事業内容
日産車体株式会社は、親会社である日産自動車株式会社からの受注に基づき、乗用車・商用車・小型バス・特装車の製造・販売を行う自動車製造専業企業である。当社及び子会社6社で構成されるグループは、自動車関連を中核セグメントとし、設備メンテナンス・情報処理・人材派遣の支援セグメントを内包する。
主要製品は中近東向け「パトロール」・北米向け「アルマーダ」等のプレミアムSUV、国内向け商用車「キャラバン」「NV200バネット」、高規格救急車「パラメディック」等の特装車に及ぶ。売上高の98.2%を日産自動車1社が占める典型的な専属製造会社であり、東京証券取引所スタンダード市場に上場している。
ビジネスモデル
日産自動車から生産計画を受け、自社の生産能力を勘案して製造・販売する受託型モデルが収益の根幹である。売上高403,800百万円のうち396,706百万円(98.2%)が日産自動車向けであり、台数・車種構成・売上単価が収益を直接規定する。
設備メンテナンス・情報処理・人材派遣の各子会社はグループ内需要を主な収益源とし、製造機能を補完する垂直統合型の内製体制を形成している。
企業の強み
日産自動車から商用車・プレミアムカー・特装車の車両開発委託を受け、開発部門が設計から量産まで一貫して担う体制を有する。当期の研究開発費は71百万円(自動車関連)を計上し、キャラバンへのクラス初インテリジェントクルーズコントロール採用など商品力強化の実績を積み上げている。
特装車事業において、高規格救急車「パラメディック」が3年連続で計画台数を達成し、過去最高受注を記録した。日産車の車両架装に留まらず、軽自動車からトラックまで幅広いブランドの架装事業を展開しており、特装車分野での独自の技術・営業基盤を構築している。
当期末の自己資本比率は66.3%(前期65.4%)と高水準を維持し、運転資金・投資資金を全額自己資金で賄う無借金経営を継続している。現金及び現金同等物は869億円を保有し、132億円の設備投資を自己資金で実施するなど、財務の健全性が確認される。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期215,359百万円から2026年3月期403,800百万円へ5期で約1.9倍に拡大。営業利益は2022年3月期の△3,538百万円から2026年3月期14,161百万円へ黒字転換・急拡大し、営業利益率は3.5%に達した。
新型パトロール・新型アルマーダの生産本格化(台数・構成差+38億円)と生産効率向上(合理化ほか+52億円)が主要ドライバー。外部要因として米国通商問題による間接的影響と中東情勢の不確実性が第4四半期に顕在化したが、当期業績への影響は限定的だった。
2027年3月期は新型車の生産開始により売上台数のさらなる増加を見込み、売上高448,000百万円・営業利益21,000百万円を予想している。
成長戦略
新型車立ち上げ・湘南工場転換・特装車拡大で2027年3月期の大幅増益を目指す
2027年3月期に新型車の生産を開始し、売上台数を2026年3月期154,668台からさらに増加させる計画。建設仮勘定が前期6,595百万円から11,437百万円へ増加しており、新型車向け生産設備投資が進行中。
湘南工場を完成車生産からサービス部品生産に転換し、収益構造を最適化する。転換に伴い減損損失2,855百万円・事業構造改革引当金2,129百万円を計上済み。約800人を対象とした人事施策を実施中。
高規格救急車(パラメディック)で過去最高受注を達成。乗用車・商用車に依存しない高付加価値製品の拡大により、日産自動車向け依存度の低減と収益多様化を図る。
2026年3月期の営業利益変動要因として合理化ほか+52億円を実現。2027年3月期も継続的な生産効率向上により営業利益21,000百万円(営業利益率4.7%)を目指す。
最終更新: 2026年7月19日

