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ファナック株式会社

6954東証プライム電気機器

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ファナック株式会社6954

事業内容

ファナック株式会社は1972年に富士通のNC部門が分離独立して設立され、CNCシステム(CNCおよびサーボモータ)・レーザを中核とするFA部門、産業用ロボット(ロボットシステムを含む)を手掛けるロボット部門、小型切削加工機(ロボドリル)・電動射出成形機(ロボショット)・ワイヤ放電加工機(ロボカット)からなるロボマシン部門、およびサービス部門の4部門を単一セグメントで運営する。主要顧客は工作機械メーカー、自動車・EV関連メーカー、一般産業向け製造業者であり、日本・米州・欧州・中国・インドを含むグローバル拠点網を通じて製品の開発・製造・販売・保守サービスを一体的に提供している。

2026年3月期の連結売上高は857,831百万円に達する。

ビジネスモデル

CNCシステムという基盤技術を自社開発し、その応用としてロボット・ロボマシンを展開する垂直統合型モデルを採る。製品販売による一時収益に加え、「サービスファースト」を掲げ顧客が製品を使用する限り保守サービスを提供し続けることで安定的な継続収益を確保する。

2026年3月期のサービス部門売上高は141,143百万円(全体の16.5%)を占め、景気変動の影響を受けやすい生産財販売を補完する収益構造となっている。

企業の強み

1956年に日本民間初のNCとサーボ機構を開発して以来、CNCとサーボを基盤技術として蓄積し続けており、シーメンス社との特許相互供与契約(1983年締結)に象徴される技術的地位を確立している。2026年3月期の研究開発費は44,959百万円に上り、FA・ロボット・ロボマシン全分野でAI・IoT・デジタルツイン技術を積極適用した新商品を継続投入している。

2026年3月期末の現金及び現金同等物は615,075百万円に達し、当期の所要資金は全て自己資金で充当、外部調達ゼロを維持している。純資産合計は1,882,947百万円に対し負債合計は207,753百万円と財務健全性は極めて高く、景気変動局面でも研究開発・設備投資を継続できる財務的耐久力を有する。

米州・欧州・韓国・台湾・インド・中国に現地法人を展開し、「壊れない・壊れる前に知らせる・壊れてもすぐ直せる」商品開発と「サービスファースト」体制により顧客の稼働率向上を支援する。サービス部門は2026年3月期に前期比4.4%増の141,143百万円を計上しており、インストールベースの拡大に伴い安定的に成長する構造を持つ。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期のロボット部門は前期比+14.9%と全部門最大の成長を記録したが、その主因は中国でのEV関連・一般産業向け需要拡大である。中国売上の構成比拡大は、米中貿易摩擦や関税強化の影響を直接受けるリスクを高める。

短信でも「米国政府による関税の影響」を不透明要因として明示しており、中国・米州の需要動向が今後の業績の主要変動要因となる点に留意が必要である。

2026年3月期は売上高857,831百万円(前期比+7.6%)、営業利益183,763百万円(同+15.7%)、営業利益率21.4%と、2024年3月期の落ち込みから明確に回復した。2027年3月期の会社予想は売上高909,600百万円(+6.0%)、営業利益212,200百万円(+15.5%)と続伸を見込む。

為替前提は1ドル150円・1ユーロ170円であり、円高進行時には下振れリスクが生じる点は注視が必要である。

2026年3月期のロボマシン部門は129,600百万円(前期比▲5.8%)と唯一の減収部門となった。ロボドリルは国内・中国以外のアジアで低調、ロボショットは中国・台湾での需要減が響いた。

また、FA部門では欧州の工作機械需要が低調と明記されており、欧州景気の回復が遅れる場合はFA・ロボマシン両部門への下押し圧力が継続するリスクがある。これらの地域・製品別の偏りは引き続き注視すべき課題である。

成長戦略

IoT・AI全商品適用、中国・インド需要取込み、生産拠点複数化で中長期成長

最新の制御・デジタル・IoT・AI技術を全商品に適用し、顧客の生産効率向上と付加価値創出を推進。熟練労働者不足に対応した使いやすさ重視の商品開発も並行して進め、競争力強化を図る。

中国ではEV関連・一般産業向けロボット需要が2026年3月期に大きく拡大し、ロボット部門の前期比+14.9%成長を牽引。インドでは設備投資に積極的な産業からのCNCシステム需要が旺盛で、FA部門の成長に貢献。両市場での継続的な拡販を推進する。

地政学リスクや自然災害に対応するため、生産拠点・サービス拠点の複数化と部品調達先の複数化を推進。適切な部品在庫の保有によりいかなる状況でも顧客への供給責任を果たす体制を構築する。

ITを活用したCX(顧客体験)重視のサービス体制をグローバルに強化し、顧客満足度向上と稼働率改善を実現。2026年3月期のサービス部門売上高は141,143百万円(前期比+4.4%)と安定成長を継続している。

2026年4月24日の取締役会で上限1,000万株・500億円の自己株式取得を決議(取得期間2026年5月〜2027年4月)。配当性向60%を基本方針として維持し、2026年3月期の年間配当は107円09銭(前期比+12円70銭)と増配を実現した。

最終更新: 2026年7月19日