事業内容
TOA株式会社は1934年創業の音響・映像機器メーカーで、「Public Safety」「Public Communication」「Public Space Design」を事業領域とする。当社および子会社28社・関連会社1社の計30社で構成され、国内では官公庁・商業施設・オフィスビル・鉄道車両向けに音響・映像システムを提供。
海外は東南アジア・欧州・中東・アフリカ・北米・中国・東アジアの現地販売子会社を通じて展開する。大阪・関西万博へのネットワーク統合型放送システム納入や、空港・産業施設・教育機関など多様な顧客層を持つ。
ビジネスモデル
当社グループは企画・開発を本社が担い、国内外の生産子会社(インドネシア・ベトナム・台湾等)で製造した製品を、国内は代理店経由、海外は現地販売子会社経由で販売する。日本セグメントが売上高の約59%を占める中核であり、アジア・パシフィック・欧州・中東・アフリカ・アメリカ・中国・東アジアの4海外セグメントが残余を担う。
研究開発費は3,380百万円(2026期)を投じ、製品競争力を維持する。
企業の強み
1934年創業以来、音響・映像分野に特化した技術開発を継続。研究開発部門人員262名、研究開発費3,380百万円(2026期)を投じ、IPコミュニケーションシステム「CX-1000シリーズ」、ネットワークカメラ「TRIFORAシリーズ」(2025年度グッドデザイン賞受賞)、クラウドサービス「YUTTE」など多様な新製品を継続的に市場投入している。
1973年の西独子会社設立を皮切りに、米国・インドネシア・シンガポール・マレーシア・タイ・ベトナム・中国・香港・台湾・南アフリカ等に現地販売子会社を展開。2024年9月にはPA-Vox Holding B.V.(傘下3社含む)を子会社化し、空港・航空業界向け放送システムソリューション領域を強化。
海外売上高合計は22,782百万円(2026期)に達する。
大阪・関西万博のネットワーク統合型放送システム、インドネシア首都移転新庁舎、中東大型都市開発プロジェクト、空港施設(マレーシア・中国)、鉄道車両(北米・国内)など、公共インフラ・大型施設への納入実績を多数保有。これらの実績が新規案件獲得における参照事例として機能し、競合他社が短期間で模倣困難な信頼基盤を形成している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期40,864百万円→2026期55,386百万円と5期で35.5%増加し、成長ペースは加速している。営業利益は2023期に1,713百万円まで落ち込んだ後、2026期には4,656百万円(前期比+29.7%)と急回復し、営業利益率は8.4%(前期7.1%)に改善。
親会社株主帰属当期純利益も3,313百万円(前期比+39.9%)と過去最高。外部要因として、官公庁・インフラ向け設備投資の拡大、中東・東南アジアの旺盛な建設需要、円安による海外売上の円換算押し上げ効果が業績を後押しした。
一方、包括利益は4,139百万円(前期4,830百万円から▲14.3%)と、その他有価証券評価差額金の減少(▲1,097百万円)が影響した。
成長戦略
「NEXT100 TOA」のもと2034年度売上高1,000億円超を目指し、事業構造再定義・海外加速・新規事業創出を推進
創業100周年となる2034年度を節目に連結売上高1,000億円超を目指す長期戦略を策定。次期中計では連結売上高60,000百万円・連結営業利益5,100百万円・ROIC6.6%を目標に掲げ、「事業構造の再定義」を起点とした5つの重点施策を推進する。
2025年6月にNFC活用の「TRIFORAスマートキッティング」機能を搭載したネットワークカメラシステム最新7機種を発売。2025年7月には放送・通話・映像融合のIPコミュニケーションシステム「CX-1000シリーズ」を発売し、双方向・多拠点の高度なコミュニケーション支援を実現。
インドネシア首都移転・UAE大型都市開発・バーレーン都市開発等の大型プロジェクトへの納入を継続。PA-Vox Holding B.V.の連結子会社化により欧州・空港向け放送システム事業を拡充。
2026年3月期の海外売上合計は22,782百万円(欧州・中東・アフリカ7,650百万円、アジア・パシフィック10,217百万円等)と拡大基調。
翌連結会計年度より、アジア・パシフィック事業部と中国・東アジア事業部を統合し、報告セグメントを5区分から4区分(日本・アジア・パシフィック・欧州中東アフリカ・アメリカ)に変更。リソース集約による事業効率化と管理コスト低減を図る。
2026年3月期の年間配当は90円(安定配当85円+業績連動配当5円)、配当性向85.0%、純資産配当率5.4%を実現。2027年3月期予想は年間85円(安定配当のみ)。連結株主資本配当率(DOE)5%以上を目安とする方針を明示し、持続的な株主還元を継続する。
最終更新: 2026年7月19日

