事業内容
株式会社小野測器は1954年創業の計測専業メーカーで、センサ・回転速度・音響振動・トルク・寸法変位など多岐にわたる計測機器の製造販売(計測機器セグメント)と、自動車メーカー等向け研究開発・品質管理用の特注試験装置の設計・製造・エンジニアリングサービス(特注試験装置及びサービスセグメント)を2本柱とする。主要顧客は本田技研工業(2025年12月期売上高比率17.8%)をはじめとする自動車OEM・部品メーカーで、米国・タイ・インド・中国に販売子会社を持つグローバル体制を構築している。
ビジネスモデル
売上の約66%を占める特注試験装置及びサービスセグメントは個別受注型で、試験装置の設計・製造から修理・校正・受託試験・ベンチマーキングレポート販売まで一貫して提供する。計測機器セグメントは見込生産で汎用製品を量産・販売し、アフターサービスや更新需要を継続的に取り込む。
長期経営戦略「モノ→コト→モノの循環」により、製品販売で得た顧客接点をサービス・エンジニアリングで深耕し、知見を製品開発にフィードバックする循環型モデルを志向している。
企業の強み
2025年12月期の受注高は15,659百万円(前期比13.8%増)、受注残高は9,050百万円(前期比28.9%増)に達した。特注試験装置及びサービスの受注残高だけで8,294百万円(前期比30.6%増)を確保しており、翌期以降の売上原資が厚く積み上がっている。
横浜・宇都宮の2拠点に音響・振動・エンジン試験設備を保有し、VRS(Virtual & Real Simulator)やRC-S(Real Car Simulation Bench)などの高度な試験装置プラットフォームを自社開発。研究開発費は2025年12月期に1,011百万円を投じており、AI音データ処理やベンチマーキングレポート販売など新サービスへの展開も進んでいる。
2025年12月期末の純資産は16,603百万円、有利子負債残高は1,219百万円にとどまり、現金及び現金同等物3,774百万円が有利子負債を上回るネットキャッシュ状態を維持。旧本社ビル売却資金を活用した中部リンケージコモンズ建設など成長投資を自己資金で賄える財務基盤を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期9,852百万円の赤字期から5期連続増収となり、2026年12月期第1四半期は4,448百万円(前年同期比19.4%増)。営業利益は423百万円(同28.0%増)、営業利益率は9.5%(前年同期8.9%)と改善傾向。
特注試験装置及びサービスが売上高3,186百万円(同20.7%増)・セグメント利益413百万円(同28.9%増)と業績を牽引。一方、売上原価率が56.6%(前年同期55.3%)に上昇し、原材料価格高騰の影響が残る。
通期予想は売上高15,000百万円(前期比10.1%増)・営業利益1,100百万円(同86.8%増)で据え置き。外部要因として、HEV・PHEV回帰トレンドや法規制対応需要が追い風となっている一方、中東情勢・円安・原材料価格上昇が下押し圧力として継続している。
成長戦略
Challenge Stage Ⅳで2027年12月期売上高14,500百万円・営業利益1,000百万円を目指す
海外市場投入専用商品の開発、代理店への販促活動強化、展示会出店等を通じて計測機器の海外売上高拡大を推進。2026年12月期第1四半期は商品企画・販売促進費が増加しており、先行投資フェーズにある。
ベンチマーキングレポート販売の対象車種ラインアップ拡充、VRS(Virtual & Real Simulator)等シミュレーションベンチの受注拡大、受託試験・修理・校正等アフターサービスの深耕により、高付加価値エンジニアリング領域での収益拡大を図る。
エンゲージメント向上を目的とした賞与支給、人財育成への取り組み、多様な働き方への制度見直しを継続。AIを活用したお問い合わせ対応の高度化や販売体制強化など、デジタル活用による業務効率化・顧客サポート強化を推進。
自己株式取得(上限200,000株・160,000,000円)を2026年2月から実施中(2026年3月末時点で64,300株・55,579,600円取得済み)。年間配当を前期22円から30円へ増配予想し、資本効率向上と株主還元の両立を図る。
最終更新: 2026年7月17日

