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光村印刷株式会社

7916東証スタンダードその他製品

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光村印刷株式会社7916

事業内容

光村印刷は1901年創業の老舗総合印刷会社。当社及び子会社7社で構成され、出版印刷物・宣伝用印刷物・包装パッケージ・新聞等を手掛ける印刷事業(連結売上高の約94%)を基幹とする。

スクリーン印刷・エッチング技術を活用した産業資材・電子部品製造事業(車載・半導体向け治具等)、東京都内オフィスビル・土地等の不動産賃貸等事業の3セグメントを展開。主要顧客は読売新聞東京本社(売上高比26.8%)、ヤマト運輸(同12.9%)。

東京証券取引所スタンダード市場上場。

ビジネスモデル

印刷事業では出版・商業・新聞印刷物を受注製造し、狭山工場への集約による内製化率向上と価格適正化交渉で採算改善を図る。産業資材・電子部品製造事業ではスクリーン印刷・エッチング技術を活用した精密製品を製造販売。

不動産賃貸等事業では東京都内保有不動産の賃貸と那須工場敷地の太陽光発電売電により安定収益を創出し、グループ唯一の営業黒字セグメントとして全体損益を下支えする。

企業の強み

1901年創業以来、オフセット印刷技術を核に品質・審美性・色再現に強みを持つ。医薬・OTC向け包装資材を手掛ける新村印刷を2018年に子会社化し、参入障壁の高い医療用紙器パッケージ分野へ経営資源を積極投入。研究開発費22百万円を投じ、紙製軟包装材の事業化検討など新商品開発を継続している。

東京都内にオフィスビル・倉庫跡地等の不動産を保有し、2026年3月期の不動産賃貸等事業の営業利益は360百万円(前期比38.1%増)を計上。グループ唯一の黒字セグメントとして本業の損失を補完する。2025年10月には旧北品川棟底地の賃貸を開始し、収益基盤がさらに拡充された。

那須工場において2025年1月より半導体加工テープ等の産業資材製造事業を開始。車載・スマートフォン向け水晶振動子メーカーからの治具需要が堅調に推移し、産業資材・電子部品製造事業の売上高は前期比22.3%増の372百万円を達成。印刷技術を応用した精密製造領域への展開が進んでいる。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業損失は69百万円と前期(158百万円の損失)から改善したものの、2027年3月期は営業損失350百万円・経常損失300百万円を会社自身が予想しており、収益構造の抜本的改善には至っていない。印刷事業の構造的な需要減少(デジタル化加速)と原材料・エネルギー価格高騰という外部要因が逆風として継続しており、V字回復シナリオの実現可能性は不透明である。

2026年3月期の親会社株主帰属当期純利益353百万円は、投資有価証券売却益1,149百万円を含む特別利益1,224百万円と減損損失918百万円を含む特別損失1,144百万円の相殺後に計上されたものであり、本業の稼ぎ(経常利益23百万円)とは乖離が大きい。2027年3月期の当期純利益予想はゼロであり、特別損益に依存した不安定な黒字構造からの脱却が課題である。

2026年3月期末の自己資本比率は68.0%(前期63.4%から改善)、現金及び現金同等物は6,421百万円と財務基盤は相対的に堅固。一方、営業活動によるキャッシュ・フローは269百万円の支出超過(前期は899百万円の収入超過)に転落しており、本業での資金創出力の低下が顕在化している。

短期借入金も1,000百万円返済し1,610百万円残存しており、収益改善が遅れた場合の財務的余裕の縮小リスクに留意が必要である。

成長戦略

印刷事業の付加価値転換と産業資材の新分野開拓、不動産活用による収益基盤再構築

エネルギー・原材料価格高騰に対応した製品価格・運賃の適正化交渉を継続し、不採算取引を見直す。2026年3月期に一定の成果を挙げたとされるが、2027年3月期も営業損失350百万円を予想しており、効果の本格発現には時間を要する見込み。

印刷工場の集約・統合効果を発揮してグループ全体の機械稼働率向上と外注委託費削減を推進。専用封筒・小中ロット対応加工設備の効率的運用も継続中。売上総利益率は2025期17.6%から2026期18.6%へ改善しており、一定の効果が確認される。

読売新聞東京本社との共同出資子会社・光村高速オフセット(持株比率65%)の新工場稼働(2026年1月)に伴い、当社川越工場での新聞印刷生産を終了し生産機能を移管。川越工場敷地の一部を読売新聞東京本社へ譲渡し、アセットライトな協業体制へ移行完了。

連結子会社・新村印刷が扱う医薬・OTC向け包装資材・パッケージ分野を成長領域と位置づけ、新規案件獲得・価格適正化・材料加工設備導入による生産ライン効率化を推進。グループの大きな収益柱とすべく経営資源を積極投入する方針を表明。

半導体周辺用途への依存リスクを低減するため、医療・ヘルスケア分野や産業用センサー用途への応用領域拡大を推進。2026年3月期は得意先の開発計画見直し等の影響でセグメント損失58百万円が継続しており、新分野での収益化は未達。

旧北品川棟の底地賃貸を2025年10月より開始し、不動産賃貸等事業の売上高は前期比18.8%増の645百万円(内部振替含む)・営業利益360百万円(前期比38.1%増)を達成。川越事業所の遊休資産活用や大崎地区再開発計画を見据えた事業見直しも継続中。

プラスチック使用量を削減しデザイン性に優れた紙製軟包装材について、事業化に向けた実証・準備フェーズに移行。環境配慮型社会のニーズに対応した新たな利益機会の創出を目指すが、現時点では売上貢献は限定的。

最終更新: 2026年7月19日