事業内容
愛知時計電機は1898年創業、名古屋証券取引所プレミア市場・東京証券取引所プライム市場に上場する計測機器メーカーである。主力の計測器関連事業はガス関連機器(都市ガス・LPガスメーター等)、水道関連機器(上下水道メーター・スマートメーター等)、民需センサー・システム(電磁・超音波流量計等)、計装(官需向け計測・監視・制御システム)の4分野で構成される。
国内ガス・水道事業者を主要顧客とする一方、中国・台湾・ベトナム・北米・欧州向けにグローバル展開も進める。グループは当社と子会社6社・関連会社2社で構成され、製造・物流・販売を一体的に担う。
ビジネスモデル
主力収益はガス・水道メーターおよび計装システムの製造・販売であり、国内ガス事業者・水道事業者・官公庁向けに安定的な更新需要を取り込む。これに加え、LPガス事業者向けデータ配信サービス「アイチクラウド」を展開し、ハードウェア販売に付随するサービス収益の積み上げを図る。
海外では中国・台湾・ベトナムの現地法人を通じた製造・販売と、北米・欧州向け輸出を組み合わせる。
企業の強み
1927年に水道メーター、1950年にガスメーターの製造を開始し、国内主要ガス・水道事業者との長期取引関係を構築してきた。2026年3月期のガス関連機器売上高は27,484百万円、水道関連機器は20,470百万円に達し、更新需要を安定的に取り込む事業基盤を有する。
2019年9月にLPガス事業者向けデータ配信サービス「アイチクラウド」の運用を開始し、スマート化の先行市場であるLPガス分野での実績を積み上げてきた。水道分野でもLPWA通信機能搭載スマートメーターの実証実験に参画しており、都市ガス・水道市場のスマート化本格化に向けた製品・サービス基盤を整備している。
2026年3月期末の自己資本比率は74.8%と高水準を維持し、純資産合計は52,583百万円に達する。現金及び預金残高は9,174百万円を確保するほか、金融機関との総額4,000百万円のコミットメントライン契約を締結しており、成長投資と株主還元を両立できる財務的余力を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期46,483百万円から2026年3月期59,116百万円へ5期連続増収(CAGR約6.2%)。2026年3月期は前期比+8.9%と成長率が加速。
営業利益率は2024年3月期の7.1%を底に2025年3月期7.3%、2026年3月期8.0%へ改善基調。外部要因としてLPガスメーター更新需要の回復期入り・公共投資の底堅い推移・北米向け輸出拡大が追い風となった。
一方、製品保証引当金の新規計上(1,129百万円)・販管費増加・棚卸資産増加(売上債権及び契約資産増加1,762百万円)が営業CFを圧迫。2027年3月期は売上高60,480百万円(+2.3%)・営業利益4,960百万円(+5.3%)と増収増益を予想するが、特別利益剥落により純利益は前期比4.0%減の4,610百万円を見込む。
成長戦略
スマート化・グローバル展開・DX推進の3軸で中期経営計画2026の目標達成を目指す
家庭用LPガスメーターの更新需要が回復期に入ったことを捉え、データ配信サービス「アイチクラウド」関連製品の拡販を並行推進。2027年3月期も引き続き更新需要を見込み、IoT付加価値による単価向上を図る。
国内官需・民間市場でのスマートメーター関連製品追加と、北米向け水道メーター輸出の継続拡大を推進。2026年3月期は水道関連機器売上高が前期比8.6%増収の20,470百万円を達成し、輸出増加が貢献した。
営業体制の充実・提案力・施工能力の強化により大口物件を確保。2026年3月期は年度またぎ物件の工事進行により計装売上高が前期比34.1%増収の8,399百万円と大幅増収を達成した。
2024年4月設立の合弁会社を活用した中国向け都市ガス関連機器の輸出増加と、欧米向け流量センサーの拡販を推進。民需センサー・システムは国内減少を欧米輸出増で補い前期比2.9%増収を達成した。
政策保有株式の売却を継続し、特別利益計上と資本効率改善を図る。2026年3月期に投資有価証券売却益1,242百万円を特別利益計上。2027年3月期も政策保有株式売却を予定し、年間配当120円(配当性向39.9%)を計画。
最終更新: 2026年7月19日

