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株式会社小野測器

6858東証スタンダード電気機器

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株式会社小野測器6858

事業内容

株式会社小野測器は1954年創業の計測専業メーカーで、センサ・回転速度・音響振動・トルク・寸法変位など多岐にわたる計測機器の製造販売(計測機器セグメント)と、自動車メーカー等向け研究開発・品質管理用の特注試験装置の設計・製造・エンジニアリングサービス(特注試験装置及びサービスセグメント)を2本柱とする。主要顧客は本田技研工業(2025年12月期売上高比率17.8%)をはじめとする自動車OEM・部品メーカーで、米国・タイ・インド・中国に販売子会社を持つグローバル体制を構築している。

ビジネスモデル

売上の約66%を占める特注試験装置及びサービスセグメントは個別受注型で、試験装置の設計・製造から修理・校正・受託試験・ベンチマーキングレポート販売まで一貫して提供する。計測機器セグメントは見込生産で汎用製品を量産・販売し、アフターサービスや更新需要を継続的に取り込む。

長期経営戦略「モノ→コト→モノの循環」により、製品販売で得た顧客接点をサービス・エンジニアリングで深耕し、知見を製品開発にフィードバックする循環型モデルを志向している。

企業の強み

2025年12月期の受注高は15,659百万円(前期比13.8%増)、受注残高は9,050百万円(前期比28.9%増)に達した。特注試験装置及びサービスの受注残高だけで8,294百万円(前期比30.6%増)を確保しており、翌期以降の売上原資が厚く積み上がっている。

横浜・宇都宮の2拠点に音響・振動・エンジン試験設備を保有し、VRS(Virtual & Real Simulator)やRC-S(Real Car Simulation Bench)などの高度な試験装置プラットフォームを自社開発。研究開発費は2025年12月期に1,011百万円を投じており、AI音データ処理やベンチマーキングレポート販売など新サービスへの展開も進んでいる。

2025年12月期末の純資産は16,603百万円、有利子負債残高は1,219百万円にとどまり、現金及び現金同等物3,774百万円が有利子負債を上回るネットキャッシュ状態を維持。旧本社ビル売却資金を活用した中部リンケージコモンズ建設など成長投資を自己資金で賄える財務基盤を有する。

エンヴァリスの着眼点

2026年12月期第1四半期の売上高4,448百万円は通期予想15,000百万円の29.7%に相当し、季節性を考慮しても順調な滑り出し。受注残高8,494百万円は通期売上予想の56.6%に相当し、売上原資は十分に積み上がっている。

市場環境としてHEV・PHEV回帰トレンドや法規制対応需要が追い風となっているが、第2四半期以降の受注動向(特に特注試験装置の新規受注)が通期達成の鍵を握る。

2026年12月期第1四半期の売上原価率は56.6%(前年同期55.3%)と1.3ポイント上昇。原材料価格高騰を業務効率改善で一定程度吸収しているものの、完全には相殺できていない。

また、人的資本投資(賞与支給・人財育成)や海外拡販向け販促費増加により販管費も1,508百万円(前年同期1,335百万円)に拡大。計測機器セグメントのセグメント利益は10百万円(前年同期比9.7%減)にとどまっており、同セグメントの収益性回復が中期目標達成の課題として残る。

経営者コメントでは、中東情勢の緊迫化による原油価格高騰・円安・燃料価格上昇が景況感悪化要因として明示されている。日中関係の不透明感も継続しており、主要顧客である自動車メーカーの設備投資計画に影響を与えるリスクがある。

一方、自己株式取得(上限200,000株・160,000,000円、2026年3月末時点で64,300株・55,579,600円取得済み)を進めており、資本効率向上への取り組みは評価できる。業績予想・配当予想は修正なしで据え置かれている。

成長戦略

Challenge Stage Ⅳで2027年12月期売上高14,500百万円・営業利益1,000百万円を目指す

海外市場投入専用商品の開発、代理店への販促活動強化、展示会出店等を通じて計測機器の海外売上高拡大を推進。2026年12月期第1四半期は商品企画・販売促進費が増加しており、先行投資フェーズにある。

ベンチマーキングレポート販売の対象車種ラインアップ拡充、VRS(Virtual & Real Simulator)等シミュレーションベンチの受注拡大、受託試験・修理・校正等アフターサービスの深耕により、高付加価値エンジニアリング領域での収益拡大を図る。

エンゲージメント向上を目的とした賞与支給、人財育成への取り組み、多様な働き方への制度見直しを継続。AIを活用したお問い合わせ対応の高度化や販売体制強化など、デジタル活用による業務効率化・顧客サポート強化を推進。

自己株式取得(上限200,000株・160,000,000円)を2026年2月から実施中(2026年3月末時点で64,300株・55,579,600円取得済み)。年間配当を前期22円から30円へ増配予想し、資本効率向上と株主還元の両立を図る。

最終更新: 2026年7月17日