事業内容
株式会社エンプラスは1962年創業のエンジニアリングプラスチック精密加工の専業メーカーで、当社および子会社22社で構成されるグローバルグループを形成する。主力のSemiconductor事業ではICテスト用ソケット・バーンインソケットを製造販売し、AI用サーバー向けGPUメーカーやハイパースケーラーを主要顧客とする。
Life Science事業では遺伝子検査用精密部品を米国・欧州向けに展開し、Digital Communication事業では光通信デバイス・LED用拡散レンズを手掛ける。Energy Saving Solution事業では高精度ギヤを核に自動車・OA・住宅機器向け部品を供給する。
製造拠点は日本・シンガポール・マレーシア・タイ・ベトナム・中国・フィリピン・インドネシア・米国に及び、グローバルな生産・販売体制を構築している。
ビジネスモデル
エンジニアリングプラスチックの超精密成形・加工技術をコアに、半導体テスト・ライフサイエンス・光通信・自動車の4事業領域で高付加価値製品を供給する。顧客の課題解決に向けたソリューション提供を重視し、イノベーションセンターを通じた試作・検証・評価の一体提供で顧客価値を高める。
売上の約55%をSemiconductor事業が占め、Energy Saving Solution事業(約33%)が安定収益を補完する構造。無借金経営と自己資本比率87.8%の強固な財務基盤を維持しながら、自己資金による設備投資・研究開発投資を継続する。
企業の強み
ICテスト用ソケット・バーンインソケットは大手GPUメーカーおよびハイパースケーラー向けASIC関連で採用実績を持つ。2026年3月期のSemiconductor事業売上高は23,603百万円(前期比46.4%増)、セグメント営業利益は4,974百万円(前期比225.2%増)と急拡大しており、受注残高も7,237百万円(前期比384.3%増)と高水準にある。
高密度・高周波対応ソケットの技術開発を継続的に推進している。
2026年3月期末の自己資本比率は87.8%、現金及び現金同等物は23,799百万円を保有する。負債総額は8,475百万円にとどまり、実質無借金経営を維持している。創業以来財務の安定性を重視し、パンデミックや災害等の予測不可能な事象が発生しても事業継続できる体制を維持してきた実績を有する。
子会社22社を通じ、シンガポール・マレーシア・タイ・ベトナム・フィリピン・インドネシア・中国・米国・欧州(英国・ドイツ・イタリア・イスラエル)に製造・販売拠点を展開する。各事業セグメントが独自の海外製造・販売子会社を持ち、顧客所在地に近接した供給体制を構築している。
この多拠点体制が地政学リスク分散と顧客対応力の両立を可能にしている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期の42,240百万円をピークに2024年3月期に37,805百万円へ落ち込んだ後、2025年3月期38,069百万円、2026年3月期42,540百万円と回復基調が加速している。営業利益率は14.5%(2026年3月期)と2023年3月期の20.9%には及ばないものの、2024年3月期の12.3%から着実に改善している。
Semiconductor事業がAI関連需要という外部要因の追い風を受けて急拡大した一方、Digital Communication事業は既存製品の需要急減と新製品立ち上げ遅れにより赤字転落し、セグメント間の業績格差が拡大している。自己資本は62,367百万円(前期比+7,097百万円)に増加し、財務基盤はさらに強化された。
成長戦略
AI関連需要取り込みとソリューションプロバイダー化による事業領域拡大と持続成長
大手GPUメーカー向けに加え、ハイパースケーラー向けASIC関連ソケットの受注拡大を推進。2026年3月期に売上高23,603百万円・セグメント営業利益4,974百万円を達成し、中期的な需要増加傾向が継続する見通し。競争力強化に向けたソリューション開発と技術開発への投資を積極化している。
AI用途等ハイエンド領域向け次世代光通信製品(光トランシーバー用レンズ・レンズコネクタ関連)の量産を開始したが、既存製品の大幅減少と立ち上げ遅れにより2026年3月期は赤字転落。データセンター向け需要拡大を背景に中期的な新規顧客・新規製品の増加傾向を見込み、事業再構築費用187百万円を計上しながら構造転換を推進中。
低騒音・高効率ギヤソリューションビジネスの拡販により2026年3月期売上高14,201百万円(前期比+1.4%)、セグメント営業利益1,041百万円(前期比+26.9%)を達成。自動車の電装化トレンドを背景に中期的な増加傾向を見込み、新領域における新商材開発にも取り組んでいる。
中期経営計画に基づき「ソリューションプロバイダーとして顧客価値を創出する」を方針として掲げ、成長領域への設備投資(有形固定資産取得5,524百万円・無形固定資産取得1,567百万円、2026年3月期)と人材への積極投資を継続。建設仮勘定が9,252百万円に積み上がっており、次期以降の生産能力拡充が見込まれる。
最終更新: 2026年7月19日

