事業内容
東京コスモス電機は1957年創業の電子部品メーカーで、東京証券取引所スタンダード市場に上場。可変抵抗器と車載用電装部品(角度センサ・フィルムヒーター等)の製造販売を主力事業とし、国内製造子会社3社・中国2社・台湾・米国の計8社の連結グループを形成する。
主要顧客は国内自動車メーカー・農業機械・建設機械メーカーおよび産業機器・民生機器メーカーで、台湾・米国・中国の販売子会社を通じた海外販売網も有する。2026年3月期の連結売上高は9,601百万円。
ビジネスモデル
抵抗素材技術を核に、可変抵抗器・角度センサ・フィルムヒーターを自社開発・製造し、国内外の産業機器・自動車メーカーへ直接販売する。国内3工場・中国2工場で生産し、台湾・米国・中国の販売子会社を通じて海外需要を取り込む。
収益は製品販売による売上総利益が主体で、可変抵抗器セグメントは高い利益率(2025年3月期27.9%)を誇る。
企業の強み
2025年3月期の可変抵抗器セグメントは売上高4,154百万円に対しセグメント利益1,160百万円、利益率27.9%を達成。創業以来67年にわたり培った抵抗素材技術と小ロット・多品種対応の開発体制が高付加価値製品の供給を可能にし、競合他社が短期間で模倣困難な技術的参入障壁を形成している。
国内製造子会社3社(白河・中津・会津)、中国製造子会社2社(煙台・広州)、台湾・米国・中国の販売子会社を含む計8社の連結グループを構築。製造と販売の両面でグローバルな供給体制を自社グループ内で完結させており、顧客への安定供給力と海外市場へのアクセスを同時に確保している。
ADAS向けフィルムヒーターやターゲットシミュレーター、非接触式センサ等の新規開発製品を継続的に研究開発(2026年3月期の車載用電装部品研究開発費430百万円)。自動車グレードの厳格な信頼性基準を満たす実績を背景に、完成車メーカーや大手システムサプライヤーへの直接指名受注を目指す「スーパーTier2」戦略の技術基盤を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期(10,713百万円)をピークに3期連続で減少し、2026年3月期は9,601百万円(前期比▲905百万円、▲8.6%)となった。営業利益は457百万円(前期比▲583百万円、▲56.1%)、当期純利益は28百万円(前期比▲681百万円、▲96.0%)と急激に悪化した。
外部要因として需要減速・在庫調整の影響が売上を押し下げ、固定費の吸収力が低下したことで利益率が大幅に圧縮された。訂正後の営業CFは544百万円(前期1,199百万円)、投資CFは▲249百万円、財務CFは▲786百万円、現金及び現金同等物期末残高は2,950百万円。
成長戦略
第2次中計(2025〜2027年3月期)で技術・収益・財務・株主還元の4軸強化
車載用電装部品セグメントにおいてADAS向けフィルムヒーターおよびターゲットシミュレータ等の新規開発製品を展開し、既存顧客以外への販路拡大を図る。2026年3月期の業績悪化を踏まえると、新規顧客獲得の実効性が収益回復の鍵となる。
第2次中期経営計画に基づき、2024〜2026年度の3年間で設備投資・研究開発費合計20億円を計画。訂正後の投資CF▲249百万円(有形固定資産取得261百万円、無形固定資産取得31百万円)が示すとおり、2026年3月期も投資を継続している。
可変抵抗器セグメントの高収益構造を維持しつつ、全社的な生産性向上施策を推進。2026年3月期は営業利益率4.8%(前期9.9%)まで低下しており、固定費削減・工程改善による収益力回復が急務となっている。
2026年3月期においても配当金の支払額233百万円(訂正後財務CF内)を実施しており、当期純利益が28百万円に急落する中でも株主還元を継続した。財務体質の維持と株主還元のバランスが今後の課題となる。
最終更新: 2026年7月19日

