事業内容
株式会社タチエスは1954年創業の自動車座席及び座席部品の専業メーカーで、東京証券取引所プライム市場上場。当社グループは連結子会社26社・関連会社8社で構成され、日本・北米・中南米・中国・東南アジアの5セグメントで事業を展開する。
主要顧客はメキシコ日産自動車会社(売上高比18.1%)、三菱自動車工業(同15.7%)、本田技研工業(同10.3%)で、自動車メーカーへの直接納入モデルを採る。2026年3月期の連結売上高は269,009百万円。
後発事象としてTOYO H&Iグループの子会社化を決議し、事業規模の大幅拡大を目指している。
ビジネスモデル
自動車メーカーから車種ごとに受注し、各地域の製造拠点で座席・座席部品を生産して直接納入するティア1サプライヤーとして機能する。納品リードタイムが極めて短期間であるため受注残管理は行わず、顧客の生産計画に連動した需要連動型の収益構造を持つ。
日本で確立したコア技術・標準フレームをグローバル展開することで開発効率化と低コスト化を実現し、各地域の開発拠点が現地顧客ニーズに対応する相互補完体制を構築している。
企業の強み
日本・北米・中南米・中国・東南アジアの5セグメントで製造・販売拠点を持ち、米国ミシガン州・メキシコ・中国・ベトナムに開発拠点を設置。日本の技術・モノづくりセンターでコア技術を確立・標準化し世界展開する体制を構築しており、2026年3月期の合計販売高は269,009百万円に達する。
グローバルで多様な車種に共通使用できる汎用性の高い軽量・低コスト標準フレームを開発し、日本・中国・メキシコで採用実績を持つ。シートシステム全体を一括提案できる『グローバル・シート・システム・クリエーター』としての提案力が顧客採用につながっており、本田技研工業向けN-ONE eや上海汽車向け智己LS9など新型車への生産立ち上げ実績を有する。
2022年3月期に営業損失4,203百万円を計上した後、コスト削減・不採算事業の収益改善・固定費最適化を推進。2026年3月期の営業利益は11,604百万円(営業利益率4.3%)と4期連続で改善し、北米・中国セグメントも黒字転換を達成した。
営業活動によるキャッシュ・フローは135,830百万円(前期比39.1%増)と資金創出力も向上している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の292,947百万円をピークに2期連続減収となり、2026年3月期は269,009百万円(前期比5.7%減)。中国セグメントの売上高が前期比50.6%減(連結除外の影響含む)となったことが主因。
一方、営業利益は2022年3月期の損失4,203百万円から2026年3月期の11,604百万円へ5期連続改善を達成。外部要因として円安(1米ドル=152円前提)が海外収益の円換算額を押し上げた面もあるが、売上原価率の改善と全セグメント黒字化が収益構造転換を裏付ける。
営業CFは13,583百万円(前期9,764百万円)と大幅改善し、自己資本比率は61.6%(前期56.0%)に上昇した。
成長戦略
TVE Wave2で「深化・進化・新化」の3シンカを軸に2030年度売上高4,000億円規模を目指す
2026年4月10日に東洋シート・Toyo Seat USA・南条装備工業等を含むTOYO H&Iグループの株式取得を決議。吸収分割方式で設立した持株会社を子会社化し、シート・内装事業の規模拡大と顧客基盤強化を図る。影響額は精査中で2027年3月期予想に未織り込み。
中期経営計画TVE Wave2において、インドでの新規顧客獲得が成果として挙がっており、新興市場での事業基盤構築を推進。2030年度売上高4,000億円規模への引き上げに向けた新規受注獲得の一環として位置づけられている。
プライベート空間と没入感による新たな体験価値を提供するコンセプトモデル「スマートシェル」を2025年開催の人とくるまのテクノロジー展に出展し好評を獲得。自動車シートで新たな価値提供を提案する「進化」戦略の具体的成果として位置づけられる。
自動車シート事業に次ぐ新しい事業の創出に取り組む「新化」戦略として、候補事業領域を絞り込み事業参入検討を進めている段階。具体的な事業名・規模・時期は現時点で未開示。
TVE Wave0/1で取り組んできた収益改善を維持・向上させる方針のもと、2026年3月期に全5セグメントの黒字化を達成。2027年3月期は営業利益12,000百万円(前期比3.4%増)を予想し、配当下限103.8円・総還元性向50%以上の株主還元方針を継続する。
最終更新: 2026年7月19日

