コーセル株式会社 logo

コーセル株式会社

6905東証プライム電気機器

コーセル株式会社 logo
コーセル株式会社6905

事業内容

コーセル株式会社は1969年創業、富山市に本社を置く直流安定化電源の専業メーカーである。ユニット電源・オンボード電源・ノイズフィルタ・PRBX製品の4製品区分を展開し、半導体製造装置・FA機器・医療機器・通信機器・鉄道・航空等の幅広い産業向けに供給する。

グループは当社を含む子会社21社で構成され、日本・北米・欧州・アジア・中国の5セグメントで製造・販売を行うグローバル体制を有する。2024年4月にはLITE-ON TECHNOLOGY CORPORATIONと資本業務提携を締結し、同社が筆頭株主となった。

東京証券取引所プライム市場上場。

ビジネスモデル

日本・欧州・中国の3拠点で製造し、北米・アジアを含む5地域の販売網を通じて直流安定化電源を供給する。汎用性の高いカタログ品を主軸とすることで開発効率と在庫管理を両立し、半導体製造装置・医療機器等の高信頼性要求市場に対してプレミアム価格での販売を実現する。

目標とする連結営業利益率は15%以上であり、過去には16.7%(2024年5月期)を達成した実績を持つ。

企業の強み

2025年5月期末の自己資本比率は93.1%(前期末86.6%)、現金及び現金同等物は26,552百万円(前期末比11,158百万円増)。LITE-ONとの資本業務提携に伴う第三者割当増資(7,940百万円)・自己株式処分(3,608百万円)により財務基盤が一段と強化された。

無借金経営を維持しており、設備投資・研究開発を自己資金で賄う方針。

日本・欧州(スウェーデン・ドイツ)・中国の3製造拠点と、北米・アジアを含む5地域販売網を保有。2025年5月期の地域別売上高は日本16,523百万円、欧州6,263百万円、アジア2,667百万円、北米1,600百万円と分散されており、特定地域への過度な依存を回避している。

ISO9001(1993年取得)・ISO14001(1999年取得)に基づく品質管理体制のもと、半導体製造装置・医療機器・鉄道・航空等の高信頼性要求分野に製品を供給。医療用電気機器規格対応のUMCSシリーズ・UMPSシリーズ・UMAシリーズ等、規格対応製品の継続的な市場投入により参入障壁の高い市場での地位を維持している。

エンヴァリスの着眼点

2026年5月期の親会社株主帰属当期純損失3,406百万円の大部分は、Powerbox International AB株式譲渡契約締結に伴う関係会社整理損3,644百万円(特別損失)によるもの。営業損失695百万円・経常利益267百万円という実態的な事業損益は、売上高7.4%減という売上低迷に起因する固定費負担の重さを示しており、構造的な問題というよりも売上回復に伴い改善が見込まれる局面にある。

ただし、欧州事業(ヨーロッパセグメント損失723百万円)の収益性改善が次期の重要な観察点となる。

2026年5月期の受注高は27,841百万円(前期比59.8%増)、期末受注残高は12,810百万円(前期比39.7%増)と急回復しており、半導体製造装置関連を中心に需要の実態的な回復が確認できる。会社側は2027年5月期通期売上高28,875百万円(前期比15.3%増)・営業利益1,335百万円・経常利益1,539百万円・当期純利益1,604百万円を予想しており、受注残高の積み上がりを踏まえると達成の蓋然性は相応に高い。

ただし、米国関税の影響顕在化や中東情勢等の外部要因が需要の不確実性として残存する点には留意が必要。

第11次中期経営計画において株主資本配当率(DOE)の下限水準を3.5%から4.5%に引き上げ、2027年5月期の年間配当を60円(前期比5円増)に設定。当期純損失計上期においても年間55円の配当を維持した実績があり、累進配当方針の継続性は財務基盤の厚さに裏付けられている。

一方、Powerbox連結除外後の欧州事業の収益貢献度低下と、固定費削減効果の発現タイミングが次期以降の配当持続性を左右する変数として注目される。

成長戦略

受注急回復を売上に転換しつつ、LITE-ON提携・新製品拡販・欧州再編で収益体質を改善

LITE-ON TECHNOLOGY CORPORATIONとの連携によりCOSELSYNC.ブランド製品およびLITEON製品の拡販を日本・北米・欧州・アジア全拠点で推進。製品ラインナップ拡充により顧客ニーズへの対応力を強化し、既存顧客深耕と新規顧客獲得の両面で売上拡大を図る。

PDAシリーズ・MUシリーズ・DCS1400B・UMHA120F等を2026年5月期に市場投入。FA制御機器・半導体製造装置・医療機器等の幅広い用途向けに製品ラインナップを拡充し、重点顧客への提案活動を強化することで受注残高(12,810百万円)の売上転換を加速する。

2026年5月20日付でPowerbox International ABの株式譲渡契約を締結し、次期中に連結除外を見込む。欧州セグメントは2026年5月期に723百万円の損失を計上しており、Powerbox切り離しにより欧州事業の収益構造を改善。

COSEL EUROPE GmbHを中心とした欧州販売体制を継続する。

第11次中期経営計画においてDOE下限水準を3.5%から4.5%に引き上げ、2027年5月期年間配当を60円(前期比5円増)に設定。業績回復局面においても安定的・継続的な株主還元を実施し、資本効率の向上と投資家からの信頼確保を図る。

最終更新: 2026年7月17日