中国依存リスク
連結売上高の55%が中国向けであり、グループ全体の生産額の約62%を中国拠点が占める。政治的要因(法規制動向等)、経済的要因(成長持続性・インフラ整備)、社会環境問題が発生した場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性がある。拠点戦略の最適化を進めているものの、中国保有有形固定資産の連結総有形固定資産に対する比率は2025年3月期の38%から2026年3月期は44%へと6%増加しており、依存度は高まっている。
地政学・国際事業リスク
海外売上高比率が93%に達するグローバル事業展開において、米中関係をはじめとする地政学リスク、関税引上げ・輸出入制限、戦争・テロ等の国際政治リスクが顕在化する可能性がある。特に中東情勢の緊迫化により原油・エネルギー資源・原材料の調達困難が懸念される。本社のガバメントリレーション機能と各地域本社によるリスク情報収集・分析体制を整備し、2026年4月にはアジア・パシフィック本社を新設して対応強化を図っている。
為替変動リスク
海外売上高比率93%のグローバル事業において、急激な円高進行は売上高・利益の減少をもたらす。米ドルが1円円高となった場合の営業利益への影響は約2,000百万円の減益、ユーロは約300百万円の減益と試算されている。海外子会社と本社間の現地通貨建て取引、本社による包括的な為替予約、ドル建て購買・円建て販売取引の推進等により為替変動リスクの低減に努めている。
非金融資産の減損リスク
2026年3月31日現在、有形固定資産・使用権資産・のれん・無形資産の総額は1,536,500百万円に上り、うち高周波部品事業の有形固定資産17,900百万円、MEMSセンサ事業に配分されたのれん98,700百万円が特に注目される。事業環境の著しい変化により回収可能価額が帳簿価額を下回った場合、多額の減損損失を認識し財政状況・業績に大きな影響を及ぼす可能性がある。事業ポートフォリオ・マネジメントによる選択と集中、課題事業の期初からのモニタリングにより減損リスクの回避に努めている。
特定顧客集中リスク
2026年3月期において連結売上高の10%を超える顧客グループが1グループ存在し、当該顧客グループへの売上高は466,400百万円(連結売上高比19%)で、主にエナジー応用製品によるものである。当該顧客の業績低迷・調達方針変更・M&Aによる企業再編等が生じた場合、注文の著しい減少や取引消滅により業績に大きな影響を及ぼす可能性がある。専用設備投資時の一定量買取責任契約の締結や、業界再編への積極的関与を含む複数シナリオの想定によりリスク低減を図っている。
技術革新・新製品開発リスク
変化の激しいエレクトロニクス業界において、将来の需要を的確に予測し魅力的な新製品をタイムリーに開発・供給し続けられる保証はなく、開発マネジメントが有効に機能しない場合は既存市場さえも失うリスクがある。また、多種多様な事業活動を通じて得たデータを開発・営業・マーケティングに有効活用できない場合も業績・成長見通しに大きな影響を及ぼす可能性がある。セールス&マーケティング本部とCTOオフィスによる全社横断体制での市場動向把握、TDK Venturesを通じたベンチャー企業との協業により新技術の早期察知と技術ロードマップ補強を進めている。
情報セキュリティリスク
顧客・取引先の機密情報・個人情報および社内技術情報を保有する中、外部からのサイバー攻撃や内部的過失・故意的行動等により情報流出・破壊・改ざん・情報システム停止が生じる可能性がある。これらが発生した場合、信用低下・損害賠償費用の発生・製品優位性の低下・業務停止等により業績に影響を及ぼす可能性がある。NISTフレームワークに基づく情報セキュリティ体制強化、AIを活用した不審データ検知、グループ全体を対象としたサイバー保険加入、サプライヤーへの情報セキュリティ管理改善支援等の対策を実施している。
原材料調達リスク
マグネット用重希土類(ジスプロシウム等)の中国依存、二次電池用コバルトのコンゴ民主共和国依存など、代替困難な原材料の特定地域・供給者への依存が存在する。輸出入規制・供給者被災・需要増加による供給不足・地政学リスクによる調達困難が長期化した場合、生産体制に影響し顧客への供給責任を果たせなくなる可能性がある。マルチソース化・長期供給契約・使用量削減への取り組みに加え、責任ある鉱物調達ポリシーに基づく精錬所調査を実施している。
コンプライアンスリスク
事業展開国における投資・安全保障・輸出入・反トラスト・製造物責任・環境・税金等の多岐にわたる規制への対応が求められ、規制への抵触や役員・従業員による不正行為が完全には回避できない可能性がある。このような事象が発生した場合、社会的信用の低下・取引停止・多額の課徴金・損害賠償請求等により業績に大きな影響を及ぼす可能性がある。GCCO・世界4地域のRCCOによるグローバルコンプライアンス体制、グローバル共通規程の策定・運用、米国司法省基準に基づく社内ルール策定等により対応している。
人財獲得・育成リスク
30以上の国と地域で事業を展開し日本以外の拠点従業員が全体の約89%を占める中、専門技術人財・マネジメント人財の継続的獲得・育成が事業発展の鍵となる。日本国内の少子高齢化・労働人口減少、中国等海外拠点での急速な雇用環境変化により、人財獲得・育成が計画どおりに進まない場合、長期的視点から事業展開・業績・成長に大きな影響を及ぼす可能性がある。新卒・経験者の通年採用、目標管理制度に基づく公平な評価・処遇制度、グローバルキー人財・経営層候補を含む階層別教育プログラムの充実により対応している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

