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ムトー精工株式会社

7927東証スタンダード化学

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ムトー精工株式会社7927

事業内容

ムトー精工株式会社は1956年創業、岐阜県各務原市に本社を置くプラスチック精密部品メーカーである。デジタルカメラ・ビデオカメラ等のデジタル家電、カーナビゲーション・ECU等の自動車関連機器、医療機器、電子ペン等の幅広い分野向けにプラスチック成形用金型および精密部品を製造・販売する。

国内(岐阜工場・テックフォルテ工場)に加え、ベトナム・中国・タイの海外拠点を擁し、Sony Technology Thailand Co., Ltd.やCanon Vietnam Co., Ltd.等のグローバル大手メーカーを主要顧客とする。子会社大英エレクトロニクス株式会社を通じたプリント配線基板の設計・検査・販売も手掛ける(なお同社株式は2026年6月に譲渡決議済み)。

東京証券取引所スタンダード市場上場。

ビジネスモデル

金型設計・製造から射出成形・塗装・印刷・組立・二次加工までを一貫して手掛けることで、顧客への設計提案から量産供給まで一社完結のサービスを提供する。日本・ベトナム・中国・タイの4カ国生産拠点を活用し、海外企業間直接取引を拡大することでコスト競争力と供給柔軟性を確保する。

プリント基板事業では設計・検査・販売を通じた高付加価値サービスで高い利益率を実現している。

企業の強み

日本・ベトナム・中国・タイの4カ国に生産拠点を持ち、海外企業間直接取引を拡大している。2026年3月期のプラスチック成形事業売上高は28,864百万円(内部売上含む)に達し、Sony Technology Thailand Co., Ltd.向け販売高は6,097百万円(売上比20.5%)と前期比32.8%増加した。

多拠点体制が顧客の現地調達ニーズに対応する競争優位となっている。

金型設計・製造から成形・塗装・印刷・組立・二次加工までを一貫して内製化しており、設計期間の短縮と最適コスト提案が可能である。1985年に金型製造を内製化して以来、約40年にわたり技術蓄積を継続。

2026年3月期の設備投資総額は1,209百万円で、海外拠点への射出成形機・塗装ロボット・測定機等への投資を継続している。

子会社大英エレクトロニクス株式会社が担うプリント基板事業は、2026年3月期に売上高832百万円・営業利益453百万円・営業利益率54.5%を達成した。自動車向けセラミック基板の検査需要拡大に対応して検査機を増設し、前期比55.7%の増収・96.6%の増益を実現。

グループ全体の収益性を底上げする高付加価値セグメントとして機能している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の親会社株主帰属当期純利益は1,990百万円(前期比+31.8%)と大幅増益を達成した。前期に計上した関係会社整理損失引当金繰入額155百万円・関係会社株式売却損147百万円が当期は消滅したことが主因であり、本業の営業利益改善(+13.6%)に加えて特損の剥落が純利益を押し上げた。

一方、2027年3月期の純利益予想は2,000百万円(+0.5%)と横ばいであり、特損消滅効果の剥落後の実力値が問われる局面に入る。

タイ拠点のデジタルカメラ部品受注増加と自動車関連部品の底堅い受注が2026年3月期の増収(+7.7%)を牽引した。外部要因として、ミラーレスカメラの付加価値需要拡大と自動車の電子化進展が追い風となっている。

一方、米国の保護主義的関税政策や中東情勢の緊迫化はサプライチェーン混乱・エネルギー高騰リスクとして顕在化しており、2027年3月期予想(売上高31,000百万円・為替前提1ドル155円)にはこれらの影響が未織り込みである点に留意が必要。

2026年3月期末の自己資本比率は64.3%(前期59.2%から改善)、営業キャッシュフローは3,703百万円(前期比+62.9%)と財務体質は良好。有利子負債の圧縮(短期借入金1,121百万円減少)と純資産の拡大(為替換算調整勘定の増加1,233百万円を含む)が同時進行した。

配当は年間115円(配当性向40.2%)に増配し、2027年3月期予想は117円と連続増配方針を維持。ただし、ムトーシンガポールPTE LTDの解散・清算手続きの影響額が未確定であり、今後の特損計上リスクとして注視が必要。

成長戦略

4カ国生産拠点の強化・省人化推進・高付加価値分野への受注拡大で持続成長

タイ拠点でミラーレスカメラ向けデジタルカメラ部品の受注が継続増加しており、2026年3月期のプラスチック成形事業増収(+8.5%)の主要ドライバーとなった。付加価値型カメラ需要の継続を前提に、タイ拠点の生産能力増強と品質対応力の維持が課題。

電気自動車向けECUをはじめとする自動車関連部品は底堅い受注推移が続いており、2027年3月期予想でも好調継続を見込む。米国関税政策・中東情勢による先行き不透明感があるものの、得意先からの受注は安定的に推移している。

省人化・省力化を継続的に推進し、固定費をはじめとした経費削減に取り組んだ結果、2026年3月期の営業利益率は7.8%に改善。2027年3月期は営業利益3,100百万円(+33.3%)を目標とし、売上増加に対して利益の伸びを大きく見込む構造となっている。

自動車向けセンサー用セラミック基板の検査需要拡大に対応し、検査機を増設。2026年3月期のプリント基板事業は売上高832百万円(前期比+55.7%)・営業利益453百万円(同+96.6%)と大幅成長を達成した。自動車の電子化進展を外部要因として、検査キャパシティの継続的拡充が成長を支える。

タチバナ精機株式会社の全株式譲渡により精密プレス部品事業から撤退し、プラスチック成形事業とプリント基板事業の2セグメントに経営資源を集中する体制が完成。グループの収益構造をより明確化し、高収益セグメントへの投資集中が可能となった。

最終更新: 2026年7月19日