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HOYA株式会社

7741東証プライム精密機器

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事業内容

HOYA株式会社は1941年創業の光学ガラスメーカーを源流とし、現在は連結子会社131社・関連会社12社を擁するグローバルグループ。事業はライフケア(メガネレンズ・コンタクトレンズ・医療用内視鏡・眼内レンズ等)と情報・通信(半導体用マスクブランクス・FPD用フォトマスク・HDDガラスサブストレート・光学レンズ)の2セグメントを中核とする。

売上収益947,749百万円(2026年3月期)のうちライフケアが62%、情報・通信が37%を占め、北米・欧州・アジアの地域本社体制のもとグローバルに製造・販売を展開する。主要顧客はSeagate Technology LLC(売上比率11.75%)をはじめとする半導体・HDD関連企業、眼科医療機関、メガネ専門店等多岐にわたる。

ビジネスモデル

「小さな池の大きな魚」の経営哲学のもと、各事業で競合の少ないニッチ市場でのシェア獲得を優先する。製造は自社工場(タイ・ベトナム・中国等)で行い、販売は各国関係会社を通じた直販体制を採用。

事業部門への大幅な権限委譲により意思決定を迅速化し、成長性の低い事業からは撤退(音声合成ソフトウェア事業を2025年10月に譲渡)する一方、M&Aで新規事業を獲得する。情報・通信セグメントの税引前利益率は54.2%に達し、グループ全体の税引前利益率は34.6%(2026年3月期)と高水準を維持する。

企業の強み

情報・通信セグメントの2026年3月期セグメント利益率は54.2%(売上収益354,751百万円、セグメント利益192,325百万円)。半導体用マスクブランクスはEUV先端品の開発・量産で高い技術障壁を形成しており、競合が容易に参入できない寡占的地位を背景に極めて高い利益率を実現している。

ライフケアセグメントは売上収益590,680百万円、セグメント利益率21.9%(2026年3月期)。欧州での累進レンズ・Meiryoシリーズ等の高付加価値メガネレンズ、プライベートブランド(hoyaONE)コンタクトレンズ、白内障用眼内レンズの日欧成長継続など、複数製品カテゴリーが安定的に収益を積み上げる多層的な収益構造を持つ。

2026年3月期の営業キャッシュフローは278,446百万円、現金及び現金同等物残高は574,092百万円。有利子負債残高42,241百万円に対し現金残高が約13.6倍と実質無借金に近い財務構造を維持。親会社所有者帰属持分比率78.4%、ROE25.4%と資本効率と財務健全性を両立している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の税引前利益327,668百万円(前期比26.0%増)には、中国白内障用眼内レンズ合弁会社の持分取得に係る長期金融負債の見積差額を一過性収益として計上した影響が含まれる(その他の収益が前期2,955百万円から34,213百万円へ急増)。また音声合成ソフトウェア事業の譲渡益も計上されている。

これらを除いた実力ベースの利益水準を精査することが、来期業績予想の起点として重要となる。

情報・通信セグメントは売上収益354,751百万円(前期比14.0%増)、セグメント利益192,325百万円(同12.9%増)と好調を維持した。外部要因として、EUV向け先端半導体の開発活動活発化とデータセンター向けニアラインストレージ需要の拡大が追い風となっている。

一方、同社は「海外売上比率が大きく、為替変動の影響を受ける可能性が大きい」として通期業績予想を非開示としており、地政学リスクや米中関係の変化が需要に与える影響の見極めが引き続き課題となる。

配当性向40%を目安とする累進配当方針のもと、2026年3月期の年間配当は295円(前期160円から84.4%増)、配当総額99,582百万円と大幅に拡大した。加えて自己株式取得171,970百万円を実施し、財務活動によるキャッシュ・フローは261,259百万円の支出となった。

さらに「概ね3年の期間で現預金水準の適正化を図る」方針を新たに表明しており、現預金574,092百万円(総資産比44.1%)の段階的圧縮による追加的な株主還元拡大が期待される一方、M&A等の成長投資余力との兼ね合いが注目点となる。

成長戦略

ライフケア・情報通信の成長投資継続と現預金適正化による資本効率向上

半導体微細化の進展に伴うEUV向け先端マスクブランクスの需要拡大に対応するため、研究開発・設備投資を継続。情報・通信セグメントの資本的支出は34,195百万円(前期23,880百万円から43.2%増)と大幅に拡大しており、生産能力増強が進行中。

DUV需要の増加基調も継続しており、エレクトロニクス関連製品全体で295,757百万円の売上収益を達成した。

欧州市場での累進レンズ・Meiryoシリーズ等の高付加価値メガネレンズ販売の安定推移、コンタクトレンズのプライベートブランド(hoyaONE)拡大と新規出店、白内障用眼内レンズの日本・欧州での売上成長継続により、ライフケアセグメントの売上収益は590,680百万円(前期比7.2%増)を達成。セグメント利益は129,531百万円(同43.3%増)と大幅増益となった。

現預金が総資産に占める比率の高止まりを踏まえ、概ね3年の期間で現預金水準の適正化を図ることを新たに決定。自己株式取得を軸に余剰資金を段階的にリリースする方針。

2026年3月期は自己株式取得171,970百万円・配当99,582百万円を実施し、配当性向40%目安の累進配当方針を設定。後発事象として2026年5月15日に3,576,300株の自己株式消却を予定。

FPD用フォトマスクは中国工場の立ち上がりに伴い大幅増収を達成。映像関連製品はミラーレスカメラ向け交換レンズの安定需要に加え、ウェアラブルカメラ向けレンズおよび光通信向け近赤外用偏光ガラス(CUPO)の販売が伸長し、58,994百万円(前期45,927百万円から28.5%増)を達成した。

最終更新: 2026年7月19日