事業内容
千代田インテグレ株式会社は1955年創業、東京証券取引所スタンダード市場上場の精密部品メーカーである。OA機器・AV機器・通信機器・AE機器向けの機構部品・機能部品を、日本・東南アジア・中国・北米・欧州の5極22社体制で製造・販売する。
主要顧客は各地域の電気メーカーであり、シンガポール統括法人を中心とした東南アジア多拠点展開と、香港統括法人を中心とした中国5拠点体制が収益の柱を担う。国内では独自素材LCPフィルムの研究開発も推進しており、次世代高付加価値製品への展開を図っている。
ビジネスモデル
国内親会社が製品・技術を開発し、海外子会社16社にロイヤリティを課す一方、各現地法人が地域電気メーカーから受注し現地製造・販売する「連邦経営」モデルを採用。東南アジアはシンガポール統括法人が製造を域内子会社に委託し販売する中間持株機能を担い、北米は米国法人がメキシコ法人に加工委託する二層構造で効率化を図る。
設備投資は自己資金を基本とし、有利子負債残高は1,543百万円と財務健全性を維持している。
企業の強み
日本・東南アジア(マレーシア・タイ・インドネシア・ベトナム・フィリピン)・中国(5拠点)・北米(米国・メキシコ2社)・欧州(スロバキア・ドイツ)に22社を展開。地産地消型の製造販売体制により、顧客の生産拠点に近接した供給が可能で、特定地域リスクを分散している。
2025年12月期末時点で現金及び現金同等物16,795百万円を保有し、有利子負債残高は1,543百万円にとどまる。純資産合計40,284百万円に対し負債合計は10,026百万円と自己資本比率は高水準を維持。設備投資は原則自己資金で賄う財務方針を堅持している。
スーパーエンプラLCP(液晶ポリマー)樹脂のフィルム化技術を独自開発し、5G・ミリ波通信向け低誘電回路基板用フィルム「ペリキュールLCP0050BX-B」「ペリキュールLCP0025BX-B」のスペックイン活動を展開。研究開発費59百万円を日本セグメントに集中投下し、高耐熱LCPフィルムの開発も継続中。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2025年12月期は売上高38,042百万円・営業利益2,972百万円と2024年12月期(売上高41,214百万円・営業利益3,856百万円)から大幅反落した。2026年12月期第1四半期は売上高9,418百万円(前年同期比5.4%増)・営業利益679百万円(同15.8%増)・経常利益762百万円(同23.4%増)と回復基調に転じた。
ただし四半期純利益1,230百万円(同292.4%増)は投資有価証券売却益1,124百万円(特別利益)が主因。外部環境として米国のAI関連投資拡大・東南アジアのサプライチェーン再編が追い風となる一方、米国通商政策を巡る地政学リスクや中国の不動産市場低迷・個人消費の回復鈍化が逆風として継続している。
通期予想は売上高40,000百万円・営業利益3,000百万円・純利益3,500百万円(前回予想2,600百万円から上方修正)。
成長戦略
中期経営計画(2025-2027)で高付加価値ビジネス拡大と2027年12月期売上高450億円を目指す
中期経営計画(2025-2027)の中核施策。AE機器向けを中心に主要顧客との関係強化とシェア拡大を推進。独自加工技術の複合化により単品部品から高付加価値複合製品へ移行し、収益性向上を図る。2026年12月期第1四半期では日本・東南アジアのAE機器向けが好調で施策の効果が一部顕在化している。
管理部門のデジタルトランスフォーメーションを通じて間接コストを削減し、営業・企画・提案業務へのリソースシフトを図る。販売費及び一般管理費は2026年12月期第1四半期に1,852百万円(前年同期1,801百万円)と増加しており、投資フェーズが継続している。
2026年12月期第1四半期に304,000株・約1,051百万円の自己株式を取得。期中平均株式数の減少により1株当たり利益を改善し、ROE向上を図る。年間配当予想は160円(前期実績と同額)を維持しており、株主還元の継続性を確保している。
中国は半導体不足によるゲーム機器向け低調・OA/AV機器の落ち込みで2026年12月期第1四半期の売上高が前年同期比9.7%減・営業利益が同33.9%減と低迷。中国政府のインフラ投資拡大や主要顧客との関係強化を通じた回復を目指すが、不動産市場低迷・個人消費の回復鈍化が外部要因として継続しており、回復時期は不透明。
最終更新: 2026年7月17日

