事業内容
NISSHA株式会社は1929年創業の京都発グローバルメーカーで、当社・連結子会社66社・関連会社3社で構成される。コア技術として「印刷」「コーティング」「ラミネーション」「成形」「パターンニング」「金属加工」の6技術を定義し、産業資材(IMD/IML/IME加飾・蒸着紙)、ディバイス(フィルムタッチセンサー・ガスセンサー)、メディカルテクノロジー(医療機器CDMO・自社ブランド品)、その他(医薬品CDMO・出版印刷)の4セグメントを展開する。
売上高194,898百万円のうち海外売上高が87.1%を占め、モビリティ・医療・サステナブル資材を中心にグローバル市場へ製品・サービスを供給している。
ビジネスモデル
NISSHAは自社保有の6コア技術を活用し、モビリティ・家電・医療・IT機器メーカー等の大手顧客に対して高機能部品・素材・医療機器を供給する。産業資材では蒸着紙のグローバルトップシェアや加飾技術、ディバイスではフィルムタッチセンサーの量産供給、メディカルテクノロジーでは欧米大手医療機器メーカー向けCDMOが収益の柱。
オーガニック成長に加え、Cathtek・Isometric Micro Molding・滋賀県製薬等の継続的M&Aにより製品・地域ポートフォリオを拡充し、売上規模と利益率の向上を同時に追求する。
企業の強み
金属光沢と印刷適性を兼ね備えた蒸着紙は、飲料品・食品向けサステナブル資材としてグローバルベースで業界トップのマーケットシェアを有する。環境規制強化を背景にプラスチック代替需要が拡大しており、産業資材セグメントの安定的な収益基盤となっている。
メディカルテクノロジーセグメントでは欧米大手医療機器メーカー向けCDMOを展開し、2025年3月期の受注高は48,376百万円(前期比3.4%増)、受注残高は22,711百万円(前期比5.0%増)と積み上がっており、将来売上の可視性が高い。
2024年3月のIsometric Micro Molding取得、2024年10月のCathtek取得、2025年1月の滋賀県製薬取得など直近2年間で複数のM&Aを実行。その他セグメントの受注高は前期比62.8%増の13,177百万円、受注残高は前期比360.0%増の1,671百万円と急拡大しており、M&A効果が数値に表れている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は167,726百万円(2023期)を底に回復し、2025期は194,898百万円と安定推移。しかし営業利益は2021期の17,363百万円から大幅に低下し、2025期は4,040百万円にとどまる。
2026年12月期第1四半期は売上高45,790百万円(前年同期比3.5%減)、営業利益750百万円(同47.6%減)と減収減益。ディバイスのタブレット向け需要大幅減少が主因。
一方、金融収支の改善により親会社帰属四半期利益は422百万円と大幅回復。外部要因として、米国景気減速・中国内需低迷・為替変動が業績に影響。
通期予想は営業利益7,000百万円(前期比73.3%増)と強気だが、後半への偏重が大きい。
成長戦略
メディカル・モビリティ・サステナブル資材を軸にM&Aとオーガニック成長の両輪で利益率向上を目指す
安定的な成長と資本効率性の向上を志向し、産業資材・ディバイス・メディカルの3セグメントにわたる事業ポートフォリオ強化を通じて利益率の向上と安定化に取り組む。長期ビジョンとして売上高300,000百万円・ROE15%・営業利益率12%を掲げる。
医療機器CDMOおよび医薬品CDMOの需要底堅さを活かし、滋賀県製薬統合によるセグメント再編(「メディカルテクノロジー」と「その他」の医薬品製造業を統合し「メディカル」に一本化)を完了。欧米・国内の安定受注基盤を維持しながら収益性向上を図る。
モビリティ向け外装機能部品(IMD/IML加飾)の需要増加を取り込み、産業資材セグメントの売上成長を牽引。蒸着紙はグローバルトップシェアを維持しつつ、サステナブル包材需要の回復を待つ。2026年12月期第1四半期は加飾分野が増収に貢献した一方、生産関連費用増加で利益は減少。
タブレット向け依存からの脱却を図り、業務用端末(物流関連)・モビリティ・ゲーム機等への用途多様化を推進。生産性改善による効果は一部確認されているが、2026年12月期第1四半期はタブレット向け需要の大幅減少により売上高10,400百万円(前年同期比23.3%減)・セグメント利益392百万円(同54.6%減)と苦戦が続く。
Cathtek, LLC(2024年10月)・滋賀県製薬(2025年1月)等の取得を通じ、製品・地域・技術基盤を拡充してきた実績を持つ。暫定的な会計処理の確定も完了し、M&A効果の財務への反映が進む。今後も第8次中計の枠組みのもとで戦略的M&Aを継続する方針。
最終更新: 2026年7月17日

