事業内容
KOA株式会社(コーア株式会社)は1940年創業の電子部品メーカーで、抵抗器・IC・複合部品等の開発・製造・販売を主事業とする。国内では長野県伊那市を中心に複数の生産拠点を持ち、高付加価値・高精度製品の供給拠点として機能する。
海外はアジア(台湾・中国・マレーシア・シンガポール・香港)、アメリカ(ペンシルバニア州)、ヨーロッパ(ドイツ)に子会社を展開し、グローバルな生産・販売体制を構築している。主要顧客は自動車・産業機器・AIサーバー・データセンター向けメーカーで、東京証券取引所プライム市場および名古屋証券取引所プレミア市場に上場している。
ビジネスモデル
日本セグメントが高付加価値製品の生産を担い、アジアセグメントが生産コスト優位性を活かした量産を担う二層構造の製造体制を持つ。製品は各地域の販売子会社を通じて自動車・産業機器・AI関連機器メーカー等に直接販売するB2Bモデルで、デザインイン活動による顧客への先行提案が受注獲得の鍵となる。
研究開発はドイツのVIA electronic GmbHを含む日欧拠点で実施し、研究開発費は2026年3月期に3,631百万円を計上している。
企業の強み
1940年創業以来、マレーシア(1973年)・米国(1980年)・ドイツ(1995年)・中国(1992年・2000年)等に順次拠点を設立し、現在は子会社19社・関連会社2社で構成されるグローバルネットワークを保有。2026年3月期の全セグメント合計受注高は75,449百万円(前年同期比118.9%)と回復基調にある。
国内拠点(伊那市・阿南町・箕輪町等)が高精度・高信頼性製品を担い、アジア拠点(台湾・中国・マレーシア)が量産コスト優位性を担う分業体制を確立。2026年3月期の日本セグメント生産高は51,030百万円(前年同期比115.3%)、アジアセグメント生産高は21,124百万円(同109.7%)と両拠点が増産基調にある。
長年培った抵抗器基盤技術を活かし、大電流用金属チップ・超小型高精度薄膜チップ抵抗器・高電圧検出デバイダー等の新製品開発を推進。ドイツのVIA electronic GmbHを活用した欧州顧客へのデザインイン活動も展開しており、2026年3月期の研究開発費は3,631百万円(前年同期比1.5%増)を計上している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期の75,072百万円をピークに2期連続で減少したが、2026年3月期は72,287百万円と前期比12.7%増に転じた。営業利益は2025年3月期の1,176百万円から3,646百万円へ3.1倍に回復し、当期純利益も260百万円から3,951百万円へ大幅改善した。
外部要因として産業機器向け在庫調整の一巡と自動車向け電動化需要の回復が追い風となった。営業CFは訂正後9,069百万円を確保し、設備投資額も5,954百万円(訂正後)に縮小したことでフリーキャッシュフローが改善している。
ただし減価償却費7,096百万円(訂正後)の高水準が続く中、ピーク利益水準への回帰には時間を要する見通しである。
成長戦略
EV・CASE対応供給体制の構築とセンサ新事業創出で2030ビジョンを実現
面実装抵抗器を中心に自動車の電動化・CASE対応製品を強化し、欧米・アジアの主要自動車メーカーへのデザインイン活動を拡大する。ヨーロッパセグメントでは2026年3月期第3四半期累計の受注高が前年同期比13.1%増と先行指標が改善している。
アジアセグメントのマレーシア拠点に大規模設備投資を実施し、抵抗器の生産能力を増強する。2024年3月期に有形固定資産取得25,072百万円を投じた大型投資フェーズは完了し、2026年3月期は5,954百万円(訂正後)に縮小。投資回収フェーズへの移行が進んでいる。
2027中期経営計画(フェーズ2)においてROIC経営を軸とした利益成長と効率向上を推進する。デジタル技術活用による生産性向上(KPS活動の『しんか』)および品質・信頼性強化によるデザインイン活動の拡大を通じて、資本効率の改善を図る。
抵抗器技術を応用したセンサ分野への新事業展開を推進し、2030ビジョンの実現に向けた新たな収益柱の育成を目指す。現時点では売上貢献は限定的であり、中長期的な事業化が課題となっている。
最終更新: 2026年7月19日

