FDA警告書・輸入警告リスク
FDAから受領した警告書に対する是正が不十分または遅延した場合、さらなる規制措置が講じられ製品供給に影響が生じるおそれがある。2025年6月には会津オリンパス株式会社製の一部医療機器(気管支鏡・腹腔鏡・尿管腎盂鏡・内視鏡洗浄消毒装置)に対する輸入警告が公表され、米国への輸入が停止された。当社は患者安全を最優先としたリスクベースの製品ポートフォリオ評価と品質システムのグローバル標準化を推進し、FDAとの直接コミュニケーションを継続している。
規制・法令不遵守リスク
製品開発・承認プロセスを規定する適用法令や規制への不遵守が生じた場合、製品商品化の遅延、市場参入制限、訴訟またはその他の規制措置が講じられるおそれがある。メドテック業界では医療機器に対する法規制要件が変化し続けており、コンプライアンス確保のための継続的投資が求められている。当社グループはグローバルなプロセス・方針・モニタリング活動・教育研修・統制を強化することでコンプライアンスの枠組みを高度化している。
地政学的緊張・貿易摩擦リスク
軍事紛争や貿易戦争はサプライチェーンを脅かしコスト増大を招くほか、急速に変化する制裁措置によるコンプライアンスリスクも生じさせており、当社グループの最優先リスクのひとつとして認識されている。主要市場では国内産業保護措置や関税変動、国内サプライヤーへの優遇措置等により収益性が低下する可能性がある。対応として中国では現地生産準備を進展させ、米国では業界団体と連携しながら関税動向を継続的に注視している。
競争激化・市場地位維持リスク
技術革新のスピードが速く価格競争が生じやすい分野において競争が激化しており、当社グループが市場での地位と収益性を維持する能力に影響を及ぼす可能性がある。市場情報の深さや適時性の不足、または市場動向・顧客ニーズ・競合他社動向に関する誤った判断は、戦略的意思決定や競争上の優位性を損なうリスクがある。当社グループはイノベーション効果の向上・製品開発サイクルの加速・標準化された市場情報収集能力の強化により対応している。
サプライチェーン混乱リスク
重要な事業基盤や物流ネットワークの障害、特に依存関係が集中している箇所での障害は、製品供給や事業継続、顧客・患者へのサービス提供能力に悪影響を及ぼす可能性がある。半導体を含む重要原材料の需給逼迫や単一・唯一サプライヤーへの依存、危機発生時のサプライヤー復旧遅延も供給安定性を脅かす。当社グループは事業継続計画(BCP)の策定、安全在庫の確保、調達先の多様化、サプライヤーのレジリエンス評価を通じてサプライチェーンの強靭化を図っている。
製造業務混乱リスク
製造拠点の稼働停止を含む製造業務の混乱により生産遅延が生じた場合、顧客需要に応える能力に影響を及ぼす可能性がある。FDAの警告書対応として製造・品質・サプライチェーンマネジメント・研究開発にわたり大規模な資源配分が継続されており、オペレーションリスクは上昇傾向にある。当社グループは体系的な事業継続管理(BCM)フレームワークの導入と危機管理能力の強化により対応している。
サイバーセキュリティリスク
サイバーセキュリティ上の脅威の発生頻度および高度化により、システムへの不正アクセス、データ侵害、または重要な業務への支障が生じるおそれがあり、IT&デジタルカテゴリーのリスク傾向は上昇と評価されている。老朽化・陳腐化したITインフラやアプリケーション、分散的・非標準のITソリューションへの不十分なガバナンスがセキュリティ上の脆弱性を高めるリスクもある。当社グループは包括的な情報セキュリティプログラムの運用、体系的なライフサイクル管理、ITレジリエンス向上のための復旧・事業継続計画の整備により対応している。
デジタル化・AI導入リスク
製品・サービスへのデジタル技術やAIの採用拡大に伴い、オペレーティングモデル・組織能力・ガバナンス体制の調整が必要となる可能性があり、この変革を効果的に管理できない場合、競争力や業務効率に影響を及ぼすおそれがある。また、重要な基幹システムの障害・停止は製造やサプライチェーン業務を含む中核的な業務プロセスに影響を及ぼす可能性がある。当社グループはガバナンス体制の強化、技術開発プロセスの高度化、デジタル分野の人材投資を通じてデジタルトランスフォーメーションを推進している。
為替変動・財務リスク
外国為替レートの変動は重要なリスクとなる可能性があり、円高は業績に悪影響を及ぼす一方、円安は好影響をもたらす可能性がある。また、業績悪化や金融市場の環境変化は資金調達オプションを制限する可能性があり、グローバルな税法改正や繰延税金資産の評価見直しにより税負担が増大するリスクもある。当社グループは為替予約・通貨スワップ等のデリバティブ活用、グローバルキャッシュプーリング、公募社債発行等による資金調達多様化、固定金利採用により財務リスクを管理している。
M&A・事業開発リスク
M&A活動は機会と脅威の両面を持ち、リスク軽減策が不十分な場合、のれんの減損や関連費用により事業遂行・業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。厳格なデューデリジェンスと体系的な統合プロセスが必要であり、対象企業の選定・デューデリジェンス・買収後統合における有効性の向上が課題となっている。当社グループはM&Aプロセスおよびシステムの継続的改善を通じてリスクの最小化を図るとともに、自社開発・M&A・戦略的提携を組み合わせたイノベーション推進を進めている。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

