事業内容
株式会社アドバンテストは1954年創業の電子計測器専門メーカーを前身とし、現在は半導体・電子部品の試験装置(テスタ)を中核事業とする。SoCテストシステム、メモリテストシステム、テストハンドラ、デバイスインタフェース等を製造・販売し、AI・HPC向け先端半導体の品質保証プロセスを支える。
主要顧客はNVIDIA(売上高比率20.2%)、TSMC(同11.1%)等の世界最先端半導体企業であり、海外売上比率は97.8%に達する。2025年度の売上高は1,128,610百万円、営業利益率は44.2%と過去最高水準を更新した。
ビジネスモデル
主収益源はテストシステム事業部門(売上高の90.3%)における半導体テスタの製品販売であり、AI・HPC向け先端半導体の複雑化・高性能化がテスト工程の高度化・長時間化を促し、高単価製品の需要を構造的に押し上げる。加えてサービス他部門(同9.7%)では、累積インストールベースの拡大を背景にサポート・サービスや消耗品(テスト用インタフェースボード等)の継続的収益を獲得する。
製品ミックスの良化により売上原価率は35.7%まで低下し、高い営業レバレッジを実現している。
企業の強み
暦年2024年の市場シェア58%から暦年2025年には65%へ拡大。AI・HPC向け高性能SoC半導体テスタにおいて主要顧客(NVIDIA、TSMC等)の旺盛な設備投資を取り込み、競合他社が短期間で模倣困難な技術力と顧客基盤を背景に市場シェアを継続的に拡大している。
研究開発費は前連結会計年度714億円から当連結会計年度781億円へ増加。研究開発部門の従業員は全社人員の約3割を占め、日本・欧州・米国・中国に研究開発施設を擁する。
シリコン検証自動化ソリューション「SiConic™」やシリコンフォトニクス向けテストシステムなど次世代ソリューションの市場投入準備が進捗している。
2025年度の営業利益率は44.2%(前年度比14.9ポイント改善)、ROICは54.4%(前年度比22.9ポイント改善)を達成。製品ミックスの良化により売上原価率が35.7%まで低下し、売上高増加に対して利益が加速度的に拡大する高い営業レバレッジ構造を実証している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の486,507百万円を底に急回復し、2025年3月期779,707百万円(前期比60.3%増)、2026年3月期1,128,610百万円(同44.7%増)と2期連続で過去最高を更新。営業利益は2026年3月期499,120百万円(同118.8%増)、当期利益375,353百万円(同132.9%増)。
外部要因として、AI関連投資の拡大を背景としたHPCデバイス・高性能DRAM向けテスタ需要の急増が主因。加えて高収益製品の販売比率上昇により営業利益率は29.3%→44.2%へ大幅改善。
前期に計上したのれん・無形資産減損損失(21,393百万円)の消滅も利益押し上げに寄与。2027年3月期は売上高1,420,000百万円・営業利益627,500百万円を会社予想として公表している。
成長戦略
コア市場シェア維持・生産能力増強・次世代ソリューション開発の3軸でMTP3を推進
2031年満期転換社債(約100,000百万円)の調達資金のうち約50,000百万円を2029年3月までに投下し、SoCテストシステムの年間生産能力を7,500台規模へ拡大。旺盛な顧客需要に対してタイムリーな製品納入を継続することで市場シェアを維持・拡大する。
転換社債調達資金のうち約20,000百万円を2027年3月までに戦略的在庫確保に充当。半導体テスタ需要の変動に柔軟に対応できる供給体制を構築し、顧客の設備投資タイミングへの即応力を高める。
転換社債調達資金のうち約30,000百万円を2028年3月までに次世代ソリューション開発に投下。半導体の複雑化・先端パッケージ化に対応したシステムレベルテスト(SLT)等の新製品・新サービスを開発し、近縁市場への展開を加速する。
当社グループ製品のインストールベース拡大に伴うサポート・サービス・消耗品販売の継続的増加を取り込む。2026年3月期にサービス他部門はセグメント利益8,758百万円と黒字転換(前期△16,125百万円)を達成。事業一部譲渡(譲渡益2,504百万円)等によるポートフォリオ最適化も継続する。
2026年3月期第1四半期より報告セグメントを従来の3区分から「テストシステム事業」「サービス他」の2区分へ再編。テスタ本体から周辺機器・サービスまでを包括的に提供するテストソリューションプロバイダーとしての体制を強化し、顧客の多様なニーズに一元対応する。
最終更新: 2026年7月19日

