事業内容
株式会社セルシードは2001年設立の東証グロース上場企業。日本発の「細胞シート工学」を基盤技術とし、①温度応答性細胞培養器材の製造販売・再生医療CDMOサービスを提供する「再生医療支援事業」と、②同種軟骨細胞シート(CLS2901C)等の再生医療等製品開発を推進する「細胞シート再生医療事業」の2事業を展開する。
主要顧客は国内外の研究機関・製薬企業・医療機関。2025年10月には主力パイプラインの第3相試験(第1例目症例登録)を開始し、事業化準備段階にある。
ビジネスモデル
再生医療支援事業では、フナコシ等国内代理店およびThermo Fisher Scientific(Nunc A/S)等海外代理店を通じた温度応答性細胞培養器材の販売と、細胞培養センター(CPC)を活用した再生医療CDMO受託サービスにより売上を計上する。細胞シート再生医療事業は現在研究開発段階であり、製造販売承認取得後の製品販売・事業提携による一時金収入等を将来の主要収益源として位置づけている。
企業の強み
東京女子医科大学との共同研究を起点に開発された「細胞シート工学」は、温度変化のみで細胞シートを非侵襲的に回収できる独自技術。UpCell・RepCell等の製品として2007年より国内販売を開始し、Thermo Fisher Scientific(Nunc A/S)との国際販売代理店契約により欧州等でも展開している。
2016年設置の細胞培養センター(CPC)は、再生医療等安全性確保法に基づく特定細胞加工物製造許可(2017年取得)および薬機法に基づく再生医療等製品製造業許可(2018年取得)の双方を保有。臨床用細胞シートの製造受託が可能な希少なインフラであり、CDMO事業の基盤となっている。
2023年9月にPMDAへ治験届を提出した同種軟骨細胞シート(CLS2901C)は、東海大学との合意を経て2025年10月9日に第1例目の症例登録を完了し、第3相試験が計画に従い進行中。国立成育医療研究センターとの検体供給契約(2026年6月まで)により安定的な原材料確保体制も整備されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は162百万円(2021期)→126百万円(2022期)→190百万円(2023期)→193百万円(2024期)→84百万円(2025期)と推移し、2025期に急落。2026年12月期第1四半期は13百万円(前年同期比49.1%減)とさらに低水準が続く。
営業損失は2026年1Q累計で250百万円と前年同期(393百万円)から改善しているが、これは研究開発費の大幅圧縮(前年同期比165百万円減)によるものであり、売上回復を伴う構造的改善ではない。外部環境として、米国通商政策の不透明感や地政学的リスクが海外器材販売の回復を阻害している。
特別損失として減損損失20百万円(前年同期0.5百万円)を計上した点も注目される。
成長戦略
同種軟骨細胞シートの第3相試験完遂・早期承認申請と事業提携推進、支援事業の収益基盤強化を並行推進
2025年10月に第1例目の症例登録を完了し、2026年3月末時点で計画に従い進行中。治験実施施設の追加によりjRCT情報を更新済み。東海大学とのマイルストン合意に基づき試験を推進しており、承認取得が収益化の前提となる。
同種軟骨細胞シートの事業化加速および将来の販売体制構築に向け、複数企業との提携・共同研究契約締結を目指した交渉を継続中。提携成立により開発費用の分担や販売チャネルの確保が期待される。
国内では学会活動(第25回日本再生医療学会総会でのポスター発表等)を通じた器材製品の認知向上と代理店経由の拡販を推進。海外では地政学的混乱による売上低迷の回復に向け、従来の広告・DM手法に代わる新規プロモーション施策の実施準備を進めている。
CDMOサービスはウェブサイト刷新により新規受託案件獲得を強化。
2025年12月8日発行の第25回新株予約権につき、2026年3月31日時点の行使率は48.92%、調達額は1,213百万円。1Q末の手元資金は2,012百万円に増加し、自己資本比率84.1%を確保。
2026年4月にも追加行使(114,000株、32百万円)が実施されており、継続的な資金確保が進んでいる。
最終更新: 2026年7月17日

