事業内容
ヒロセ通商株式会社は2004年設立のオンライン外国為替証拠金取引(FX)専業業者で、主力ブランド「LION FX」を通じ個人投資家向けにFX取引サービスを提供する。1,000通貨単位からの少額取引・手数料無料・低スプレッドを特徴とし、初心者から上級者まで幅広い顧客層を対象とする。
連結子会社JFX株式会社を含む国内2ブランド体制に加え、英国・マレーシア・アンティグア・バーブーダに海外子会社を展開。さらに他の金融商品取引業者向けホワイトラベルサービスの提供、店頭証券CFD・店頭商品CFD取引も手掛け、グループ全体で金融商品取引事業を展開している。
ビジネスモデル
顧客からの注文に対し、20社以上のカウンターパーティから最良レートを取得してカバー取引を行い、顧客約定価格とカバー先約定価格の差額(スプレッド差益)を収益とする。売買注文が社内でマッチングする「為替マリー」ではスプレッド全額が収益となり、カバー取引比率を下回る分だけリスクを取る構造。
スワップポイント差益も収益源の一つ。自己ポジションを極力保有しないリスク中立型の運営方針により、安定的な収益確保を図る。
企業の強み
国内外の実績ある銀行等金融機関20社以上と取引関係を構築し、複数カウンターパーティが提示する中で最良のレートを顧客へ配信する仕組みを持つ。これにより競争力の高いスプレッドを継続的に提供でき、2026年3月期の外国為替受入証拠金は88,359百万円(前期比14.4%増)と顧客基盤の厚みが数値で示されている。
一般的な10,000通貨単位ではなく1,000通貨単位を主とし、手数料無料で取引可能な環境を2008年の「LION FX」提供開始以来継続して提供。少額資金での参入障壁を下げることで初心者を含む幅広い顧客層を獲得し、特定の大口顧客に依存しない分散した営業基盤を構築している。
外部委託ではなく自社従業員が24時間対応の顧客サポートを実施。長期の研修・テスト期間を設けてサポート品質の均一化を図るとともに、月1回程度のペースで取引ツールをバージョンアップし、顧客の「お客様の声」を反映する開発サイクルを維持している。「反省会」セミナー等の独自施策も顧客定着に寄与している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
営業収益は2024年3月期の10,713百万円をピークに2025年3月期10,204百万円へ落ち込み、2026年3月期は10,491百万円と微回復したが、ピーク比では依然2.1%低い水準。営業利益は2024年3月期4,256百万円から2026年3月期3,040百万円へ2期で28.6%減少。
当期純利益も2,061百万円と2024年3月期2,925百万円比で29.5%減。外部要因として、2026年3月期は円高進行(一時139円台)と円安回帰(期末158円台)が混在し、ボラティリティ環境は概ね良好だったが、販売費及び一般管理費の増加(前期比4.3%増)と法人税等の増加(前期840百万円→1,031百万円)が利益を圧迫した。
営業CFはマイナス443百万円と前期の2,242百万円から大幅悪化しており、顧客証拠金増加に伴う預託金積み増しが資金を拘束している。
成長戦略
CFD拡充・ツール高度化・国内顧客基盤深耕による収益多様化と取引活性化
LION CFDにおける純金現物プレゼントキャンペーンを開始し、昨今の安全資産への関心高まりを取り込む施策を展開。CFDの顧客口座数・受入証拠金・取引高は現時点で外国為替取引比で重要性が小さいとして非開示だが、収益多様化の柱として育成中。
LIONチャートPlus+にリアルタイムボラティリティ・ポジション比率表示機能を追加、LION FX C2にスワップシミュレーション・収益カレンダー・計測ツールを追加。月次レベルの機能改善により既存顧客の取引継続と新規顧客の獲得を促進する。
2025年4月にトルコリラ/円のスプレッド縮小を実施。食品・冷凍庫・純金現物プレゼント等の独自キャンペーンと新規口座開設キャッシュバックを組み合わせ、既存・新規双方の取引意欲を喚起。外国為替受入証拠金は前期比14.4%増の88,359百万円に拡大。
LION PAYMENT UK LTD.の連結除外、HIROSE FINANCIAL UK LTD.等のLION Trader・MT4サービス終了を実施。不採算・低収益海外事業を整理し、国内FX事業への経営資源集中を図る。連結業績への影響は軽微と説明。
最終更新: 2026年7月19日

