材料コストの安定化が不可欠であり、地政学リスクの動向が引き続き注目点となる。

2026年12月期第1四半期末の自己株式数は265,333株(前期末186,728株)と増加しており、自己株式取得が進んでいる。一方、2026年12月期の年間配当予想は35円(2025年12月期の50円から30%減)であり、2025年12月期に含まれていた特別配当15円が消滅した形となる。

普通配当ベースでは35円と前期の普通配当35円と同水準を維持しているが、総還元額は減少する。1株当たり四半期純利益は29.40円(前年同四半期52.70円)と大幅に低下しており、通期EPS予想168.79円に対する進捗率は17.4%にとどまる。

下期への業績偏重構造を踏まえた進捗管理が必要である。

成長戦略

環境関連事業の海外展開と第二の柱化、マスク事業の官公庁・防衛需要取り込みによる複合成長

海外規格に準拠した小型・中型・大型機種各タイプの開発を完了し、販売準備が整った。2026年3月9日に海外向け製品ラインナップを公表。国内外で市場規模が拡大する半導体市場を主要ターゲットとし、海外売上の創出を目指す。

物件情報・相談案件が昨年を上回るペースで積み上がっており、受注パイプラインは充実。大型機種の納入は第2四半期以降に集中する見込みで、下期に向けて業績が拡大する構造。中・小型機種はほぼ例年通りの進捗を維持している。

防護マスクの官公庁向け納入が前年同四半期実績を上回り、防衛関連需要の拡大が継続。産業用マスクも公共事業向けインフラ整備需要を背景に好調を維持しており、マスク関連事業全体の売上高は前年同四半期比10.5%増と堅調に推移している。

最終更新: 2026年7月17日