事業内容
共同印刷株式会社は1897年創業の総合印刷企業で、当社・子会社16社・関連会社1社で構成される。事業は「情報コミュニケーション部門」(出版・商業印刷・コンテンツ)、「情報セキュリティ部門」(ビジネスフォーム・証券類・カード・BPO)、「生活・産業資材部門」(軟包装・チューブ・紙器・産業資材)の3部門に加え、物流・不動産管理の「その他」で構成される。
主要顧客は出版社・官公庁・金融機関・食品・日用品メーカーと幅広く、東南アジアにも生産拠点を持つ。2026年3月期の連結売上高は98,205百万円。
ビジネスモデル
製版・印刷・製本の一貫生産能力を基盤に、情報系事業では出版印刷・セキュリティ印刷・BPO受託、生活・産業資材系事業では包材製造・販売を展開する。グループ内物流(共同物流㈱)と不動産管理が補完機能を担う。
収益は製品販売と情報加工サービス受託の組み合わせで構成され、高セキュリティ環境・独自技術を活かした高付加価値領域へのシフトにより利益率改善を図る構造。
企業の強み
証券類・各種カード・ビジネスフォームを手掛ける情報セキュリティ部門は、交通系ICカード・乗車券類・官公庁向けデータプリントなど高度なセキュリティ要件を満たす製品群を提供。2026年3月期の同部門売上高は30,478百万円と全社売上の約31%を占め、参入障壁の高い領域で安定した顧客基盤を維持している。
生活・産業資材部門では即席めん向けフィルム包材・ラミネートチューブ・ブローボトル・紙器など多品種の包材を一貫生産。2026年3月期の同部門売上高は33,170百万円(前期比2.6%増)、営業利益は15,221百万円(前期比25.7%増)と成長が加速しており、ベトナム・インドネシアの海外拠点も保有する。
2026年3月期の研究開発費は1,073百万円。液体包材・高機能蓋材・チューブ製品・高機能材料・模倣品対策セキュリティ技術・屋内測位技術など幅広い領域で開発を継続。技術開発本部を核に各セグメントの技術部門が連携する体制を構築しており、新製品・新技術の継続的な創出基盤を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期88,416百万円から2025期99,977百万円まで4期連続増収を続けたが、2026期は98,205百万円と前期比1.8%減収に転じた。営業利益は2026期2,134百万円(前期2,331百万円)と小幅減益。
一方、当期純利益は3,960百万円と前期3,310百万円から増加しており、営業利益との乖離が拡大している。財務活動によるキャッシュ・フローは△5,360百万円(訂正後)で、長期借入金の返済2,438百万円・配当金支払1,728百万円・自己株式取得958百万円が主な支出。
外部要因として原材料費の高止まりや印刷需要の構造的縮小が収益を下押しする一方、インバウンド需要の継続が情報セキュリティ部門の交通系需要を支えている。
成長戦略
情報系の非印刷シフトと包材の海外・高付加価値展開で2034年度営業利益120億円以上を目指す
電子コミックのオリジナル作品拡充、学びソリューション・IR領域の高付加価値商業印刷需要取り込み、米国法人Kodama Tales Inc.設立によるコンテンツ事業の海外展開を推進。印刷依存からの脱却を加速し、部門の収益改善を図る。
東南アジアを中心とした海外パッケージ展開と、機能性材料・産業用包材の高付加価値製品開発・拡販を推進。原材料費高騰への対応として適切な価格改定も継続実施し、部門収益の維持・向上を図る。
グループ会社統廃合・製造拠点集約による収益性向上を推進。ヘルスケア・金融機関向け情報サービスBPOの拡大と、高セキュリティ環境を活かした業務デジタルシフト支援サービスの提案強化により、安定収益基盤を強化する。
2026年3月期において自己株式取得958百万円・配当金支払1,728百万円を実施。株主還元を継続しながら資本効率の改善を図る方針を維持している。
最終更新: 2026年7月19日

