事業内容
株式会社日本エム・ディ・エムは、整形外科分野に特化した医療機器の輸入・開発・製造・販売を主事業とする。国内では骨接合材料・人工関節・脊椎固定器具を中心に医療機関へ直接販売し、米国子会社Ortho Development Corporation(ODEV社)が製品の開発・製造を担う日米一体型の事業構造を持つ。
ODEV社は日本向け製品供給に加え、米国市場でも独自に人工関節・脊椎固定器具を販売する。2026年3月期の連結売上高は23,917百万円で、自社製品売上比率は79.2%に達する。
三井化学との資本・業務提携を通じ、技術・販売資源の活用も図っている。
ビジネスモデル
ODEV社が米国で整形外科インプラントを開発・製造し、日本の親会社が国内医療機関へ販売する垂直統合型モデルを採用。自社製品比率79.2%が示すように、OEM依存を抑えた高付加価値製品の販売が収益の中核。
米国では外部顧客向け販売と日本向け内部供給(セグメント間振替高4,605百万円)を並行し、規模の経済と製品開発力を両立させている。
企業の強み
米国子会社ODEV社が骨接合材料・人工関節・脊椎固定器具の開発製造を担い、連結売上高に占める自社製品比率は79.2%(2026年3月期)。研究開発費は864百万円(うち米国818百万円)を投じており、Trivicta Hip Stemなど新製品を継続投入できる内製開発体制を保有する。
日本セグメント売上高13,109百万円・米国外部顧客向け売上高10,807百万円と、日米双方に独立した販売基盤を持つ。骨接合材料・人工関節・脊椎固定器具の3分野に分散したポートフォリオにより、特定品目への依存リスクを低減している。
2026年3月期末の自己資本比率は71.2%、純資産合計は25,427百万円。純有利子負債は2,763百万円にとどまり、財務レバレッジは低水準。金融機関からの借入による資金調達余力を維持しつつ、配当性向30%以上を目標とした株主還元方針を継続している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期19,193百万円→2025期25,114百万円と4期連続増収を達成したが、2026期は23,917百万円(前期比4.8%減)と初の減収に転落。営業利益は2022期2,662百万円をピークに4期連続減少し、2026期は574百万円(同63.1%減)と過去最低水準。
減収要因は日本での報道事案による採用見送り(人工関節6.4%減)と米国でのBKS Revision供給制約(TKA減少)。外部要因として円高(152.50円→150.98円)が米国売上の円換算を押し下げ、米国相互関税が調達コストを押し上げた。
当期純利益は前期の損失461百万円から263百万円の黒字に回復したが、前期の和解関連費用1,555百万円消滅による特別損失縮小が主因であり、営業段階での収益力回復は道半ば。
成長戦略
SAICOプロジェクトによる原価改革と日米新製品投入で収益構造の立て直しを図る
内製化推進・サプライヤー複社化・アジア欧州活用の最適調達・自社製品比率向上の4施策を一体推進。売上原価率が40.9%(前期37.7%)へ悪化しており、中期的な原価率改善が急務。関税影響低減のためアジア地域への生産移管と日本への直接供給体制構築も並行推進。
BKS Revision供給制約の解消に向けサプライヤー複社化・調達先地域分散化を推進。Trivicta Hip Stemの全米展開継続によりTHA症例数の拡大を図る。2027年3月期上期は営業損失260百万円を見込んでおり、供給体制正常化が下期回復の鍵。
高齢化社会の医療ニーズに対応した新製品を継続投入し、獲得症例数の回復・市場シェア向上を図る。報道事案を受けたコンプライアンス・ガバナンス体制強化(法務機能独立・社内規定見直し・内部通報制度強化等)を並行推進し、医療機関からの信頼回復を目指す。
収益性低下を背景にPBRが1倍を下回る水準で推移。新製品投入による売上成長加速とSAICOプロジェクトによる収益性改善を両輪としてROE向上を図る。株主還元は配当性向30%以上を目標とする安定配当方針を維持。
最終更新: 2026年7月19日

