事業内容
長野計器は「一芸を極めて世界に挑戦」を企業理念に掲げ、圧力計・圧力センサ・計測制御機器・ダイカスト製品を製造販売する計測機器メーカーである。当社および子会社33社・関連会社9社で構成されるグループは、化学・エネルギー・食品・半導体・自動車など多様な産業分野を顧客とし、国内では長野県上田市の2拠点を主力工場として、海外では米国Ashcroft社を中核に欧州・アジア・中南米に至るグローバルネットワークを展開する。
圧力計事業(売上高36,471百万円)と圧力センサ事業(同19,479百万円)が収益の中核を担い、社会インフラの保守・メンテナンス需要から先端半導体製造まで幅広い用途に対応している。
ビジネスモデル
圧力計・圧力センサを中心に、計測制御機器・ダイカストを加えた4セグメントで製品を製造・販売する。国内では上田計測機器工場・丸子電子機器工場で生産し、海外ではAshcroft社(米国)を通じたOEM事業や現地生産(メキシコ・中国)で地産地消を推進する。
プロセス業界向けの保守・メンテナンス需要による安定収益を基盤としつつ、半導体・新エネルギー・データセンター向けの高付加価値製品で収益性を高める構造を持つ。
企業の強み
2006年に米国Ashcroft Holdings(現Ashcroft-Nagano Keiki Holdings)を完全子会社化し、米国・欧州・アジア・中南米に29社の圧力計関連会社を擁するグローバルネットワークを構築。2026年3月期において米国子会社の産業機械向けOEM事業が好調に推移し、圧力計事業の営業利益が前期比7.1%増となるなど、国内市場の軟調を補完する機能を果たしている。
丸子電子機器工場において圧力センサ素子の加工・研磨工程を一貫内製しており、2025年6月にダイアフラム加工棟(DP棟)の増設を完了し同年9月から稼働開始。製造工程の集約により生産効率を高め、今後の需要増加への対応力を強化した。
圧力センサ事業の営業利益率は2026年3月期で15.2%を維持しており、高収益構造を支えるコア技術として機能している。
全従業員の10.5%に相当する251名(うち子会社94名)の研究開発・技術・生産技術スタッフを擁し、2026年3月期の研究開発費は1,454百万円を投下。光学式センサ・ワイヤレス計測・IoT対応製品・液体水素計測用センサなど新領域への技術展開を進めており、JAMSTECの北極域研究船「みらいⅡ」への船体構造応答モニタリングシステム採用など実績も積み上がっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期54,953百万円→2025期69,545百万円と4期連続増収を達成したが、2026期は67,691百万円(前期比2.7%減)と初の減収に転じた。営業利益も6,979百万円(前期比8.8%減)、親会社株主帰属当期純利益5,397百万円(同10.9%減)と全利益段階で減益。
外部要因として半導体業界の在庫調整長期化が国内圧力計・圧力センサ双方の売上を押し下げた。一方、米国子会社のOEM事業好調・ダイカスト事業の黒字転換・計測制御機器の増収増益が部分的に下支えした。
営業キャッシュフローは7,620百万円と改善しており、キャッシュ創出力は維持されている。
成長戦略
新中期経営計画2028で圧力センサ中心の新領域展開とグローバル拡販を推進
2025年6月に丸子電子機器工場敷地内にダイアフラム加工棟(DP棟)の増設を完了し、2025年9月から稼働開始。圧力センサ素子の加工・研磨工程を集約し、効率的な生産体制で今後の生産増加に対応する基盤を整備した。
さらなる事業拡大と生産性向上を図るため、丸子電子機器工場敷地内に圧力計および圧力センサ素子の生産棟をそれぞれ新設することを検討中。中長期の需要増加に対応する生産能力の確保が目的。
新中期経営計画2028の「挑戦」施策として、光学式センサをはじめとした新領域への展開やワイヤレス化を推進。圧力センサ事業を中心に事業規模の拡大と持続的成長の実現を目指す。
米国子会社における産業機械・プロセス業界向けOEM事業は2026年3月期も好調を維持。2027年3月期は前期好調の反動減を見込むものの、欧州地域を含むグローバル拡販を継続的に推進する方針。
データセンター向けセンサ需要の拡大、製造業における省人化・自動化の加速、水素・アンモニア等の新エネルギー分野での圧力センサ需要増加を成長機会として捉え、2027年3月期は圧力センサ事業全体で売上増加を見込む。
最終更新: 2026年7月19日

