事業内容
広済堂ホールディングスは1949年創業の印刷会社を源流とし、現在は東京都23区内の火葬の約7割を担う東京博善を中核としたエンディング事業(火葬・総合斎場・葬儀・納骨堂)、印刷・BPO・ITを軸とする情報ソリューション事業、人材派遣・紹介・海外人材育成を担う人材サービス事業の3領域で事業を展開する。連結子会社21社で構成され、2026年3月期の連結売上高は36,228百万円。
エンディング事業が収益の大部分を生み出す構造となっており、首都圏の高齢化・死亡者数増加を中長期的な成長基盤と位置付けている。
ビジネスモデル
葬祭公益セグメント(火葬事業)が安定的な公共インフラとして機能し、葬祭収益セグメント(総合斎場・葬儀・納骨堂)が高利益率の付加価値サービスで収益を拡大する二層構造が核心。情報セグメントは印刷・BPO・ITの受注型ビジネスで安定収益を補完し、人材セグメントは派遣・紹介フィーで収益を得る。
エンディング周辺の相続・不動産仲介も展開し、顧客接点を活用した収益多角化を図る。
企業の強み
東京博善は100年超の社歴を持ち、都内6か所の総合斎場で東京都23区内の火葬の約7割を担う。2020年に完全子会社化後も式場増設・サービス刷新を継続。
2026年3月期の葬祭公益セグメント利益は1,191百万円、利益率は約21.9%と高水準を維持しており、競合が短期間で模倣困難な規制・立地・ブランドに裏打ちされた参入障壁を有する。
2026年3月期の情報セグメント利益は655百万円(前期比66.0%増)、利益率4.4%に改善。出版印刷の好調推移に加え、官公庁・地方自治体向けBPOで随意契約が増加し受注件数が拡大。
新聞印刷撤退によるコスト構造改善と外注費削減が利益率向上に寄与しており、行政分野での実績蓄積が競合優位の源泉となっている。
2025年11月に横濱聖苑・セレモライフを子会社化し神奈川エリアへ進出。武蔵野ホール・江東ホールを新規オープンし「東京博善のお葬式」ブランドの葬儀件数は死亡者数減少下でも増加。
葬祭収益セグメント売上高は10,490百万円(前期比+0.5%)を維持。2026年3月期の設備投資総額34億円の大部分を式場増設に充当しており、継続的な事業拡張の実績を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期35,361百万円→2023期36,668百万円→2024期35,457百万円→2025期38,302百万円→2026期36,228百万円と推移。営業利益は2025期に8,302百万円(前期比+55.9%)と急拡大したが、2026期は6,740百万円(△18.8%)に反落。
資産コンサルティングの大型貸付案件終了(前期セグメント利益1,447百万円→当期△56百万円)が主因。一方、親会社株主帰属当期純利益は4,738百万円(+6.2%)と増益を確保。
特別利益(固定資産売却益416百万円等)の計上と特別損失の大幅縮小(前期1,004百万円→当期217百万円)が純利益を下支えした。外部環境として東京都死亡者数が前年比約5%減少し、葬祭公益・葬祭収益の両セグメントに逆風。
情報セグメントは大手印刷会社の事業再編という外部要因を追い風に増収増益を達成した。
成長戦略
エンディング事業の規模拡大・M&A推進と、非連続成長を目指す新中期経営計画の策定
横濱聖苑(納骨堂)・セレモライフ(葬儀)を期中に買収し神奈川エリアへ展開。武蔵野ホール・江東ホールを新規オープンし受注は順調に推移。桐ケ谷斎場増設式場の提供開始・四ツ木斎場増床着手により式場キャパシティを拡大中。
デジタル印刷機を活用した小ロット出版システムDSRの導入を決定し、新規収益源を開拓。新聞印刷事業からの撤退を推進しコスト構造を改善。2026年3月期に情報セグメント利益は前期比+66.0%増の655百万円を達成。
海外人材紹介「KosaidoGlobal」への集中戦略により増収黒字転換を達成。都市圏での派遣事業拡大が進み増収増益。ハウスキーピング事業は育成・投資段階で赤字継続。セグメント損失は前期△158百万円から△71百万円へ縮小。
従来のローリング形式による中期経営計画を廃止し、5年以上先の長期ビジョンと非連続的成長戦略を新たに策定中。資本市場との対話強化・持続的企業価値向上へのコミットメントを方針として掲げ、まとまり次第公表予定。
2026年3月31日時点の流通株式比率は33.6%とプライム市場基準の35%を下回る状態。「上場維持基準への適合に向けた計画」を2026年6月30日までに開示予定。自己株式取得(6,262百万円)が流通株式比率を低下させた側面もあり、資本政策の再設計が課題。
最終更新: 2026年7月19日

