事業内容
株式会社シードは1957年創業のコンタクトレンズ専業メーカーで、ハード・ソフト・ディスポーザブル・オルソケラトロジーレンズ等の研究開発・製造・販売を主軸とする。国内では埼玉県鴻巣研究所を生産拠点とし、「シード1dayPureシリーズ」「シードAirGradeシリーズ」等の国産ブランドを展開。
海外は英国・ドイツ・スイス・台湾・シンガポール・マレーシア・ベトナム・中国・香港など18社のグループ体制で、アジアを中心にグローバル展開を進める。主要顧客はHOYA株式会社(売上比14.8%)、株式会社パレンテ(同13.3%)等の流通事業者を通じ、最終的にコンタクトレンズ装用者へ製品を届ける。
2026年3月期連結売上高は33,942百万円。
ビジネスモデル
鴻巣研究所での自社製造(月産最大6,500万枚→4号棟稼働後7,900万枚へ拡大中)を基盤に、スペシャリティレンズ(乱視用・遠近両用)やオルソケラトロジーレンズ等の高付加価値品を拡充し、国内流通卸・眼科・量販店チャネルを通じて販売する。海外は現地子会社・代理店経由で販売し、円安メリットを輸出競争力に転換。
研究開発費2,075百万円を継続投資し、新素材・スマートコンタクトレンズ等の次世代製品パイプラインも保有する。
企業の強み
主力「シード1dayPureシリーズ」は「国産」「32枚入り」という競合他社との明確な差別化要素を持ち、乱視用・遠近両用の売上が回復基調にある。2026年3月期のコンタクトレンズ・ケア用品セグメント売上高は33,849百万円(前期比2.2%増)、営業利益3,469百万円(前期比8.5%増)と収益性が向上している。
2026年1月竣工・3月稼働の鴻巣研究所4号棟により、月間最大生産能力を6,500万枚から2027年3月期に7,900万枚、2028年3月期に8,950万枚へ段階的に引き上げる計画。2026年3月期の設備投資総額は12,359百万円に達し、省人化生産ラインの構築も並行して進めている。
鴻巣研究所(研究開発スタッフ89名)、英国CLPL社(4名)、ドイツWoehlk社(3名)、スイスSensimed社(5名)の4拠点体制で研究開発を推進。2026年3月期の研究開発費は2,075百万円。
近視進行抑制レンズの治験、スマートコンタクトレンズの汎用プラットフォーム公開、AIを用いた自動外観検査システムの実用化開始など、次世代製品への投資を継続している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期28,835百万円から2026年3月期33,942百万円へ5期で17.7%増加し、緩やかな成長軌道を維持している。一方、営業利益は2024年3月期の2,050百万円をピークに2025年3月期1,562百万円、2026年3月期1,439百万円と2期連続で減少。
2026年3月期の減益要因は、円安による輸入仕入コスト上昇(粗利圧迫)、人件費増加、シンガポール物流拠点立ち上げ費用・アドバイザリー費用等の販管費増加(13,782百万円、前期比5.5%増)。経常利益は為替差益228百万円の計上により前期比5.5%増の1,406百万円と改善。
親会社株主帰属当期純利益は1,135百万円(同4.0%増)。2027年3月期は4号棟稼働による生産拡大と販売増を背景に営業利益2,200百万円(52.8%増)を予想している。
成長戦略
生産能力の段階的拡張・高付加価値レンズ強化・海外展開加速の三位一体戦略。
2026年1月竣工・3月稼働の4号棟により月産最大生産能力を6,500万枚から2027年3月期に7,900万枚へ拡大。第二期計画後の2028年3月期には8,950万枚を見込む。省人化生産ラインの構築を並行して推進し、人員確保難の環境下でもコスト競争力を維持する。
乱視用・遠近両用等のスペシャリティレンズ販売に注力。2026年2月に「シードAirGrade 2week UV W-Moisture TORIC」を発売し1day・2weekの両カテゴリーでシェア拡大を図る。
新素材シリコーンハイドロゲルレンズは承認申請中で2027年3月期先行販売・2028年3月期全国発売を計画。
主力ブランドのマーケティング戦略を見直し、「国産」「32枚入り」の商品特長を活かしながらブランドイメージと商品価値を再構築する。WEB広告等を活用したプロモーション展開も積極化し、価格競争に対する差別化力を強化する。
英国Scotlens Holdings Limited(特殊レンズ製造)・上海幻櫻商貿有限公司(中国卸売)を新規連結化。シンガポールに物流拠点を構築し東南アジア(ベトナム・マレーシア)での販売強化を図る。中国では完全子会社化・中国営業部新設により意思決定スピードを向上させ売上拡大を推進する。
取扱施設の拡大・定額制サービスの普及・学会講演によりオルソケラトロジーレンズの需要を継続創出。近視進行抑制効果確認を目的としたコンタクトレンズの治験を進めており、将来の適応拡大に向けた先行投資を実施している。
最終更新: 2026年7月19日

