事業内容
株式会社アルチザネットワークスは1990年創業、東証スタンダード市場上場の通信テストソリューション専業企業。移動体通信分野ではプロトコル・シミュレータと呼ばれる通信計測機(DuoSIM-5G等)の開発・販売、固定通信分野ではネットワーク監視装置etherExtractor等の開発・販売を行う物販セグメントと、通信テストサービス・保守を担うサービスセグメントの2事業を展開。
主要顧客はNTTドコモ・富士通・ソフトバンク等の通信事業者・通信機器メーカーで、子会社の株式会社シー・ツー・エムを含むグループで通信インフラの品質・信頼性向上を支援している。
ビジネスモデル
物販セグメントでは5G対応プロトコル・シミュレータやネットワーク監視装置を自社開発・販売し、通信事業者・機器メーカーの研究開発・品質保証ニーズに応える。サービスセグメントでは同製品群を活用したテストサービス受託・保守・コンサルティングを提供し、安定的な継続収益を確保する。
2025年7月期はサービスが売上高1,255百万円・営業利益371百万円と収益の柱となり、物販の先行開発コストをカバーする構造となっている。
企業の強み
1991年の自社製品販売開始以来、SS7・W-CDMA・LTE・5Gと各世代の通信規格に対応した計測機を継続開発。2019年に5GテストシステムDuoSIM-5Gを製品化し、国内通信事業者への納入実績を持つ。
2025年7月期の物販受注高は1,241百万円(前期比74.0%)と減速しているものの、30年超の技術蓄積が参入障壁を形成している。
2025年7月期のサービスセグメントは売上高1,255百万円(前期比9.6%増)、営業利益371百万円(前期比211.9%増)を達成。固定費削減効果も加わり、営業利益率は約29.6%に達した。
テストサービス受託・保守・DuoSIM-5Gレンタルを組み合わせた安定収益モデルが機能しており、物販の損失を補完する収益の柱となっている。
2025年7月期末の純資産は6,561百万円。当期は余剰資金を国債・社債等の安全性の高い有価証券に投資し、受取利息・配当金157百万円を計上。
投資有価証券残高が3,365百万円増加し、固定資産合計4,464百万円の大部分を占める。財務的な安定性が高く、研究開発投資の継続を自己資金で賄える体制を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年期4,543百万円をピークに4年連続減収となる見通し(2026年期通期予想2,575百万円)。2026年7月期第3四半期累計は売上高1,862百万円(前年同期比12.0%減)、営業利益191百万円(同22.8%減)。
物販セグメントは既存顧客の5G向け研究開発投資回復が遅れ、主力製品DuoSIM-5Gの販売が減少。サービスセグメントはレンタル・保守収入増加も評価受託業務の受注減少で微減収。
外部要因として通信事業者の設備投資抑制傾向が継続しており、海外向け物販も受注未達。一方、投資有価証券の評価差額金改善(△183百万円→△19百万円)により包括利益は442百万円と大幅改善。
通期配当予想は25円(前期20円)に増配修正。
成長戦略
5G-Advanced・6G・海外展開・AI-RAN/NTN新領域の4軸で次の成長サイクルを構築
国内5G契約数が1億件を突破し業界の焦点が5G高度化・6Gへ移行する中、対応製品の開発を継続。既存顧客の研究開発投資回復を待ちつつ、次世代規格対応製品で先行優位性の維持を図る。ただし第4四半期も国内投資動向は不透明。
海外向け物販は当第3四半期累計で受注に至らず、当初予想を下回る結果となった。引き続き市場開拓活動を継続しているが、具体的な受注獲得には至っておらず、進捗は遅れている状況。
AI-RANはアライアンス設立を経て実証から実装・商用化フェーズへ進展。衛星通信を活用したNTNの商用サービス本格化に伴う需要取り込みを目指す。これらの領域への対応製品開発・商材開拓を継続中。
DuoSIM-5Gのレンタル・保守サービス収入は当第3四半期累計で増加しており、新規契約獲得による堅調推移を確認。評価受託業務の受注回復が課題だが、販売管理費等の削減を進め収益性改善を継続。
最終更新: 2026年7月17日

