株式会社ニチリョク logo

株式会社ニチリョク

7578東証スタンダード小売業

株式会社ニチリョク logo
株式会社ニチリョク7578

事業内容

株式会社ニチリョクは、お墓事業(屋外墓地・納骨堂)と葬祭事業を主軸とする総合シニアライフサポート企業。1980年の墓石販売開始以来、首都圏・名古屋圏を中心に複数の霊園・納骨堂の募集販売代行および葬儀施行を展開する。

屋外墓地では宗教法人等との業務提携契約に基づき墓地・墓石の販売・施工・霊園管理を担い、納骨堂では自動搬送式堂内陵墓のパイオニアとして都市型施設の企画・販売代行を行う。葬祭事業は横浜市を中心に「ラステル」ブランドの斎場を運営し、火葬場以外のメモリアルサービスを一貫提供できる希少な体制を保有する。

主要顧客は高齢者・終活ニーズを持つ一般消費者であり、会員組織「さくら・あおい倶楽部」を通じた潜在顧客の受注転換を推進している。

ビジネスモデル

収益の柱は三つ。①屋外墓地:宗教法人等から永代使用権を仕入れまたは販売代行し、墓石施工完成時点で売上計上。

②納骨堂:宗教法人の自動搬送式納骨堂の募集代行を受託し、契約者からの入金時点で手数料売上を計上。③葬祭事業:横浜市内の自社斎場「ラステル」で葬儀を施行し、仏壇仏具販売も行う。

会員組織を通じた生前予約獲得が受注の安定化に寄与している。

企業の強み

1999年に国内初の自動搬送式納骨堂「本郷陵苑」を開業して以来、赤坂一ツ木陵苑・大須陵苑など計7施設を展開。主要駅徒歩圏内の立地と現代的設備を組み合わせた都市型納骨堂として高い評価を得ており、デジタルサイネージ「家系樹」など独自機能による差別化も進めている。

お墓事業(屋外墓地・納骨堂)と葬祭事業(葬儀施行・仏壇仏具販売)を一社で提供できる体制を保有。有報では「火葬場以外の全てのサービスを提供できる希少な企業」と明記されており、終活相談から葬儀後の諸手続きまでをワンストップで支援する「総合シニアライフサポート企業」としての機能を有する。

2025年3月期末の自己資本比率は61.3%(前期末60.2%)と高水準を維持。当期純損失271百万円を計上した厳しい環境下でも、有利子負債の削減等により流動負債を240百万円圧縮し22,700百万円に抑制。負債合計も前期比321百万円減少の2,890百万円となった。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期(訂正後)の売上高は1,725百万円(前期比22.9%減)と5期連続の減収となり、2022年3月期比では42%超の規模縮小。営業損失は420百万円と前期(101百万円)から大幅に拡大した。

葬祭事業の事業譲渡により規模が縮小した一方、販管費の削減が追いついておらず、固定費負担の重さが構造的な課題として残存している。2027年3月期の売上高予想2,337百万円(前期比35.5%増)は大幅な回復を見込むが、その実現可能性を慎重に見極める必要がある。

2026年5月公表の決算短信を2026年7月に訂正し、差入保証金の評価に係る見積り再検証により売上高を15百万円、純損失を74百万円改善する修正を実施。訂正の方向性は業績改善側であるものの、公表後に重要な見積り誤りが判明した事実は、会計プロセスの信頼性に対する投資家の注意を喚起する。

差入保証金残高が5,106百万円(訂正後)と総資産の約100%に相当する規模であり、その評価の妥当性は継続的なモニタリングが必要。

2026年3月期(訂正後)に減損損失368百万円(特別損失)と営業外費用での貸倒引当金繰入216百万円を計上。貸倒引当金残高は1,943百万円(訂正後)に達し、差入保証金5,106百万円の約38%に相当する。

超高齢化社会の進行という外部要因は需要下支えとなるものの、資産の質の劣化と固定費構造の重さが収益回復の制約となっており、2027年3月期の黒字転換予想(営業利益220百万円)達成には抜本的な費用構造改革が不可欠。

成長戦略

境内墓地・本堂葬儀・安心サポートプランによる差別化と費用構造改革で黒字転換を目指す

宗教法人との業務提携による境内墓地(首都圏31寺院体制)を活用し、「墓じまい」・樹木葬・改葬需要を取り込む。屋外墓地セグメントは2026年3月期に売上高556百万円・セグメント利益4百万円と辛うじて黒字を維持しており、境内型樹木葬の共同開発による販売力強化が収益改善の鍵となる。

横浜市を中心とした葬祭事業において「本堂葬儀」プランによる差別化・高単価化を推進。2026年3月期の葬祭セグメント売上高は1,025百万円・セグメント利益139百万円と3セグメント中唯一の黒字を維持しており、事業譲渡後の残存事業として収益の柱となっている。

高齢単身世帯の増加という外部環境を背景に、終活ニーズを包括的にカバーする「ニチリョクの安心サポート・パックプラン」を展開。さくら・あおい倶楽部会員組織を通じた生前予約獲得と潜在顧客の受注転換により、安定的な受注パイプラインの構築を目指す。

2026年3月期の販管費合計は1,598百万円(訂正後)と売上高1,725百万円に対して92.6%の比率に達しており、黒字転換には大幅な固定費削減が不可欠。2027年3月期の営業利益220百万円予想の達成には、売上高回復と並行した人件費・広告宣伝費等の構造的圧縮が前提条件となる。

最終更新: 2026年7月17日