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大井電気株式会社

6822東証スタンダード電気機器

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大井電気株式会社6822

事業内容

大井電気グループは、電力・鉄道・官公庁・通信キャリア等の社会インフラ向けに情報通信機器を製造販売する「情報通信機器製造販売」セグメントと、通信設備・光ネットワーク・CATVの工事・保守を担う「ネットワーク工事保守」セグメントの2事業を中核とする。製造販売では光伝送システム、スマートメーター向けIoT関連装置、セキュリティ・監視システム等を手掛け、工事保守では日本フィールド・エンジニアリング㈱等の子会社が全国展開する。

1950年創業、東証スタンダード上場。三菱電機㈱が主要株主の一角を占め、東京電力パワーグリッド・KDDI等の大手インフラ企業を主要顧客とする。

ビジネスモデル

情報通信機器製造販売セグメントでは、自社開発製品を電力・通信キャリア等に販売し製品売上を計上する。ネットワーク工事保守セグメントでは、通信設備の設計・施工・保守を一気通貫で提供し工事・保守収入を得る。

両セグメントが相互補完することで、機器納入後の保守・更新需要を継続的に取り込む構造を持つ。2026年3月期の売上高は情報通信機器製造販売20,731百万円、ネットワーク工事保守11,979百万円で構成される。

企業の強み

当社は第1世代スマートメーター導入の黎明期から通信機能の製造・販売を手掛けてきた実績とノウハウを有する。2025年度より電力会社での第2世代スマートメーター導入が本格化し、IoT関連装置事業の売上は前年同期比で増加。

受注残高は19,185百万円(前年同期比24.9%増)に積み上がっており、先行者優位が受注拡大に直結している。

5G用インフラ向け光波長多重伝送装置事業で培った実績を基盤に、通信速度400G/600Gbpsまでの製品を開発・ラインナップ済み。2026年3月期は通信キャリア向け需要増加により光多重伝送装置事業の売上が前年同期比で増加し、情報通信機器製造販売セグメント全体の売上高は20,731百万円(前年同期比23.3%増)を達成した。

2023-2025中期経営計画の最終年度(2025年度)において、売上高32,709百万円(計画32,100百万円比1.9%超過)、営業利益1,771百万円(計画1,180百万円比50.0%超過)を達成。2022期・2023期の営業赤字から2024期以降に黒字転換し、2026期には営業利益1,772百万円まで改善。

原価改善・価格転嫁・製品構成改善の施策が実績として確認できる。

エンヴァリスの着眼点

2027年3月期通期予想は売上高40,200百万円(前期比22.9%増)と大幅増収を見込む一方、営業利益は1,600百万円(同9.7%減)と減益予想となっている。第2世代スマートメーター向け量産型ビジネスの売上構成比上昇に伴う利益率低下、生産能力増強費用・体制整備費用の増加、原材料コストアップが主因とされる。

増収減益の構造が一時的なものか、収益性の構造的低下を示すものかを見極める必要がある。

2026年3月期の為替差損は87百万円と前期(9百万円)から急増しており、電子部品・材料等の海外調達に伴う為替変動リスクが顕在化している。業績見通しの前提為替レートは1US$=156.0円で、円安1円当たり約45百万円の損益影響を想定。

また、棚卸資産増加(1,975百万円の資金流出)等により営業CFは2,778百万円から1,677百万円へ大幅減少しており、事業拡大局面での運転資本管理が課題となっている。

自己資本比率は2025年3月期29.8%から2026年3月期31.8%へ改善し、1株当たり純資産も5,364.20円から6,734.55円へ上昇した。2026年3月期から配当を再開(年間70円)し、2027年3月期は80円へ増配予定(配当性向5.4%)と株主還元も始動した。

一方、短期借入金4,530百万円を含む有利子負債残高は依然として相応の水準にあり、インタレスト・カバレッジ・レシオは25.2倍から17.6倍へ低下している点は留意が必要。

成長戦略

第2世代スマートメーター拡大と光伝送・工事保守の多角化で持続成長を目指す

電力会社向け第2世代スマートメーター向け通信機器の導入本格化を受け、自動化ライン稼働開始など量産体制を整備。水道分野への展開も進展しており、社会インフラ分野のデジタル化需要を継続的に取り込む。2027年3月期も同分野が売上成長の主要ドライバーとなる見通し。

通信トラフィック増大・ネットワーク高度化ニーズを背景に、顧客ニーズに対応した新機種投入を継続。高付加価値製品の展開により製品構成を改善し、利益率向上を図る。2026年3月期は通信キャリア向け需要が堅調に推移し、増収・増益に貢献した。

生産能力増強費用や体制整備費用の増加が見込まれる中、製造工程の効率化・自動化推進、調達力強化による原価低減、DX推進・AIツール活用による業務効率化を通じて収益性の改善を継続的に図る。2027年3月期は増収ながら減益予想であり、コスト管理が課題。

電力・通信キャリア向けの安定需要に加え、情報システム分野の構築案件や公共分野への展開を強化。技術者育成・専門人材確保、ICT・アウトソース活用による生産性向上で受注対応力を強化する。2026年3月期は一部案件変動により売上高11,979百万円(前期比2.1%減)と微減となった。

2025年3月期まで無配だったが、2026年3月期に年間70円の配当を再開。2027年3月期は80円へ増配予定(配当性向5.4%)。自己資本比率は31.8%へ改善しており、成長投資と財務健全性維持を両立しながら株主還元を段階的に拡充する方針。

最終更新: 2026年7月19日