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株式会社スリー・ディー・マトリックス

7777東証グロース精密機器

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事業内容

株式会社スリー・ディー・マトリックスは、MITの研究者が発明した自己組織化ペプチド技術(RADA16)の独占的実施権を保有し、吸収性局所止血材を中心とした医療機器の研究開発・製造・販売を行う単一セグメント企業。日米欧豪の4極で製造販売承認を取得し、消化器内視鏡・耳鼻咽喉科・心臓血管外科等の複数領域で販売を展開。

主力製品「ピュアスタット」は生物由来原材料を含まない化学合成品であり、安全性・操作性に優れた次世代止血材として市場に浸透しつつある。外科領域に加え、組織再生領域・DDS領域にも開発パイプラインを有し、将来的な多角的収益化を目指している。

ビジネスモデル

米国・日本・オーストラリアでは直販体制、欧州消化器内視鏡領域ではFUJIFILM Europe B.V.への独占販売権許諾により収益を得る。製造は扶桑薬品工業およびドイツPharmpurへ委託し、自社は研究開発・薬事・販売に経営資源を集中。

DDS領域では製薬企業へのライセンス供与によるロイヤリティー収入も目指す先行投資型モデルであり、2026年4月期の事業収益計画は9,283百万円。

企業の強み

米国3-D Matrix,Inc.が2003年にMITと締結した独占的実施権契約(再許諾権付)により、自己組織化ペプチド技術の全世界における医療・生命科学・美容分野での独占的使用権を保有。生物由来原材料を含まない化学合成品であるため、ウイルス感染リスクがなく安全性が高く、均一品質での大量生産が可能という技術的優位性を有する。

2025年4月期の米国売上高は3,152百万円(前期比106.4%増)と倍増し、四半期ごとに過去最高額を更新。既存顧客の使用量拡大に加え、新規顧客獲得数が想定以上のペースで増加しており、米国子会社は当期において財務会計上の黒字化を達成。

営業人員拡大施策がコスト増加分を上回る収益成長をもたらしている。

欧州(2014年CEマーキング)、オーストラリア(2016年)、日本(2020年)、米国(2021年510(k))と順次承認を取得し、4極での販売体制を確立。2025年4月期の事業収益は米国3,152百万円・欧州2,052百万円・日本1,234百万円・オーストラリア478百万円と地域分散が進んでいる。

エンヴァリスの着眼点

2026年4月期の経常利益3,971百万円・当期純利益4,155百万円のうち、為替差益が2,661百万円を占める。期首1ドル=142.57円から期末1ドル=160.40円への円安進行が子会社貸付金評価益を押し上げた財務諸表上の損益であり、キャッシュインフローは発生しない。

事業実態を示す営業利益は1,335百万円であり、2027年4月期予想の経常利益1,640百万円(前期比△58.7%)が示すとおり、為替前提が変化すれば損益は大きく変動する構造的リスクが残存する。

米国は2027年4月期に37%成長(8,590百万円)を計画しており、消化器内視鏡領域での成長余地は依然大きいとされる。一方、日本では保険償還請求の却下事例が一部都道府県で散見され始め、既存施設での買い控えが発生しており、2027年4月期は前期比12%減(1,100百万円)を計画。

欧州ドイツでは改善施策の全国展開が想定どおりに進まず微増に留まっている。米国一極集中の収益構造が続く中、日欧の課題解決が中期的な収益安定化の鍵となる。

2026年4月期末の発行済株式数は127,971,881株(前期比+17,678,475株)と増加が続いており、潜在株式調整後EPSは30.98円にとどまる。ただし転換社債型新株予約権付社債の全額償還・転換完了により、最大の希薄化リスク源は消滅した。

今後の株価カタリストとしては、小児心臓手術・扁桃腺手術・前立腺肥大手術・生検後止血・粘膜創傷治癒等の米国承認申請進捗、および次世代止血材の米日承認申請データ取得(PMCF)の開始が注目される。

成長戦略

米国直販モデルの深耕と複数新規適応の承認取得加速で収益基盤の多層化を図る

2027年4月期に米国売上高8,590百万円(前期比+37%)を計画。昨年度末に営業チームのリソース補強と再編を実施し、営業一人当たり売上額の増加を見込む。消化器内視鏡領域では新規顧客獲得・既存顧客維持・顧客当たり使用量拡大のバランスを取った営業活動を継続。

小児心臓手術止血・扁桃腺手術・生検後止血・前立腺肥大手術・放射線膀胱炎・粘膜創傷治癒(De Novo申請準備中)・骨充填材等、複数の新規適応について米国承認申請準備を進める。既存臨床データまたは短期取得可能なデータを活用した申請を指向。

2025年12月に欧州で承認取得済みの次世代止血材について、米国・日本での承認申請データ取得のためPMCF(市販後調査)を計画中。脳神経外科・消化管・心臓血管・実質臓器等複数領域での適応を有しており、承認取得により新たな収益源となることが期待される。

欧州では消化器内視鏡・心臓領域の代理店モデルを維持しつつ、耳鼻咽喉科領域に追加リソースを投入し30%程度の成長を見込む。泌尿器科等新規領域でも小規模直販体制で高成長を継続。2027年4月期欧州全体で12%成長(2,922百万円)を計画。

粘膜の創傷治癒材として2026年3月に欧州へ承認申請済み。米国ではFDAとの協議によりDe Novo申請に変更して再申請準備中。正式な薬事承認取得により止血材に次ぐ新製品カテゴリーの確立と拡販を目指す。

転換社債型新株予約権付社債の全額償還・転換完了により継続企業の前提に関する注記を解消。自己資本比率66.7%・現金残高2,830百万円を確保し、新規当座借越契約・コミットメントライン拡大も実施。資金調達リスクを大幅に低減し、事業投資余力を確保した。

最終更新: 2026年7月17日