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株式会社キングジム

7962東証プライムその他製品

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株式会社キングジム7962

事業内容

株式会社キングジムは1927年創業、東京証券取引所プライム市場上場の総合生活用品メーカーである。親会社および子会社12社で構成されるグループは、ラベルライター「テプラ」・デジタルメモ「ポメラ」・防災用品等を中心とする文具事務用品事業(売上高25,178百万円)と、家具・キッチン雑貨・生活家電・アーティフィシャルフラワー等を展開するライフスタイル用品事業(売上高14,461百万円)の二セグメントを運営する。

製造拠点はインドネシア・ベトナム・マレーシアの海外工場を活用し、販売は国内流通・EC・海外子会社(中国・香港・深圳)を通じて行う。主要顧客はオフィスユーザーから一般消費者まで幅広く、アスクル(売上比12.7%)・エコール流通グループ(同11.0%)が主要販売先である。

ビジネスモデル

文具事務用品事業では「テプラ」本体販売で顧客基盤を形成し、テープ等消耗品の継続購買で安定収益を確保するモデルを採用。製品企画は国内で行い、製造はインドネシア・ベトナム・マレーシアの海外子会社に集約することでコスト競争力を維持する。

販売は国内流通・自社EC・海外子会社(中国・香港・深圳)の多チャネルで展開。ライフスタイル用品事業はグループ5社がそれぞれ専門ジャンルで企画・販売を担い、海外工場活用等のグループシナジーで収益を補完する構造である。

企業の強み

ラベルライター「テプラ」は国内オフィス・家庭市場で高い認知を持ち、本体販売後もテープ消耗品の継続購買が発生する収益構造を形成。2025年6月期の電子製品販売高は13,836百万円(前年比100.7%)と安定推移し、法人向けデモ機無料レンタルサービス(2025年6月開始)等で新規需要開拓も継続している。

ファイル製造をPT.KING JIM INDONESIAおよびKING JIM(VIETNAM)Co.,Ltd.、とじ具製造をKING JIM(MALAYSIA)SDN.BHD.が担う自社工場体制を保有。ベトナム工場生産の事務用ファイルは現地BtoB販売でも大きく伸長しており、製造コスト管理とグループシナジー(ぼん家具向け木製マルチラック等)の両面で機能している。

自社ECサイトおよび複数ECモール店舗を運営し、防災用品需要増やSNSで話題となった商品の販売増により売上が伸長。2025年6月期は新商品予約受注やセール施策が奏功。

SNSとECを連動させたカスタマーエンゲージメント強化を第11次中計の重点施策として位置付けており、直販比率向上による利益率改善が期待される。

エンヴァリスの着眼点

2026年6月期第3四半期累計の営業利益522百万円に対し、通期予想は1,000百万円。残り1四半期で478百万円の営業利益が必要であり、前年同期の第4四半期単体(通期538百万円-第3四半期累計386百万円=152百万円)を大幅に上回る水準が求められる。

業績予想は修正なしとされているが、達成には季節性の高い第4四半期の売上積み上げが不可欠であり、進捗率の低さは留意点である。

当第3四半期累計において、海外生産系子会社で過年度法人税等124,375千円が計上され、法人税等合計が前年同期の326,726千円から420,565千円へ増加。これが経常利益増益(+10.4%)にもかかわらず親会社株主帰属四半期純利益が前年同期比10.3%減となった主因である。

海外子会社における税務コンプライアンスリスクが顕在化した事例として、今後の海外事業拡大に伴う同種リスクの再発可能性を継続的に監視する必要がある。

ライフスタイル用品事業の第3四半期累計売上高は10,036百万円(前年同期比5.0%減)と減収だが、営業利益は236百万円(前年同期比107.0%増)と倍増。ぼん家具の値引販売抑制・広告費最適化、ラドンナのキッチン家電好調、ウインセスの値上げ効果浸透が寄与した。

ただし売上規模に対する利益率はなお低水準であり、暖冬影響を受けたライフオンプロダクツや競争激化のぼん家具など構造的課題を抱えるサブセグメントの抜本的改善が中計目標達成の鍵となる。

成長戦略

第11次中計で海外強化・ライフスタイル拡大・サービス展開の3方針を推進

中国でオリジナルブランド「クリータ」「tOMOKO」の新製品投入・商社機能活用による他社製品取り扱い拡大、ベトナムでBtoB流通深耕と自社工場生産の事務用ファイル拡販を推進。第3四半期累計で海外売上が大幅伸長しており、第11次中計の最重点戦略として着実に進捗している。

2025年8月に防災ブランド「KOKOBO(ココボ)」を立ち上げ、防災テント・防災マット等を官公庁向けに導入。前年特需の反動で第3四半期累計は前年同期比減収となったが、新ブランドとしての市場開拓は継続中。日常に溶け込む防災をコンセプトに中長期的な需要創出を図る。

自社商品直販サイトでの新商品予約受注・ECオリジナル商品積極投入により売上伸長を実現。ラチュナ事業でも新商品投入による売上拡大を推進。高マージンの直販比率向上により収益性改善に寄与しており、第3四半期累計でも成長継続が確認されている。

売上総利益率の改善(前年同期比+0.2pt)と販管費率の低下(同△0.3pt)を同時に実現し、減収下でも営業利益35%増を達成。ぼん家具の値引販売抑制・広告費最適化、ウインセスの値上げ効果浸透等、グループ全体での費用構造改革が進捗している。

最終更新: 2026年7月17日