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新電元工業株式会社

6844東証プライム電気機器

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新電元工業株式会社6844

事業内容

新電元工業は1949年創業の東証プライム上場企業で、半導体技術・回路技術・実装技術を融合したパワーエレクトロニクス製品を製造・販売する。事業はパワーデバイス(ダイオード・MOSFET等のパワー半導体)、パワーユニット(二輪・四輪車用電装品)、パワーシステム(通信インフラ向け電源装置)の3セグメントで構成される。

主要顧客はホンダ系二輪メーカー(インド・インドネシア)を中心とするアジアの自動車・二輪車メーカー、通信インフラ事業者、産業機器メーカー等。国内外に連結子会社20社を擁し、アジアを中心にグローバルな生産・販売体制を構築している。

2026年1月には京セラのパワーデバイス事業を承継した㈱秦野新電元を子会社化し、製品ラインナップを拡充した。

ビジネスモデル

当社グループは国内外の製造子会社が各セグメントの製品を生産し、当社が一括仕入れのうえ国内外の販売子会社を通じて顧客に供給する垂直統合型モデルを採用する。売上高113,836百万円(2026年3月期)のうち約64%をパワーユニット事業(アジア二輪・四輪向け電装品)が占め、パワーデバイス事業(約29%)、パワーシステム事業(約7%)が続く。

研究開発費は売上高比4.6%(5,203百万円)を投じ、技術開発センターと各事業部門の連携で製品競争力を維持する。

企業の強み

ホンダ系二輪メーカー2社(ピー・ティ・アストラホンダモーター12,522百万円・ホンダ・モーターサイクル・アンド・スクーター・インディア12,503百万円)が各々売上高の約11%を占め、インド・アセアン地域の主要顧客との長期取引関係を構築している。この顧客基盤は競合他社が短期間で代替困難な参入障壁を形成している。

パワーデバイス・パワーユニット・パワーシステムの全技術領域を横断する研究開発体制を有し、2026年3月期の研究開発費は5,203百万円(売上高比4.6%)。SiC次世代デバイス、車載用第6世代MOSFETプロセス開発完了、ワイヤレス給電・ロボティクス技術など幅広い技術成果を事業部門へ移管しており、多数の特許を出願している。

2026年1月に京セラのパワーデバイス事業を承継した㈱秦野新電元(台湾子会社含む)を子会社化(取得対価2,271百万円)。産業機器向け製品ラインナップを加速的に拡充し、パワーデバイス事業の受注高は前期比22.1%増(37,579百万円)、受注残高は前期比60.3%増(10,942百万円)と顕著な拡大効果が確認されている。

エンヴァリスの着眼点

売上高113,836百万円(前期比7.6%増)、営業利益3,848百万円(前期128百万円)、親会社株主帰属当期純利益5,655百万円(前期2,436百万円の損失)と全利益段階で大幅改善。ただし当期純利益には投資有価証券売却益2,461百万円、固定資産売却益399百万円等の特別利益3,106百万円が含まれており、実力ベースの収益力は営業利益水準で評価する必要がある。

営業利益率3.4%はなお低水準であり、持続的な収益改善が課題。

2027年3月期の会社予想は売上高121,200百万円(前期比6.5%増)、営業利益4,000百万円(同3.9%増)、親会社株主帰属当期純利益2,700百万円(同52.3%減)。純利益の大幅減少は前期の特別利益剥落が主因。

前提為替レートは1US$=152円。米国関税政策・地政学リスク・アジア通貨安・物流コスト増加等の外部リスクは業績予想に未織込みであり、下振れリスクとして注視が必要。

最大セグメントのパワーユニット事業は売上高72,806百万円(前期比7.6%増)と増収ながら、営業利益は3,847百万円(前期比22.7%減)と減益。アジア通貨安の影響に加え、EV/PHEV充電器等の電動化関連製品へのリソース投下による費用増加が利益を圧迫。

電動化投資は将来の成長に不可欠だが、短期的には収益性を低下させる構造にあり、投資回収時期の見極めが重要。

成長戦略

京セラ事業統合・インド市場開拓・電動化製品育成で第17次中計最終年度へ

2026年1月に京セラ㈱のパワーデバイス事業を会社分割により承継。産業機器向け製品ラインナップを拡充し、AI関連投資拡大を背景とした電源製品・半導体製造装置向け需要を取込み。技術融合による新製品開発も推進し、パワーデバイス事業の成長加速を図る。

重点市場と位置付けるインドにおいて生産・販売体制の構築を推進。インド・アセアン地域での二輪車向け製品の堅調な需要を背景に、現地での事業基盤を強化し、将来の電動化需要にも対応できる体制を整備する。

EV/PHEV用充電器やEV充電インフラ製品群を成長分野と位置付け、リソースを集中投入。当期はパワーシステム事業からパワーユニット事業へEV充電インフラ製品群を移管し、管理体制を整備。短期的には費用増加要因となるが、中長期的な収益源として育成を図る。

前期(2025年3月期)に事業構造改善費用1,412百万円を計上して断行した構造改革が当期に効果を発揮。営業利益は2,247百万円の損失から2,533百万円の黒字へ転換し、目標を達成。今後は統合した京セラ事業との相乗効果でさらなる収益性向上を目指す。

最終更新: 2026年7月19日