事業内容
アオイ電子株式会社は1969年創業の香川県高松市を本拠とする電子部品メーカーで、集積回路(IC、光学センサー、ウェハーレベルパッケージ、LED等)と機能部品(サーマルプリントヘッド、各種センサー等)の製造・販売を主力事業とする。連結子会社3社(ハイコンポーネンツ青森、青梅エレクトロニクス、ハヤマ工業)が製造工程を担い、持分法適用関連会社のヴィーネックスがセンサー部品の販売を担う。
主要顧客は日亜化学工業(売上比31.5%)、ミツミ電機(同15.6%)、日清紡マイクロデバイス(同12.8%)で、上位3社で売上高の約60%を占める。東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
当社グループは高松工場・観音寺工場・多気事業所を中心とした自社製造体制を持ち、連結子会社に製造工程の一部を委託しながら製品を生産する。販売は主要顧客への直接販売が中心で、売上高38,323百万円のうち集積回路が33,874百万円(88.4%)、機能部品が4,445百万円(11.6%)を占める。
受取技術料収入も経常利益に貢献しており、2026年3月期は238百万円を計上した。
企業の強み
当社独自のパネルレベルパッケージ「FOLP(Fan Out Laminate Package)」は、業界最先端となる接続ビアピッチ25ミクロンのチップレット集積を試作レベルで実現し国際学会で発表。主要国際学会での招待講演も増加しており、グローバル顧客からの引合い増加・認定サンプル要求など具体的なビジネス獲得フェーズに入っている。
経済産業省NEDOプロジェクト「SATAS」において、インテル社を主幹とする後工程自動化研究プロジェクトに唯一のOSAT(後工程受託製造)企業として参加。パネルレベルでのチップレット集積量産技術の実証研究を進めており、量産ラインへの適用を図ることで技術的差別化を確立している。
高松工場・観音寺工場においてISO9001(品質マネジメント)、ISO14001(環境マネジメント)、IATF16949(自動車産業向け品質マネジメント)の各認証を取得。長年にわたる品質管理体制の構築が日亜化学工業・ミツミ電機等の大手顧客との継続的取引関係を支えており、2026年3月期の上位3社合計売上高は22,972百万円に達する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期33,941百万円を底に2期連続増収(2026年3月期38,323百万円)となり回復軌道にあるが、2022年3月期ピーク43,347百万円には依然届かない。営業利益は2025年3月期に黒字転換(439百万円)したものの2026年3月期は306百万円に再低下。
原材料価格高騰(外部要因)と研究開発費増加が利益を圧迫。さらに減損損失252百万円の計上により当期純利益は70百万円(前期178百万円)に落ち込んだ。
経常利益は受取技術料急増・為替差益(外部要因)により728百万円と大幅改善したが、営業外・特別損益の振れが大きく実態把握を複雑にしている。
成長戦略
三重県多気事業所での先端パッケージ量産化と減価償却方法変更による収益構造転換
三重県多気事業所において設備投資・研究開発投資を積極実施。2026年3月期の有形固定資産取得支出は11,359百万円、建設仮勘定残高は8,978百万円に拡大。グローバルな引き合いを獲得しており、量産化が中長期収益の鍵となる。
2027年3月期より有形固定資産の減価償却方法を定率法から定額法に変更。従来比で減価償却費が1,430百万円減少し、利益面の下押し圧力を緩和。先行投資フェーズにおける財務負担を軽減する効果が期待される。
受取技術料が2025年3月期22百万円から2026年3月期238百万円へ急増。自社保有技術の対外ライセンス供与による製造販売以外の収益源確立を進めており、経常利益の安定化に寄与している。
最終更新: 2026年7月19日

