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黒田精工株式会社

7726東証スタンダード機械

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黒田精工株式会社7726

事業内容

黒田精工は1925年創業の精密機器メーカーで、東京証券取引所スタンダード市場に上場。連結子会社7社・関連会社2社を擁し、①精密ボールねじ・アクチュエータ等を手掛ける駆動システム、②積層精密プレス型・モーターコアを製造する金型システム、③保持工具・ゲージ・精密研削盤・計測装置を提供する機工・計測システムの3セグメントで事業を展開する。

主要顧客は半導体・液晶関連装置メーカー、自動車(EV・HV)関連メーカー、工作機械メーカー等で、国内外の製造業の高度化・自動化需要を幅広く取り込む。ドイツ・米国・韓国・中国・マレーシアに生産・販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開している。

ビジネスモデル

各セグメントで自社製造した精密部品・装置を産業機械メーカー等に直接販売することで収益を得る。金型システムでは独自開発の型内接着積層システム「Glue FASTEC®」や樹脂固着システム「MAGPREX®」のライセンス契約(Euro Group S.p.A、無錫隆盛新能源科技有限公司等)も収益源となっている。

また、関連会社向け設備販売や合弁会社(紅忠黒田ラミネーション㈱)を通じたサプライチェーン内取引も活用している。

企業の強み

当社が独自開発した型内接着積層システム「Glue FASTEC®」および樹脂固着システム「MAGPREX®」は、他工法比でCO2排出量が少なく、複数の海外企業へのライセンス供与実績を持つ。2026年3月期においても複数の新規プロジェクトに取り組み、プロセス改良と生産性改善を継続している。

精密研削ボールねじ・転造ボールねじ・アクチュエータ等を日本(かずさアカデミア工場)、ドイツ(Jenaer Gewindetechnik GmbH)、中国(黒田精工(浙江)有限公司)で製造し、韓国・米国を含む多拠点販売網を構築。2026年3月期の駆動システム受注残高は2,410百万円(前期比114.2%増)と大幅に積み上がっており、今後の売上寄与が見込まれる。

機工・計測システムセグメントは2026年3月期に営業利益176百万円(前期は営業損失103百万円)へ黒字転換を達成。コラム移動型平面研削盤GS-64/65CVの上市(消費電力70%削減・省スペース化)など新製品開発を継続しており、受注高も4,152百万円(前期比20.1%増)と拡大している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の売上高は19,501百万円(前期比12.8%増)と増収を達成したが、営業利益は32百万円(前期比89.5%減)、経常利益は11百万円(前期比97.3%減)、親会社株主帰属当期純損失は96百万円と実質的な経営危機水準に近い。品種構成差による利益率低下、減価償却費の増大(1,229百万円)、ドイツ子会社の赤字拡大が重なった。

売上増収が利益に結びつかない収益構造の脆弱性は、投資家が最も注視すべき課題である。

2026年3月期は投資有価証券売却益286百万円を特別利益に計上したものの、ドイツ子会社関連の固定資産減損損失207百万円および構造改革費用240百万円を特別損失に計上し、最終赤字に転落した。ドイツ子会社の業績低迷は複数期にわたって継続しており、構造改革の実効性と追加損失リスクの有無が今後の重要な観察ポイントとなる。

営業CFもマイナス614百万円に転落し、財務活動(長期借入2,545百万円)で資金を手当てしている点も財務健全性の観点から注視が必要。

会社は2027年3月期に売上高25,800百万円(前期比32.3%増)、営業利益770百万円(前期比約23倍)、当期純利益330百万円を予想している。駆動システムの受注急回復と金型システムの新プロジェクト下期寄与が主な根拠だが、2026年3月期の実績(営業利益32百万円)からの乖離は極めて大きく、品種構成の改善・欧米子会社の損益回復・新プロジェクトの進捗が同時に実現する必要がある。

外部環境として地政学リスク・通商環境の変化・中国レアアース輸出規制の継続も下振れ要因として残存する。

成長戦略

駆動システム受注回復と金型新プロジェクト寄与を軸に2027年3月期の大幅V字回復を目指す

半導体・液晶関連装置市場向けの受注が昨年末以来急回復し、2026年3月期受注高は7,765百万円(前期比22.5%増)。2027年3月期は受注残の売上計上が本格化し、黒田精工単体の増収・増益に加え欧米子会社の損益改善も期待される。

構造改革費用240百万円の計上はドイツ子会社の抜本的な収益改善への布石と位置付けられる。

現在進行中の新プロジェクト関連設備が2027年3月期下期以降から業績に本格寄与する見通し。2026年3月期は関連会社向け設備売上が金型システムの増収(前期比20.8%増)を牽引したが、利益率の低い品種が増加したため営業利益は49百万円に留まった。

新プロジェクトの利益率改善が2027年3月期の収益回復の鍵を握る。

2026年3月期に営業利益176百万円へ黒字転換(前期は営業損失103百万円)。工作機械を中心としたシステム部門の利益率改善と国内子会社の増益が寄与した。精機商品の大口受注・要素機器の受注増加傾向が続いており、2027年3月期も安定的な利益貢献セグメントとして機能することが期待される。

2026年3月期にドイツ子会社関連の固定資産減損損失207百万円および構造改革費用240百万円を特別損失に計上し、抜本的な構造改革に着手。欧米子会社の損益悪化が駆動システムセグメントの営業損失(186百万円)の主因であり、構造改革の実効性が2027年3月期以降の収益回復に直結する。

最終更新: 2026年7月19日