事業内容
市光工業は1903年創業、自動車用ヘッドランプ・信号灯等の照明製品を中心に製造・販売する自動車部品メーカーである。国内では厚木・藤岡の2製造所を主力拠点とし、海外はマレーシア・インドネシア・タイの連結子会社3社を通じてアセアン市場をカバーする。
主要顧客はトヨタ自動車グループ(売上高の43.8%)および日産自動車グループ(同11.6%)。2017年にフランスの自動車部品大手ヴァレオ・エス・イーの連結子会社となり、共同研究開発・共同調達・シェアードサービス等のシナジーを活用しながら事業を展開している。
2025年8月にはインドのTata AutoComp Systems Limitedとの50:50合弁契約を締結し、新興国市場への地理的拡大を進めている。
ビジネスモデル
自動車メーカーからの受注に基づき照明製品を設計・製造・納入する典型的なTier1サプライヤーモデルを採る。新製品立上げ時には金型収益を計上し、量産フェーズでは価格転嫁交渉・不良率改善・生産性向上によって利益率を確保する。
研究開発費は当期5,588百万円を投じ、LEDヘッドランプモジュールやHDライティング等の高付加価値製品開発を継続している。運転資金は内部資金を基本とし、必要に応じて親会社ヴァレオからの借入を活用する。
企業の強み
親会社ヴァレオ(議決権61.11%保有)との共同研究開発・共同調達・経理シェアードサービス・ITシステム統合を実施。先端技術へのアクセスとスケールメリットによるコスト低減を同時に享受しており、2025期の持分法による投資利益2,035百万円がその一端を示している。
トヨタ自動車グループ向け売上高は前期41,872百万円から当期51,334百万円へ22.6%増加し、売上高構成比も33.4%から43.8%へ上昇した。主力顧客との取引深化が収益安定性を高めている。
2025期は売上高が前期比6.7%減の117,089百万円となった一方、売上原価率の0.4%低下と販管費比率の0.7%低下により営業利益は5,815百万円(前期比19.1%増)、当期純利益は6,203百万円(前期比38.8%増)を達成。価格転嫁推進と不良率改善・生産性向上が奏功した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023期145,897百万円をピークに2024期125,544百万円、2025期117,089百万円と2期連続で減少したが、2026年12月期第1四半期は29,429百万円(前年同期比4.2%増)と増収に転じた。国内の堅調な自動車輸出とアセアン(タイのピックアップ車回復)が牽引。
一方、営業利益は1,165百万円(前年同期比19.1%減)と一過性要因により減益。販管費が3,985百万円(前年同期3,556百万円)に増加したことが主因とみられる。
外部要因として中東情勢緊迫化による原材料・物流コスト上昇、為替差損107百万円(前年同期42百万円)の拡大が経常利益を圧迫。純利益は前期の事業構造改善費用(365百万円)消滅により1,245百万円(前年同期比21.2%増)と増益。
通期は営業利益5,900百万円(前期比1.4%増)を予想するが、経常・純利益は大幅減益予想。
成長戦略
2030年売上高135,000百万円・営業利益率7%以上を目指し高付加価値化と地域拡張を推進
LED・マトリクスビーム等の高機能照明製品の受注拡大により製品ミックスを改善し、収益性向上を図る。EV・SDV(ソフトウェア定義車両)普及を機会として捉え、次世代照明システムへの対応を強化する。
不良率改善・生産性向上・調達コスト削減を継続推進し、市況変動に左右されない強靭な経営基盤を構築する。2025期の事業構造改善費用計上を経て、2026年12月期第1四半期は当該費用がゼロとなり構造改善の成果が純利益に反映されている。
2025年8月にTata AutoComp Systems Limitedとの合弁契約を締結し、インド自動車市場への参入を目指す。アセアンに続く新たな成長市場として位置づけ、地理的分散による収益基盤の多様化を図る。
事後交付型株式報酬制度(財務業績・サステナビリティ・ダイバーシティ条件連動)を運用。2026年6月1日払込で取締役4名・執行役員4名に計55,316株(発行価格515円)を交付し、企業価値向上へのインセンティブを付与する。
最終更新: 2026年7月17日

