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パルステック工業株式会社

6894東証スタンダード電気機器

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パルステック工業株式会社6894

事業内容

パルステック工業は静岡県浜松市を拠点とする精密電子機器メーカで、電子技術・精密機械技術・ソフトウェア・光波センシング技術を複合した製品開発を強みとする。事業はX線残留応力測定装置関連、ヘルスケア装置関連、光応用・特殊機器装置関連の3セグメントで構成される。

主要顧客は輸送機器・医療機器・半導体製造装置関連メーカであり、自社製品の販売に加え、優良顧客からの受託開発・受託製造も事業の両輪として位置付けている。米国子会社Pulstec USA, Inc.を通じた北米・欧州・アジアへの海外展開も行っている。

ビジネスモデル

自社開発のポータブル型X線残留応力測定装置(μ-X360J等)を国内外に販売するプロダクト事業と、主要顧客(株式会社日立ハイテク等)からの仕様に基づく受託開発・受託製造事業を組み合わせる。デモ機貸出・計測サービス・保守メンテナンスによるリカーリング収益も確保しており、景気変動に対して複数の収益源で対応できる構造を志向している。

企業の強み

ポータブル型X線残留応力測定装置μ-X360Jを中核とするX線残留応力測定装置関連セグメントは、2026年3月期売上高893百万円に対しセグメント利益347百万円、利益率38.9%と極めて高い収益性を誇る。国内外の展示会・ウェビナー・ショールームデモを通じた認知度向上活動により新規顧客からの引合いも活発に継続している。

光応用・特殊機器装置関連セグメントでは主要顧客・株式会社日立ハイテクへの販売高が2026年3月期618百万円(前期比29.4%増)と拡大し、同社向け売上が全体の24.2%を占める。2025年3月期完了のクリーンルーム全面改修による生産能力増強を背景に、引合い好調が継続しており、受注残高も512百万円を維持している。

2026年3月期末の自己資本比率は79.9%と高水準であり、有利子負債残高はゼロ。現金及び預金は期中2億7百万円増加し、営業キャッシュ・フローは582百万円を獲得した。

インタレスト・カバレッジ・レシオは36,298倍に達しており、財務的な安全性は極めて高い。設備投資・新製品開発・人材採用を内部留保で賄える自己資金充足型の経営体制を維持している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期のヘルスケア装置関連は受託開発の一部中止と新規案件開始遅延によりセグメント損失18百万円(前期は利益40百万円)に転落。一方で受注残高は1,198百万円(前期比116.1%)と高水準に積み上がっており、受注高も前期比149.6%増と大幅回復。

受注残の売上計上タイミングが2027年3月期業績の鍵を握るが、案件の中止・遅延リスクは引き続き注視が必要。

株式会社日立ハイテクへの売上依存度は2025年3月期19.2%から2026年3月期24.2%へ上昇。光応用・特殊機器装置関連セグメント売上高1,033百万円のうち約60%を同社が占める計算となり、同社の設備投資方針変更や発注量の変動が業績に直接影響するリスクが高まっている。

外部要因として半導体製造装置市場の需給変動も同リスクを増幅させる可能性がある。

2026年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益は285百万円(前期比19.7%減)と大幅減益だが、営業利益357百万円(前期比6.2%増)・経常利益396百万円(前期比12.0%増)は増益。減益の主因は法人税等調整額が前期△102百万円(税効果便益)から△12百万円へ縮小したことによる税負担増加。

実力ベースの事業収益力は改善しており、2027年3月期予想当期純利益300百万円(前期比5.0%増)への回復は合理的な水準と判断される。

成長戦略

X線装置の海外展開・新製品拡充と半導体向け受託事業の拡大を両輪とした成長

米国子会社Pulstec USA, Inc.および海外代理店との連携強化により北米・欧州・アジア等海外市場の拡大を推進。2026年3月期の北米売上高は76百万円(前期49百万円)、欧州37百万円(前期20百万円)と海外売上が拡大傾向。

デモ機貸出・計測サービス・展示会出展を継続実施し早期受注獲得を目指す。

2026年3月期末受注残高1,198百万円(前期比116.1%)の売上計上を推進するとともに、品質管理体制強化・技術力向上による生産性改善を図る。受託開発の中止・遅延リスクを管理しつつ、新規受託開発案件の早期受注獲得に向けた営業活動を展開。

2027年3月期第2四半期累計の売上高予想は1,000百万円(前年同期比3.9%減)と上期は慎重な見通し。

主要顧客日立ハイテクとの取引深化を継続しつつ、光波センシング技術を中核とした新規顧客開拓および収益性の高いカスタム製品・リピート製品の早期受注に注力。2025年3月期完了のクリーンルーム全面改修による生産能力増強が本格寄与し、2026年3月期セグメント利益は329百万円(前期比27.1%増)と大幅増益を達成。

当社の特色を生かした新規事業の早期創出に経営資源を投入するとともに、次代を担う人材の採用・育成に積極的に取り組む。既存設備の増強・更新・修繕などの設備投資を適時適切に実施。2026年3月期の有形固定資産取得による支出は244百万円と前期304百万円から縮小したが、設備投資方針は継続。

最終更新: 2026年7月19日