事業内容
横浜魚類株式会社は1947年創業の水産物卸売会社で、横浜市中央卸売市場(本場・南部市場)および川崎市中央卸売市場北部市場において水産物の荷受・卸売業務を行う。子会社3社・関連会社1社を含むグループで、鮮魚・冷凍・塩干の各部門を展開する。
主要顧客は市場内仲卸業者であるが、近年は量販店・鮮魚専門店・通販事業者への直接販売を拡大中。株式会社ニッスイ(主要株主)との仕入取引関係を持ち、安定的な商品調達基盤を有する。
不動産等賃貸業(食品加工施設の賃貸)も独立セグメントとして運営している。東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
水産物を全国の出荷者から集荷し、中央卸売市場において仲卸業者・売買参加者へ卸売する荷受機能が収益の根幹。近年は横浜南部市場内に低温加工・物流設備「南部ペスカメルカード」(2016年)および食品加工施設「南部ペスカメルカードⅡ」(2023年)を整備し、量販店・通販事業者向けの加工済商品販売で付加価値を創出。
不動産等賃貸業では同施設の賃貸収入が安定的な利益源となっている。
企業の強み
1951年に神奈川県知事より中央卸売市場法に基づく卸売人許可を取得し、以降70年超にわたり横浜・川崎の中央卸売市場で荷受業務を継続。卸売市場法に基づく農林水産大臣許可が必要な事業であり、新規参入が制度的に制限されている。
この許認可に裏付けられた市場内地位は競合他社が短期間で模倣困難な固有の競争優位である。
2016年に低温加工・物流設備「南部ペスカメルカード」、2023年2月に食品加工施設「南部ペスカメルカードⅡ」を横浜南部市場内に自社整備。これにより量販店・通販事業者向けの加工済水産物販売が可能となり、2026年3月期において相鉄ローゼンフレッシュフーズ株式会社向け売上高が3,483百万円(全体の16.6%)に達するなど、市場外顧客への販売基盤を構築している。
鮮魚部門(2026年3月期売上高9,742百万円、取扱数量16,522トン)と冷凍・塩干部門(同11,057百万円、取扱数量16,328トン)の二部門体制を維持。魚価変動や漁獲動向に応じて部門間で販売構成を調整できる構造であり、2026年3月期は冷凍・塩干部門の取扱数量が前期比10.1%増と拡大し、鮮魚部門の数量減を補完した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期の19,928百万円から2026年3月期の20,979百万円へ緩やかな増収基調。営業利益は2022年3月期の△48百万円から2026年3月期の212百万円へ5期連続で改善し、売上高営業利益率は1.0%に達した。
外部要因として円安・漁獲不振による魚価上昇が売上単価を押し上げ(鮮魚部門:取扱数量4.1%減・売上高2.5%増)、冷凍・塩干部門は販売数量増加(10.1%増)が寄与。ただし2027年3月期は魚価上昇による利益率低下と人件費・物流費増加を理由に当期純利益150百万円(前期比19.2%減)の減益予想であり、改善トレンドの一時的な踊り場が見込まれる。
成長戦略
食品加工施設を活用した量販店・通販向け販売拡大と市場外チャネルの多様化
南部ペスカメルカードⅡ等の食品加工施設を活用し、量販店・通販事業者向けの加工品販売を拡大。2026年3月期の水産物卸売業売上高は20,801百万円(前期比3.9%増)と増収を達成しており、加工施設稼働が売上増加に貢献している。
冷凍・塩干部門の取扱数量は2026年3月期に16,328トン(前期比10.1%増)、売上高11,058百万円(前期比5.1%増)と拡大。量販店等への積極的な販売により、鮮魚部門の数量減少を補完する形で全体売上を牽引している。
ムダな経費の削減を経営方針として掲げ、2027年3月期は魚価上昇・人件費・物流費増加が見込まれる中でも売上高21,200百万円(前期比1.1%増)を目標とする。不良債権処理の進展(貸倒引当金戻入)もコスト改善に寄与してきたが、2027年3月期は一過性効果の剥落により減益予想。
最終更新: 2026年7月19日

