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ASTI株式会社

6899東証スタンダード電気機器

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ASTI株式会社6899

事業内容

ASTI株式会社は静岡県浜松市を本拠とし、車載電装品(各種ECU・充電器・コーナーセンサ等)、民生産業機器(家電用電子制御基板・通信用スイッチユニット・産業用ロボットコントローラ基板等)、ワイヤーハーネス(四輪・二輪・船舶用)の3事業を展開する。国内拠点に加え、インド2拠点・ベトナム2拠点・中国2拠点・フィリピン1拠点の計8子会社を擁し、グローバルに製造・販売を行う。

主要顧客はヤマハ発動機(売上高比12.6%)、スズキ(同11.8%)、シマノ(同10.3%)など二輪・四輪・マリン関連メーカーが中心。2026年3月期の連結売上高は62,401百万円。

ビジネスモデル

主力収益は顧客から設計・仕様を受け取り製造・納品するOEM/ODM受託製造モデルであり、インド・ベトナム・フィリピン等の低コスト拠点を活用してコスト競争力を確保する。一方、ベトナム・ダナンおよびインド・ハリアナのR&D拠点を強化し、充電器・インバータ・DC/DCコンバータ等の自社ブランド製品の開発・量産比率を高めることで、受託製造依存から脱却し利益率改善を図る構造転換を進めている。

企業の強み

2004年設立のASTI ELECTRONICS INDIA PRIVATE LIMITEDと2017年設立のASTI INDIA PRIVATE LIMITEDの2拠点を保有。2026年3月期にはグジャラート工場で新規商材の生産ライン立上げ、ハリアナ工場の増設を計画通り実施。

ハリアナ工場内にR&D部門を設置し、インド市場向けパワーエレクトロニクス製品の現地設計・現地生産体制を構築している。

2026年3月期の売上構成は車載電装品35.7%、民生産業機器30.3%、ワイヤーハーネス33.5%とほぼ均等に分散。中国ワイヤーハーネス事業撤退による売上減を、民生産業機器の通信用スイッチユニット増加や国内二輪・船外機用ワイヤーハーネスの販売増が部分的に補完し、特定セグメントへの過度な依存を回避している。

2011年から電動車用バッテリー充電器の開発・生産を開始し、2023年4月には電動二輪車用バッテリー充電器の量産を開始。マリン向け双方向DC/DCコンバータ・低速車両向けDC/DCコンバータの量産開発受注を獲得し、48V6kWクラスインバータのインド市場向け現地設計・現地生産も推進中。

研究開発費は2026年3月期に345百万円を投じている。

エンヴァリスの着眼点

2027年3月期の会社予想は売上高58,000百万円(前期比7.1%減)、営業利益1,000百万円(同23.2%減)、経常利益1,000百万円(同24.6%減)と大幅な減収減益を見込む。中国事業撤退による売上剥落に加え、米国通商政策に起因する世界経済の分断、ベトナムにおける米国向け自動車部品輸出減少、中国政府のレアアース輸出規制のインドへの波及など、外部要因として複数の逆風が重なっており、インド事業の拡大が収益を補完できるかが焦点となる。

2026年3月期の車載電装品セグメントは売上高22,267百万円(前期比1.5%増)と微増ながら、自社設計製品販売減に伴う付加価値の減少等により営業利益は361百万円(前期比51.1%減)と半減以下に落ち込んだ。売上規模が最大のセグメントで利益率が急低下しており、自社設計製品の受注維持・拡大が全社収益の鍵を握る構造的課題として残る。

2026年3月期の有形固定資産取得による支出は2,509百万円(前期1,695百万円)と大幅増加し、建設仮勘定も1,812百万円(前期714百万円)と153.9%増加。営業活動によるキャッシュ・フローは4,206百万円(前期5,600百万円)と減少する中、投資支出の拡大により現金及び現金同等物は457百万円減少し3,852百万円となった。

長期借入金残高は7,996百万円と依然高水準であり、インド投資の継続に伴う資金需要と財務健全性のバランスが引き続き注目点となる。

成長戦略

VISION2030でインド・EV・二輪ハーネス・メディカルを重点4事業に据え収益構造を転換

グジャラート工場における新規商材の生産ライン立上げおよびマネサール工場の増設を計画通り推進。VISION2030においてインド売上拡大を最重点事項と位置づけ、ベトナム・インドでの研究開発体制強化も並行して実施。インド四輪市場の成長を取り込む中核施策。

充電器・インバータ・DCDCコンバータ等のEV関連電子部品をVISION2030の重点事業として位置づけ。車載電装品セグメントにおける自社設計製品の付加価値向上を図り、同セグメントの利益率低下(2026年3月期営業利益前期比51.1%減)からの回復を目指す。

日本における二輪・船外機用ワイヤーハーネスの販売増加が2026年3月期のワイヤーハーネスセグメント利益改善(前期比23.5%増)に貢献。VISION2030の重点事業として継続強化し、中国撤退後の売上減少を補完する収益源として育成する。

医療関連製品は2026年3月期に売上高268百万円(前期比8.9%増)を達成。VISION2030の重点事業に位置づけられ経営資源の重点配分が見込まれる。現状は営業損失15百万円(前期18百万円)と赤字継続だが、損失縮小傾向にあり採算化が課題。

中国ワイヤーハーネス事業の撤退を実行し、固定資産売却益605百万円を計上。事業整理損854百万円も発生したが、損失構造の解消によりワイヤーハーネスセグメントの収益性は改善。2027年3月期以降は撤退効果が通期で反映される見込み。

最終更新: 2026年7月19日