事業内容
株式会社ひとまいる(旧カクヤスグループ)は、純粋持株会社として連結子会社5社・持分法適用関連会社1社を傘下に置く酒類販売グループである。主力の株式会社カクヤスが東京都23区を中心に「なんでも酒やカクヤス」ブランドで展開する「カクヤスモデル」は、小型出荷倉庫・店舗拠点から個人飲食店・一般消費者・法人向けに1時間枠指定・365日・無料配達を提供する独自物流サービスである。
事業は時間帯配達(売上構成比59.3%)、ルート配達(同29.3%)、店頭販売(同10.1%)、その他(同1.3%)の4セグメントで構成され、飲食店向けB2BとB2C双方を網羅する。2025年7月に商号をひとまいるへ変更し、酒類以外の商材・他人物配送へと事業領域を拡張する構造改革を推進中である。
ビジネスモデル
売上高139,837百万円の大半は酒類の仕入販売(仕入実績105,260百万円)から生じる。自社構築の地域密着型配送網を活かし、時間帯配達・ルート配達・店頭販売の3チャネルで顧客層を分散させることで安定収益を確保する。
加えて、同配送網を外部企業の商品輸送に活用する他人物配送(有償配送受託)を新収益源として開拓しており、配送稼働率の向上と収益多様化を同時に追求している。
企業の強み
東京都23区に毛細血管状に張り巡らせた小型拠点網と軽バン・リアカーを活用した配送体制により、大型トラック免許不要で毎日配達を実現。この「カクヤスモデル」は長年の拠点投資と運営ノウハウの蓄積によるものであり、競合が短期間で模倣することは困難である。
2026年3月期の時間帯配達事業売上高は82,939百万円に達する。
時間帯配達(個人飲食店・一般消費者)、ルート配達(飲食チェーン・ホテル等)、店頭販売の3チャネルを保有し、B2B・B2C双方の顧客層を同一物流インフラで対応する。2026年3月期の連結売上高は139,837百万円で、特定顧客への売上依存度が10%を超える先が存在しない分散した顧客基盤を有する。
業績不振店舗の撤退と時間帯配達事業への人員異動を実施した結果、店頭販売事業は売上高14,104百万円(前期比9.2%減)と縮小する一方、営業利益は905百万円(同40.5%増)、営業利益率6.4%へと改善。コスト構造の最適化を実績として示している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期85,514百万円から2026年3月期139,837百万円へ5期連続増収(2026年3月期前期比4.0%増)。営業利益は2024年3月期2,867百万円をピークに2025年3月期1,781百万円へ急落後、2026年3月期は1,971百万円(同10.7%増)と回復。
当期純利益は1,175百万円(同119.0%増)と大幅増だが、法人税等調整額△759百万円(繰延税金資産計上)が主因であり、税引前利益は1,318百万円にとどまる。売上総利益率は24.3%へ改善し、メーカー値上げの価格転嫁効果が顕在化。
2027年3月期は売上高145,000百万円(前期比3.7%増)・営業利益2,100百万円(同6.5%増)・当期純利益650百万円(同44.7%減)を予想しており、税効果剥落後の利益水準の低さが課題として残る。
成長戦略
カクヤスモデルの地域拡大・他人物配送・プラットフォーム化・デジタル投資の4軸で収益構造転換を目指す
飲食店倒産増加・物流ドライバー不足で苦慮する競合酒類卸の撤退・縮小を機に、きめ細やかな配達サービスで新規取引先を獲得し残存者利益を狙う。2026年3月期は個人飲食店向け顧客獲得が進み時間帯配達売上高が前期比5.0%増と好調に推移。
自社配送網の空き稼働を活用し外部企業の商品配送を有償受託する構造改革。配送稼働率の向上により固定費の回収効率を高め、酒類卸以外の収益源を確立する。2026年3月期より本格稼働へ向けた取り組みを推進中。
受注・決済・マーケティングを一貫して外部企業に提供可能な販売プラットフォームを構築し、酒類以外の多品種商品の受注・配達・請求を一括対応可能とする。2027年3月期を「萌芽期」と位置づけ事業再編を推進。ソフトウエア残高は1,359百万円(前期785百万円)へ増加しシステム投資が加速。
2025年10月より株式会社ミクリードを持分法適用会社として取得(取得支出882百万円)。EC宅配・物流事業を含む「その他」セグメントの強化を図り、グループ配送網のエリア拡大に伴うEC宅配需要を取り込む。
最終更新: 2026年7月19日

